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私が世界を救うまで 第4話

『ふぁーたん!おちゅかぁれ!!
いつも来てくれてありがと♪
あ!もしかしてふぁーたん、ハート押してくれてる?!ありがとうー!!大好き、だぉ☆』

深夜
スマホで耳を占領していただいているのは
帰宅したての
天界社畜課 天使代理あるふぁ
大天使からのスカウトを受け、今の職場でがんばり続けている彼だ。
スマホの中から元気をくれる子を推していて、仕事から帰宅してすぐにするのは配信を聴きに行くことだ。
もしくは寝る前には必ず聴きたいのだが最近行けていなかった。
多忙が多忙で多忙すぎたため屍っていたためだが、本人は推しへの愛が足りないと嘆いている。
だが、こうして久々に行けた彼を見つけたその子は
明るく元気に出迎えてくれ『大好き、だぉ☆』と言ってくれる。
社畜課で稼いだお金を今日も慣れた手つきでサクッと投げる。

残業代はMAX300円、投げ銭のMAXは日々更新中。
あるふぁの一日の至福の時間。

「はぁ、今日も可愛い……おっと、めんこいだった。
あぶないあぶない。表現にはこだわらないとな。
推しのこだわりを守るのが推し活の基本〜!」

きょ、う、も…
ヴーヴー…ヴーヴー…

「…電話落ち……」

コメントを打っていたら天界からの着信に邪魔をされてしまった。
軽く絶望顔になりながら着信に出る。

「もしもし、あるふぁですが。」

「もしもしじゃないですよ!電話には1秒で出なくてはならないと普段からあれほど…っと
今はその話はいいです!あなたっ」

なんだか慌て声をした上司からだった。
普段はこのような慌てているような話し方はしない。

ユーンをあの世界に生まれさせてしまった時すらこんな感じではなかった。

どうしたらこうなる?

「あの、僕、何か大変なミスを…?やらかしてしまいましたか?」

「ミスなんて、そんな可愛いものじゃないですよ!
ユーンの代わりの魂…
あれはどうやって見つけたんです?なぜ、あの魂だったんです?
あの魂は地球支部人間界にくる魂じゃない。
あれは、今ユーンがいる世界の、地球から見れば異世界の魂。ユーンがあっちに行った代わりですか?
入れ替えちゃえばすむ話だと思いましたか?☆×▽☆♡∑!」

最後が聞き取れなかったが、どうやらユーンの代わりにした魂がよくなかったらしいことはわかった。

……どうやってみつけた?
なぜあの魂だったか……?
それは、それは…

それは?

なんだ?
……思い出せない
ゃ、あれは
そうだ…

「頭の中に、浮かんできたんです。
疲れきっててぼんやりした頭に、この魂を使えと、聞いたことのない声でしたが、ほかに見つからないし命令に従いたいと、思ってしまったんです。」

そうだ
あの声は誰だったんだろう
なぜ従いたくなったんだろう

いつもなら疲れきっていても
挨拶ぐらいはと、推しの配信に行っていたのに
あの日の、あんな寝落ちの仕方は自分らしくなかった。

はぁぁあ と上司は思い切り大きなため息をついた。

「あなた
それはほんの一瞬ですが、何者かに念話で指示出しをされたんですよ。」

チッという舌打ちとともに
深淵級社畜(※エリート社畜)は洗脳しやすいのを利用されたか…
と、吐き捨てられた。やはりいつもの上司らしからぬ話し方に非常事態だと理解するが、推し活を中断されていることも頭から消え去ったりはしない。

「あの…非常事態なのはなんとなくわかったんですが、クリニックに戻っていいですか?」

「は?」

クリニック、推しのLIVE配信名だ。
もちろん上司は知らない。

その発言から2時間は電話を切らせてもらえず、
クリニックに戻ることは出来なかった。

慌てているわりに2時間…

しかたなく推しへの好きを込めたレターを送り、気を紛らわせ眠りについた2時すぎ…

地球の片隅で、とある生物が誕生した。

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【モッテアムゴット】

「ウソでしょ!!
流れ星が爆発して
いきなりでっかい木が生えてきた?!」


To Be Continued


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