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『シドニアの騎士 あいつむぐほし』 を鑑賞してきました

1.『シドニアの騎士』とは?

 SF漫画の巨匠、弐瓶勉先生の漫画作品です。太陽系が絶滅して千年後の、播種船シドニアと宇宙を舞台に、主人公らは衛人と呼ばれるロボットに乗り込み、人類の脅威となる奇居子(ガウナ)に立ち向かい、新たな居住地を探すという物語です。

2.『あいつむぐほし』のストーリーは?

 TVシリーズの続きとなります。人類の新たな居住地、惑星セブンを目の前に、敵の巨大船、大衆合(シュガフ)船が立ちふさがり、大シュガフ船を撃破しなければ、人類はセブンに降り立つことが出来ない。といったところからストーリーは始まります。

3.映像面

 アニメーション制作は主にポリゴンピクチュアズを主体に行っています。TVアニメーション1期から実に7年の年月が経ち、多くの人が待ちわびた『シドニアの騎士』完結の物語ですが、その歳月もあってか、3DCGアニメーションはここまで進化したのかと度肝を抜かれました。TVシリーズでは、衛人の演出に多少のカクつきなどが見られましたが、今作では一切ありません。処理能力も進化しました。コックピット内から戦闘の様子を描写するシーンが多くあるのですが、そのシーンのカメラワークや複雑な動きをする衛人、推進機関の綺麗なヘイグス粒子、奇居子の胞状分解の1粒1粒、それらを3DCGアニメーションだからこその技術、描写で世界観を引き立ててくれています。

4.音響面

 近くの小さい映画館で初日から特別音響上映を行っていたので、それを見に行きました。冒頭、既にYouTubeで公開されている仮称訓練装置内の描写がありましたが、衛人が最初、加速をするシーンがあります。衛人の映像に合わせてとてつもない重低音が体を襲いました。ビリビリと震える劇場の空気、音圧で揺れる椅子。しかし低音だけではなく高音域までもしっかりとカバーし、極上の音と共に映画を鑑賞出来ました。近くにそういった映画館がある方は、是非ともそちらでの鑑賞を進めます。なにせ極音が似合う作品ですので。


まとめ

 全体的にとても満足感の高い映画でした。原作未読、TVアニメシリーズ未視聴の方も遅くありません。公開終了までに是非ともご覧いただきたい作品になっています!その他にも、激アツな演出が盛りだくさんで、『シドニアの騎士』がさらに好きになること間違いなしの作品となっていますので、視聴を強くおすすめします。現在では様々なサブスクサービスでご覧になれますので、1か月無料期間を使うのも1つの手ですよね。

下記に視聴済みの方への記事も書きましたので、ご覧になられた方はよろしければご覧ください。










5.ネタバレ注意!視聴された方へ

 原作との相違点ですが、市ヶ谷テルルとの出会いのシーンはカットされた模様です。しかしテルルは纈たちとは違う水城に乗船し、しっかり登場してくれました。原作では谷風が最上位船員会に呼ばれたり、ヒ山さんにご飯に誘われてるけど小林館長とイチャイチャしたりするシーンなどがカットされた模様です。海苔夫はしっかりパリっとしましたが、ポニテにはなりませんでした…残念。

 原作には無いガウナも登場しました。山野の人格を持った知性型ガウナです。紅天蛾の再来のような。しかしこれはとても良い演出でした。これらのおかげで原作との相違点を埋め、ただカットしただけではなくなり、作品としての完成度はかなり上がっていると感じました。少ない尺の中で原作を再現しようとすると飛び飛びの映像になり、ストーリーとしてのまとまりがなくなってしまいますが、とても素敵な間の埋め方だと思いました。

 昨今のトラブルで公開が一か月ほど遅れてしまいましたが、それでも満足の行く、感動的な映画だったのは間違いありませんでしたね。原作読破済みでも、劫衛とつむぎが抱き合い、つむぎが溶けてしまうシーンはウルっときました…。個人的にはラストシーンのつむぎ復活は原作通りの星白の体でやってほしかったところはありますが、そこは賛否両論でしょう。あれだけのことがあって長道が未だ星白に未練を抱いているのも変な話ですし、あれでよかったのかもしれません。エンドロールが全て東亜重工フォントだった部分にはとても感動しました。これにて『シドニアの騎士』は完結したわけですが、弐瓶勉先生の作品にはまだ『アバラ』『バイオメガ』、そして現在連載中の『人形の国』などがありますし、今後の映像化にも大いに期待出来ますね!クラウドファンディングなどが行われたら積極的に参加したいものです。長閑の戦闘も映像化されないでしょうか…。以上です。

                         2021年6月5日


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