DJ話<♯ADMIXX01 公募セットリスト解説>
久しぶりの投稿になってしまいました。掲題の通り「一番”アド”なMixを決める」と題したMix公募企画「ADMIXX01」に参加させていただきまして。その結果が6月7日に発表になるということで、今回はその前にやりたかった「全曲解説」というやつをやろうと思います。
ADMIXX01とは
「ADMIXX01」とは平たく言うと「A-POP楽曲のMixを集める公募企画」というわけで、緊急事態宣言による自粛要請のなかで一つのムーブメントとなった配信・Mix等々の流れを踏まえて非常に注目されている企画です。主催が同じイベントに出演しているということもあり、早いうちから注目していまして、Mix作成して送り付けたという次第です。やってやるぜ!の心意気。
考えたこと
公募のテーマは「一番”アド”なMix」。「アド」という概念の解説は他に譲るとして、今回ぼくが考えたのは「アド=最大多数が『楽しい!』と思う瞬間を1回、必ず作る」ということでした。大方針が決まったら、そこからはぼくが考えるその瞬間を作る作業です。
そこにもう一つ加えたかったのが「色んな悔しい思いを消化したい」という気持ちでした。ご存知の通り昨今、コロナウイルス感染症によってクラブ・ライブハウスの閉店・休業や、イベントの中止が相次いでいます。ぼく自身主催イベントやレギュラーイベントの中止を余儀なくされ、非常にフラストレーションがたまっている時期でもありました。そこに対するぼくなりの攻撃性というか「今に見てろよ」という気持ちも何とかして乗せたい。結果として、以下のような意図で選曲を行うことにしました。
・低BPM→高BPMに向かうことで起承転結を作る
・「ロック」「女子向け」「ボカロ」etc…好きなジャンル全部入れる
・アニクラ一度も行ったことない人に「行きたい!」って思わせる
⇒それも踏まえて、アンセムマシマシのMixを作る
けどアンセムだけじゃなくて、唸っちゃうような曲も使う
・コロナの状況を踏まえて、希望のある終わりを表現したい
全曲解説
さて、そんなかたちでできたぼくのMixがこちら。URL等はこちらをご確認いただくとして、さっそく解説していくことにします。
1.Prayer X/King Gnu(BANANA FISH ED)
1曲目と最後の曲は割と早い段階で決めていました。コロナ禍でみんなが祈っている(=Pray)。そうしたイメージで始めた1曲目です。「溢れ出した涙」をこの数か月で死ぬほど見てきました。そこからまた始まるんだ、というイメージで選んだ一曲です。
2.四季の唄/MINMI(「サムライチャンプルー」ED)
2曲目は前曲の流れも汲みながら。春夏秋冬が巡るように、辛いことや悲しいことが全て巡って、もう一度明るい方へ向かっていく。ぼくの中でこの曲は「希望に向かう前段階」「悲しいことも楽しいことも、一度過ぎていく」というイメージがある曲です。
3.砂の惑星/ハチ feat.初音ミク→米津玄師+初音ミク
2曲目を「振り出しに戻った」曲とするならば、3曲目のこちらは「過去を受け入れながら、先へ進む曲」だとぼくは考えています。荒野の中で、切り捨てたかったこともそうでないことも(歌詞の中に出てくる)「友達」でい続けると決めた曲。
4.打上花火/米津玄師
(「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」主題歌)
そして米津繋ぎです。「砂の惑星」の中で「友達」になった過去を、一緒に慈しみ、続いてほしかったことに思いを馳せる。そんなイメージでの選曲でした。この最初4曲が、本Mixにおける起承転結の「起」に当たる部分です。
5.GET9/Jillmax(「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」OP)
さて、ここからは「承」の部分。過去から別れて新しい未来へ向かうためには、煩わしい騒音とも戦わなくてはいけません。この曲のファンキーなサウンドで、そうした現実の騒音を表現できればな、と思いました。
6.Bad Ass Temple Funky Sounds/Bad Ass Temple
(「ヒプノシスマイク」キャラクターソング)
前の曲のファンキーさを汲み取りながら「アニメは好きだったけど、アニクラには行ったことないなあ」という人たちへ送る最初のアンセムです。またこの曲から若干感じ取れたミクスチャーロックの感じから、次にいよいよ一番得意とするロックセクションへパスしていく、という意図で選曲。
7.MAYDAY(feat.Ryo from Crystal Lake)/coldrain(「炎炎ノ消防隊」 OP)
ここから骨太なバンドサウンドに切り替えます。原作の大久保先生が00年代ラウドロックをよく聞く、というところからメンバーはサウンドの着想を得た、というのを聞いたことがありますが、まさしくこのラウドな音をカットインでバッチリはめる、ということができたんじゃないかと密かにお気に入りな場所です。
8.Before my body is dry/Mika Kobayashi(「キルラキル」挿入歌)
個人的な感想ですが「炎炎ノ消防隊」も「キルラキル」も「闇」に対するアプローチが非常に印象的なアニメでして。「炎炎~」は火災現場という闇、「キルラキル」も明るいシーンがそうなのですが、途中途中で青空みたいなものは全然なくて、雨だったり暗がりだったり、そういうところへのアプローチが強いアニメだな、と思っていました。その中での「闇」がこういう攻撃性の高いサウンドに表れているような気がしていて、この繋ぎ。
9.日出ズル場所/オメでたい頭で何より(「火ノ丸相撲」OP)
バンドサウンドもそうなのですが、サビの「なぁ 友よ 笑っていよう」「終わりはない いつでも 越えろ 己自身」という歌詞がとても好きでして。この歌詞を聞いてほしくて選曲した、みたいなところがあります。
10.JINGO JUNGLE/MYTH&ROID(「幼女戦記」OP)
ここまでのバンドサウンドは「攻撃性」を重視した選曲でしたが、この曲はバンドサウンドにも負けない「攻撃性」を抱えた曲、そしてこの後の打ち込みといったゾーンへ続いていくための布石という、本Mixの方向性に対してきちんと道筋を立ててくれる曲です…と書くと繋ぎのために選んだようにも聞こえるかもしれませんが、アンセム力も曲のかっこよさも当然一級品。バキバキのサウンドが聞きたくて選曲しました。
11.なぁ?なぁ?なぁ?(「闇芝居」ED)
こちらも「JINGO JUNGLE」と同様、この後の流れに向けたサウンド的な道筋をつける、という意図で選曲しました。バキバキのEDM的なサウンドや、退廃的な感じを漂わせたメロディ、それでいて根底に感じられるロック的なアプローチが大好きで、結構な頻度でかけてます。闇芝居も好きだし。
12.Leopard Eyes/TRIGGER
(「アイドリッシュセブン」キャラクターソング)
前2曲で布石を打ったEDM的なサウンドの着地点がここです。ここから3曲を「女子向け」ゾーンとして、その1曲目にクールなカッコよさというイメージをつけて選曲したのがこの曲。
13.ウルトラブラスト(Live Size)/ST☆RISH
(「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEキングダム」挿入歌)
「Leopard Eyes」を「静」とするなら、この曲は完全に「動」。映画でもそうでしたけど、炎が噴き出てそこをプリンスたちが飛び回るの、完全にパッションの具現化だと思うんですよ。その人たちがいう「燃えるような夢を」っていう言葉がめちゃくちゃ刺さる。音楽的な部分もありますが、ここが一番「ぼくの好きな作品」をかけたところかな、なんて思います。
14.パーティーを止めないで/伊弉冉一二三(木島隆一)
(「ヒプノシスマイク」キャラクターソング)
さて、ここは「女子向けゾーン」の中の最後ということでアンセムを使いたいなあ、と思っていました。しかしただアンセムをポンと放り込むのもなあ…なんてことを思い、タイトル「パーティーを止めないで」に言いたいことを託すことにした選曲です。パーティーを止めたくない。
15.永久のキズナ feat.Another Infinity/Daisy×Daisy(「FAIRY TAIL」OP)
ここ数か月、クサい言い方をすると問われているのは色んなものに対する「キズナ」なのではないか、ということを思うのです。この曲の歌詞ってまさに「キズナ」だけは過去形にならないよ、ということを言っているように感じられたので、ここで選曲しました。
16.Keep the Heat and Fire Yourself Up/Fear, and Loathing in Las Vegas
(「覇穹 封神演義」OP)
前の曲がマガジン、だとしたら次はもうジャンプ作品でしょ!その中で選ぶのは何ってロックでしょ!で、その中で選んだのがこの曲です。実は、この曲を一度使いどころ完全に間違えて大スベりしたことがありまして…そのあと聞きこんだりしてやっぱかっこいいなあ、と多用するようになった経緯があります。得意な方向のロックにしていきたかった。
17.打打打打打打打打打打(Long Version)/ヒゲドライバー join.SELEN
前曲が非常にダンサブルなので、さらに踊ってもらおうじゃないか、という意図です。歌詞の「心が体が感じるよグルーヴ」というところがまさにぼくの言いたかったところで、フロアでみんなが踊っているところのイメージをつけたかった。
18.新宝島/サカナクション(映画「バクマン。」主題歌)
まあぼくの個人的なテーマソングというか、前まででみんなに踊ってもらっていた部分に対してのぼくのアンサーというつもりです。「このまま君を連れて行くよ 丁寧に描くよ」という言葉通り、ぼくができる最大限で楽しませるよ、という決意表明のつもり。この曲と次の曲が起承転結の「転」にあたる部分だと考えています。
19.ドラえもん/星野源(「ドラえもん」OP)
新宝島から「一緒に冒険」するという気持ちです。ドラえもんの曲は泣かせる曲が多いですよね。この曲もまさにそういう曲で、こういう時世だからこそ「一緒に冒険」しながら「何者でもなくても世界を救おう」という歌詞が、今の状況にピッタリじゃない?という意図で選曲。
20.HIT IN THE USA/BEAT CRUSADERS(「BECK」OP)
ここからは「結」のパートです。前2曲で言い切った(つもりの)「一緒に踊ろう」というパーティ感を残しながら、ロックへと結び付けていくことのできるポップな曲でもあって、昔から大好きなんですよね。あとは「BECK」原作のラストが本当に記憶に残ってて。シンガロングするためのアンセム、というイメージをずっと持ってて選曲しました。
21.LIVE for LIFE~狼たちの夜~/愛美(「ベン・トー」OP)
明確にロックに舵を切ったところで、タイトルの「LIVE for LIFE」という言葉が何となく好きだったこともあり選曲。「負け犬になるつもりはない」と言い切れるところ、個人的にめちゃエモだと思ってるんですがどうでしょうか。
22.database feat.TAKUMA(10-FEET)/MAN WITH A MISSION
(「ログ・ホライズン」OP)
で、ここで昔から使ってきた「オオカミ繋ぎ」をやりたくて。この「オオカミ繋ぎ」と次の曲への繋ぎは、個人的に「アニクラでやった時に盛り上がる」というアンセム3連発みたいな意識でかけることが多いです。もちろん曲も最高にかっこいい。
23.ピースサイン/米津玄師(「僕のヒーローアカデミア」OP)
前曲の「おーおーおーおー」からこの曲の最初8小節に繋ぐ、というのもよくやる繋ぎ方です。もちろんヒロアカも大好きですし、この曲もすごいかっこよさじゃないですか。ピースサインをみんなが掲げてるところ、ブースから見るのが本当に好きなんです。
24.英雄/doa(「ウルトラマンネクサス」OP)
ここも非常にわかりやすい「ヒーロー繋ぎ」です。個人的にアニクラでいいと思われるのってこういう「意味合いを自分で見出す繋ぎ」だと思っていて、例に漏れずぼくも大好きです。「転んでもいいよ また立ち上がればいい ただそれだけ出来れば英雄さ」という熱すぎるメッセージもここで言いたかった。
25.Smiling Spiral/内田真礼
先述の通り一番最後の曲もかなり早い段階で決まっていました。内田真礼さんがインタビューで言っていましたが「人からの応援」がテーマになっている楽曲でして、歌詞が最初から最後までエモの塊という感じなんですよね。一番最後の「we can do it!!」が一番伝えたいメッセージを伝えてくれるような気がして。何もできないぼくたちが「みんなの頑張ってを繋いでけば」何かできるようになる、というのがこの曲で歌っている「応援」ということの一番強い力なのではないか、という思いです(かなりクサいことを言っていますが)。
というわけで「ADMIXX01」公募Mixの全曲解説でした。公募期間は終了してますが、それを差し引いても愛着あるMixになりましたのでよろしければ何卒!
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