Stena Expenseチームの開発サイクルについて〜プロダクト価値と組織の機動力を上げる”仕組み化”〜
はじめに
弊社では、企業の経理部向けに、経費申請から不正・不備を自動で検知する「Stena Expense」というサービスを提供しています。
製品の詳細については、過去の記事において詳しく説明していますのでそちらをご覧ください。
株式会社ChillStackのCTOの谷です。
この記事では、Stena Expenseの開発チームにおける開発の進め方についてお話します。
まず現在、ChillstackのStena Expenseチームには去年2人のエンジニアを採用し、アルバイト5名、業務委託5名を含めた総勢14名の少数精鋭で、スピーディかつ品質にこだわった開発を進めています。
なお、Chillstackの開発チームでは、「スクラム開発」を採用しています。
Stena Expenseチームの開発について
Stena Expenseは、下の図のようなサイクルで開発を行っています。
エピック会
エピック会とは、開発チームとビジネスチームの接地点となるミーティングです。
開発チームが関わるタスクのまとまりを「エピック」と呼んでおり、①顧客対応などスポットで発生するタスク②新規機能の開発タスク などをエピック
として、ビジネスチームとともに話し合います。
主に、エピックのスケジュールや優先度の確認、ゴールのすり合わせを行い、開発チームとビジネスチーム間の認識の齟齬を減らしています。実施の背景としては、弊社では主にエンタープライズ企業向けのAIモデル開発を行っていますが、会社ごとに導入するAIモデルのカスタマイズ要件が異なり、ものによってはかなり複雑になり、ビジネスチームとの認識のズレが発生しやすいことが挙げられます。
このようなミーティングを各スプリントごとに実施することで、今のところビジネスチームと開発チームの認識のズレを最小限にとどめながら開発を行えていると思います。
製品ロードマップレビュー会
製品ロードマップレビュー会は、PdM・PMMが作成した製品ロードマップに対して、PdM・PMMに加え、エンジニアやビジネスメンバーも含めてレビューするミーティングです。
ロードマップはその特性上、作成した時点から徐々に不確実性が高くなり、ロードマップ自体の解像度も低くなってしまいます。四半期に1回ほど、開発チーム・ビジネスチームのメンバー間での認識や解像度を合わせ、ロードマップの内容について議論をする会を設け、製品ロードマップを更新することで、製品ロードマップが常に「製品の未来を的確に描くものであること」を目指しています。
ユーザーストーリーマッピング会
ユーザーストーリーマッピング会とは、先述の製品ロードマップから、粒度を細かくし、ユーザーストーリーを作成することを目的としたミーティングです。
開発メンバーだけでなく、ビジネスチームも参加し、ユーザーストーリーについて話し合います。
想定する顧客のニーズや課題への理解を深めることで、ビジネスチームと共に提供する製品価値の認識を揃えます。
開発スプリント
日々の開発は、スクラム開発を基礎に2週間を1スプリントとしたサイクルで進めています。
スプリントプランニング
スプリントプランニングでは、名の通り次のスプリントの計画を作成します。
PdMが設定したスプリントゴールをもとにプロダクトバックログアイテムを選定し、それぞれのアイテムを割り振りやすい開発タスクに分解し、各タスクの工数見積もりをおこないます。
このとき、各開発者のタスクへの解像度が上がるように開発チーム内で話し合いをします。開発タスクを作成するときは、なるべくPR(Pull Request)単位になるような大きさに気をつけてます。各PBI (Product Backlog Item)に担当者を決め、スプリントレビューにおけるデモの実施まで担当します。
ただ、もちろんながら、チームで助け合いながらタスクを実施します。壁に直面したときは一人で抱え込まずになるべく早い段階で声を上げられるような組織づくりを意識しています。
デイリースクラム
デイリースクラムは、毎営業日の最後に15分の時間を設け実施しています。
各メンバーがその日に行ったタスク内容をチームメンバーに共有し、進行中のスプリントのスプリントゴールを達成することができるかを確認します。タスクを進める上で問題が発生した場合は、スプリントゴールを達成できるように他のメンバーがヘルプに入ったり、タスクのスコープの調整を行うこともあります。
15分を超過しそうな場合は、ヘルプに入れそうなメンバーが残って問題の解決に取り組みます。
スプリントレビュー
「スプリントゴールを達成できるか」をビジネスチームを含めてレビューし、フィードバックをもらいます。そこでもらったフィードバックを次回以降のスプリントに活かしていきます。
より顧客に近いビジネスチームを巻き込むことによって、開発チームにとっては新しい発見があり、顧客にとってのあるべきプロダクトを学習できる重要な場でもあります。
スプリントレトロスペクティブ
スプリントレトロスペクティブでは、終えたスプリントのKPT (Keep、Problem、Try) について話します。
この会の進行には、リーンコーヒーと呼ばれる会議形式を採用しています。
リーンコーヒーは、参加者全員で話したい内容を決め、会議を行うことを指す言葉で、各トピックについて優先度を決め、優先度の高いトピックから効率的に話し合いを行うことができます。
リーンコーヒーでは、まず事前にメンバー全員で話したいトピックを書き出します。メンバーは自分の話したいトピックを5つ選んで投票します。その投票数順に優先度を決め、話し合います。会話をするときは5分→3分→1分と時間を区切り、会話を続けるかさらに投票します。一つのトピックにつき、最大9分間話し、話がまとまらない場合は別のMTGを設定します。
このリーンコーヒーにより、チーム内で話すべきトピックの優先度を付けることができ、かつ各トピックに時間制限が設けられているため効率的に会議を進める事ができます。
まとめ
プロダクト開発・運用がどのようなサイクルで行われているかを紹介しました。
事業成長による顧客急増に伴い、今後も組織をさらに拡大していく予定です。開発サイクルもそれにあわせて、アップデートしていきます。
弊社では、共にプロダクトを通して価値を届けたい開発メンバーを募集しています。興味を持った方や話を聞きたい方は、ぜひ一度声をかけてください。
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