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句集「柔き棘」の鑑賞

今年買って良かったものは
何でしたか?

そう訊かれたら、何と答えますか。


ここ1,2年、
大きな買い物は全くしていません。

そんな私が唯一買ったもの。

それは...

柏柳明子さんの句集「柔き棘」✨



柏柳さんの句は
「聞ける俳句」で初めて知りました。

そこで紹介されていた句がこちら。

一人づつタイムカードを押して霧


すごく惹かれました💕

使っている単語がシンプル。

それなのに、
情景がすごくよく見える✨

淡々と過ごす自分の毎日を
言い表されたような気がしました。

この句に一目惚れし、
もっと作品を見てみたい!

そう思い、すぐに句集を購入。


思った通りとおり、
好きな句がたくさんありました😍

ぱっと選んでも40句。

その中から厳選に厳選した
超厳選お気に入り5句をご紹介させてください。

一句目

桜餅大人の話聞いてゐる

和菓子と旧かなが
和風な家を想像させます。

小学生の女の子が大人に混じって
桜餅を食べているのをイメージ。

ただ話の内容は分からないので
静かに話を聞いている。

きっと子供は彼女一人。

大人に合わせる
空気の読める子。

そんな風に想像したら
何だか可愛いらしく思えました😊

二句目

文体の異なる人と栗ごはん

「文体の異なる人」
という表現が好きです💕

言われてみれば、
文章のスタイルに個性が出ますね。

ここでは全く個性の違う者同士が
一緒に食事をしているのです。

栗ごはんは優しい味がします。

そこから、お互いの違いを認め合う
柔らかな良い関係なんだろう。

そう感じました。

三句目

雪もよひ夫へリモコン向けてみる

ユーモアのある句で好きです😃

リモコンも色々ありますが
私はテレビのリモコンを想像。

では、どういう時に
リモコンを押すのだろう。

すぐに思いつくのは
早送りか音量を調整するとき。

雪もよひなので
雪が降りそうなほど寒いのです。

旦那さまのダジャレが滑ったのか
オチのない長い話だったのか😝

早送りかミュートにしたかったのかな
などと想像すると面白いです。

素直で自然体なのが
すごく良いと思いました。

四句目

釣堀や加藤一二三のやうな雲

有名人の名前も俳句に使えるのか
と衝撃でした😲

もう説明をすることなく
映像がぱっと頭に浮かびます。

穏やかな雲の下で釣堀。

平和な風景です😊✨

加藤一二三さんの笑顔も想像すると
自然と心が優しくなります。

五句目

腑に落ちぬラスト冷蔵庫を開ける

時々こんな終わりかた?
と思う映画やドラマがあります。

えええええ~という不満。

それを解消するためか、
見終わってからの休憩なのか。

確かに、冷蔵庫を開けて
飲み物を取ったりしますね。

何の違和感もなく
この句を受け入れられました。

何気ない日常の行動でも
俳句になるのですね✨



以上、超厳選お気に入り5句でした。

いかがでしたか。

どれも自然体で、ストレスなく
すーっとイメージできる句ばかり。

言葉の選び方もすごく好きです💕

そして、こういう句も作って良いんだ~
という学びも多かったです。

この句集を買って本当に良かった😃


ここで紹介しきれないほど
まだまだ心惹かれる素敵な句がたくさん。

機会がありましたら、
ぜひお読みくださいね~✨


※句集の購入方法につきましては
こちらのご本人のページに詳細があります。
https://note.com/nag1aky/n/n57c78d5a0d62


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