
本当のところどうなの?マリファナ編
最近では芸能界の薬物汚染などがニュースで騒がれ、中高生までもがマリファナを吸って逮捕されている。
日本の薬物教育では、マリファナは心身に害があり、歯がボロボロになったり、暴力的になったり、幻覚を見たり、兎角有害である事が強調される。
しかし世界的に見ればマリファナは非犯罪化の流れだ。
アメリカの認可州では、成人で医師から診断書をもらっていれば、マリファナショップ(ディスペンサリーショップ)で医療大麻を購入する事が出来る。
非犯罪化の理由としては、ドラッグマネーが裏社会に流れる事を防ぎ、税金を取る事により国益に繋げようというものだ。
そして現状を見る限り、マリファナの影響でおかしくなっている人が街に溢れ出したり、非犯罪化した事による社会的問題などは起こっていないように見える。(むしろ未だにライセンスを持っていない人達がブラックマーケットで購入してしまうなどの問題が起きている)
この記事では、マリファナ経験者や現在進行形で喫煙を続けている常用者、非常用者、非喫煙者など、
今まで色々な層に聞いたリアルな経験談を参考に、
本当のところのマリファナとは一体どんなものなのかを書いていきたいと思う。
1.マリファナを吸うと幻覚を見る?
日本で薬物教育を受けた際に教えられる事の一つに、
マリファナを吸うと幻覚を見るというものがある。
結論から言えばこれは本当ではない。
では、なぜ本当ではないと表現したのかを説明しよう。
例えばあまりマリファナ経験のない人が、強いマリファナを吸った時に幻覚に似たエフェクトを体験する事があるが、これは非常に稀であり、おそらく喫煙者本人の想像力の強さなどが起因している可能性が高い。
但し、更に具体的に言うので有れば、ハイにより視覚に影響が出ていてる=幻覚というよりも、これは単にハイを体感しているから視覚が揺れるように感じているだけの場合もある。(これは経験者でなければニュアンスが伝わらないだろうが…)
他にも、恐ろしい幻覚を見てパニックを起こすなどという話に関しても、いわゆるハイな状態で寝落ちしてしまい悪夢を見ただけというパターンや、バッドトリップによる被害妄想などの可能性が高い。
もちろん個人差の面で言えば何とも言えないが、
少なくとも筆者が今まで出会ったマリファナ使用者に、幻覚を見たと言う話を聞いた事は一度もない。
大麻の医学的研究によるマリファナ使用時のエフェクトに幻覚という項目を見ることも皆無だ。(日本で厚生労働省が発信してるくらい)
そういった点から、そもそもマリファナに幻覚を見せる作用が有るとは考えにくいと言える。
2.マリファナに依存性はない?
これはそもそも依存の強さを数値にして表す事が出来ないので、比較をする事が難しい。
しかし感覚的な話で言えば、マリファナの依存性はそこまで高くないと言えるだろう。
このそこまで高くはないという表現についてだが、使用を止める事で禁断症状が出るような事は、まずないという意味合いだ。
少なくとも筆者が今まで見てきたマリファナ常用者は、喫煙を止めたことで身体がガタガタ震えたり、痛みが全身を襲ってくる等という人を見たことがない。
これはいわゆる身体的依存性や影響が、覚醒剤などのハードドラッグと比べた時に、格段に低いという事を意味する。
しかし精神的な依存性の存在は否定出来ず、吸い尽くした次の日に多少の喫煙欲求衝動があったり、マリファナの陶酔感がなくなったことで、身体的影響としては、少し気分が落ちたり、寝付きが悪くなり不眠の症状が出たりする事もあるが、基本的には2,3日程度吸わなければ喫煙欲求衝動も収まり、もし不眠の症状が出ても、慢性的な不眠症があるような人でなければ、すぐにいつもの睡眠サイクルに戻る。
覚醒剤のように薬の切れ目により、喉から手が出る程に求めるような事もない。
ただ、中には吸いたい欲求に勝てず、繰り返しマリファナを欲する人がいるのも事実だ。
それではここで視点を変えて、一度依存性について考察してみよう。
仮にマリファナ、タバコ、アルコールなどを嗜好品と見なしたとする。
まずマリファナはドラッグと言う先入観をなくし、これらを同列に置いて見た場合、大差はあれど、こういった嗜好品に対しての依存は、誰にも起こり得る事が理解しやすい。
例えば、
マリファナを吸ってハイになりたいと言う快楽に対しての欲求。
コーヒーを飲んで覚醒したいという、カフェインに対しての欲求。
タバコを吸って落ち着きたい言うニコチンに対しての欲求。
お酒を飲んで酔いたいというアルコールに対しての欲求。
仮にこれらの依存性と欲求衝動の強さを数値化した場合、恐らくタバコが一番高いだろう。
これはおそらくタバコを吸う人なら、誰しもが身をもって理解している事だと思うが、
ニコチンは摂取しても摂取しても30分もすれば体内から排出され、また吸いたくなる。
チェーンスモーカーが存在するのもこういった理由からだ。
そしてタバコを吸えないことによるフラストレーションとタバコを吸いたいと言う欲求はかなり強い。
そのためタバコをやめられない人向けの外来が存在する程だ。(こういった面で見ると規制されていても不思議ではないように思えるのは筆者だけだろうか?)
タバコの場合は、ニコチンによる身体的な依存と喫煙という行動を達成した後の達成感とニコチンによる血圧の低下による落ち着いた感覚(ドパミンによる快楽)を欲する、精神的な依存性があると言える。
先ほども書いたように、ニコチンは短時間のうちに繰り返し摂取したいという欲求に駆られる、そういった点からタバコは依存しやすく、そうなると更なる身体的、精神的に影響を受けやすい。
以下のリンク記事にも記載があるが、
タバコを吸う事により快楽を得た脳は、その行為を強く求め、嗜好から嗜癖(しへき)・アディクションへと変わってしまう。
さて、話をマリファナに戻そう。
先ほどの話だとタバコのそれはニコチンによる身体的依存性であると言えるが、
マリファナを吸いたいという欲求は、ハイ(快楽)を求める欲求にだと言える。
吸った事により得られるハイの感覚に対しての依存。
これは単純な行為から得られる報酬欲求的な依存だ。
個人差があるのでなんとも言えないが、例えば少し鬱っぽい気性の人がマリファナを吸った場合、依存する可能性が高いように思える。
人は簡単な方法で快楽を手に入れる事が出来ると知ると無意識にそれを求める。
嫌なことを忘れさせてくれる物として使用をしてしまえば、マリファナは逃げ道でしかなくなる。
そういった意味では、精神的依存性はタバコと同程度もしくは高いのではないかと考えている。
アルコールに関して言えば、陶酔感(快楽)という普段とは違う精神状態になりたいという欲求や、飲んで嫌なことを忘れたいなど、マリファナを求めるそれに近いのではないかと思う。
適量ならば問題ないが、アルコールは多量に常用し続けると依存症に陥り、適切な治療を受けなければ治らない程になる。
コーヒーに関しては、カフェインから得られる覚醒作用により高揚感や集中力が増す。それを求めて朝の一杯のコーヒーを嗜んでいる人も多いのではないだろうか?
そして飲む人は1日に何杯ものコーヒーを飲む。
これはある種ドーピングに近い用いられ方をしていて、感覚的には覚醒剤を求めるそれに近い部分がある。
カフェインの取りすぎは気持ち悪さや苛立ちなどを招き。飲み過ぎると胃にダメージを受ける事もあったり、眠れなくなったりする今まで上げてきた嗜好品とは、違った身体的影響などが起こる。
ここまで読んで頂くと、それぞれの嗜好品は得られる効果や作用など違いはあれど、依存性や身体的影響、精神的影響が少なからず存在すると理解できることだろう。
要するに依存とは誰にも起こりうる事であり、強い快楽を覚えた脳は、新たな快楽を求め続ける傾向にあるという事だ。
つまり覚醒剤やヘロインなどのハードドラッグや、
タバコなどの嗜好品と比べて依存性が低かったとしても、
マリファナに全く依存性がないというのは事実ではないと言える。
3.マリファナはガンに効くって本当?
これは結論から言うと半分本当半分嘘であると言える。
抗腫瘍作用が有るかと言うと、そういった作用は(少なくともTHC=ハイを得られる成分からは)はっきりと確認、立証されていないように思う。
むしろ数十年もマリファナを吸い続けていたのに、がんになって死んだ事例がある。
ただしマリファナの陶酔感が、化学療法による副作用を和らげると言う面では、(化学療法の)補助として非常に効果的であると言えるだろう。そして実際に医療大麻はこういった医療現場で使われ、研究が進んでいる。
そしてマリファナにはTHCを含む、色々な成分が有る。
THC=喫煙などによりハイ(精神活性)を得られる成分。陽気になったり、リラックスした状態になる。
CBD=精神をリラックスさせ、ニュートラルな状態に保つ成分。てんかんなどの治療に効果があると言われている。
THCA=精神活性作用が少なく、てんかん、腫瘍、抑うつの治療効果に期待されている成分。存在はかなり前から言われてはいたが、比較的最近注目され始めた。
CBDA=精神活性作用が少なく、ラットに対する実験で、抑うつ症状の改善。吐き気を抑えるなどの効果が発見されている。
例えばCBDAはカンナビジオールなどと呼ばれ、THCから得られるようなハイな感覚はなく、ニュートラルな精神状態にしてくれる。
ニュートラルな状態とは、緊張感もない普段の自分を思い浮かべて欲しい。
俗っぽい表現をするのであれば、特に予定のない連休初日のような余裕に満ち溢れた気分だ。
CBDに抵抗のある人も、この程度のエフェクトであれば試してみたいのではないだろうか?
それほどCBDは自然体に近いコンディションに整えてくれる。
THCもCBDもレクリエーション的ではあるが、精神活性作用の種類の違いや用途などを見ても、本質的には似て非なるものであるのではないだろうか。
マリファナを吸っていればガンにならないというような表現は恐らく正しくない。だがこの植物には色々な難病に対しての有用性、化学療法の補助的使い方など、適切に使うことで薬として幅広く活用出来る可能性があるといえる。
4.歯がボロボロになるの?
ならないでしょ。
ちゃんと歯磨きしなさい(^^;
5.マリファナを吸うと暴力的になるというのは本当?
今までマリファナを吸う人間は山程見てきたが、
マリファナを吸う事で暴力的になるというのは中々考えにくい。
厚生労働省曰く、ラットによる実験ではTHCを摂取したラットに攻撃性が認められたとの事だが、
これはラットの攻撃性について述べられていて、THC摂取による攻撃性の発現とはまた別の話である。
そもそも野生のラットは共食いすることも多く、例え実験用ラットであってもそれが起こりうる事は否定出来ない。(これは捕食するという意味で起こりうる)
この話からTHC摂取により、攻撃的になるというのは無理があるように思える。(これはむしろアルコールを摂取して起こり易くなるように思う)
6.マリファナはタバコやお酒より安全?
前にも書いたように、
何かを摂取、常用する事により脳や体に受ける影響は必ず存在する。
そういう点で言えば、100%安全とは言えないだろう。
健康面で見れば、結局煙を吸う事によるタールの影響は存在するし、
常用し、ハイの状態が続く事による判断力の低下や健忘症などは否定出来ず、
直接何かが起こらなくても、ハイの状態で車の運転などをするにはリスクがある。(全く影響を感じさせない人も存在はするが)
これはまた別の意味でアルコールと同じだと言える。
7.ヘンプとマリファナの違いは?
これには一応明確な分け方が存在するらしく、
THC(テトラヒドロカンナビノール)という成分が0.3%以下の品種が「ヘンプ」、そしてTHC含有量が0.3%以上の品種が「大麻草」と呼ばれるらしいが…
実際の所、同じ植物なのでメディアが呼びやすいように呼び方を分けただけなのではないかと、筆者は思っている。(テレビなどでヘンプはマリファナと違って〜などと発言している有識者がいるが、これは勉強不足だと言えるだろう)
8.まとめ
今回はネットに出ている情報と筆者の周りのマリファナ常用者、非常用者、非喫煙者、お酒を飲む人、飲まない人、タバコ常用者、非喫煙者の経験談や行動をもとに書いてみた。
何をするにしても個人差はあるので、それらを総合的に判断した考察が以上の通りだ、
結局どんな行為でも脳や身体に影響を受けるため、
何事もほどほどが一番だと思うが…
正直なところ、ヒステリックなほどにマリファナを否定する理由は特に存在しないように思う。
※この記事はマリファナの使用を扇動するものでは有りません。日本ではマリファナは違法で有り、逮捕されます。
もしこの記事を読んで、何らかの犯罪行為を起こした場合の一切の責任を負いかねます。