陶芸教室と忘れられない言葉
どーも、日本一周を車中泊でしてきたチルワカです。
その話は20ヶ月にも渡りますが、今日は忘れられない、陶芸教室での話。
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意を決して、日本一周に出発した私達。
丁度ゴールデンウィークがあるって事で、地元の友達夫婦と長野で落ち合うことに。
「せっかくだから、陶芸教室に行かない?」って事で、
長野、蓼科にある教室に4人で行ったわけです。
(Googleに嘘つかれる事3回目、山中で鹿しか走ってなくて、デカイ、ビビるー)
やっと到着する陶芸教室は、山の中にある素敵な木のお家。
「はい、どーぞ、どーぞ!入って、入ってー!」って手招きしてくれた
気さくな40代?50代?くらいの男の先生。
先生、一人でやってる教室。
どでかい、ワンフロアに死ぬほど置いてある器達。作りかけの物とか、絵具とか、新聞紙とか、
ひぇーーー。
先生これ、置いてある場所全部わかる?ってやつ。笑
(先生は全部わかってるはず)
この教室はロクロじゃなくて、手でこねて作れる教室。
見本から好きなお皿やコップ、茶碗の形を選んで作れるから
思い思いに好きな物を選んで早速作る事に。
なったんだけど、
先生はキャラが濃い!笑
そして、先生ってばお話が好きだから
1聞けば10教えてくれる。
お話に夢中になりすぎちゃって、
電話もかかってくるし、
見学きたお客さん来たりで、
2時間コースが、3時間に食い込む。
次のお客さん詰まっちゃって、先生パニック。笑
「ちょっと先生!大丈夫!?」
なんてみんなで笑いながら、和やかな教室でした。
私達が作ったのは、お刺身やワンプレートが作れそうなお皿。
海の私。
緑の彼。
2ヶ月後には出来上がる。
後日、私達がそのお皿を手にする前に
先に荷物で受け取った、彼の父ちゃんと母ちゃんがすっかり愛用してました。笑
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さて、
そんな教室の中で
「今日はどこから来たのかしら?」って会話から。
「僕たち、日本一周するんです。まだ始まったばっかりなんですけど」と返すと
「あらー、いいわねーー!!
色々な所に行くっていいわよね!」
と、先生。
忘れもしない。怪訝な顔をする大人もいる中で、
本当に心から賛成してくれた初めての人だった。
そぉ先生は、この工房を開くまでは色々な焼き物を勉強したくて、信楽焼や備前焼など日本各地、色んな場所に住んでいたそう。
「やっぱりね、行くだけじゃなくてね、
その土地の人と一緒に働くと分かるわよ!」と。
実際にやってきたから言える、その先生の言葉はなんだかとても深かったんだ。
そっかー、働くのかー、
まぁ私達は2.3ヶ月だからなぁ。
とその頃は思っていた。
けれど、結果的に私達は20ヶ月旅をし、
その日本各地、兵庫や愛知、静岡等々
色々な場所で、色んな仕事をし、色々な年齢、立場、生き方の人達と働いた。
高校生と働く時もあれば、60代のおじさん達、お金持ちの社長さんもいれば、空を飛んでる仕事をしている方、いつも何かに怒ってるおばさん、一人で開業してる同世代、漁師や、カヌー教室の先生。
やってみた、今だから分かった。
先生の言葉を今でも思い出んだ。
先生のあの言葉を。
出会い、一緒に交わって、一つの事を一緒にする。しかも、土地が違うんだ。
日本特有の島国の文化もある。部外者である私たちをよく思わない人たちや、段々と暖かく迎えてくれる人たちもいる。
自分がやった事ない事をやってる人しか居なかった。
そして自分たちも、その一人だったんだろう。
簡単な言葉では説明できないけど、
色々な生き方があるって分かった。
自分の価値観とは、なんだったんだろうと。今一度塗り替える時間だった。
31歳。周りの友達はもぉとっくに結婚している。子供もいる。
家だって買ってたりする。
海外から一時帰国するたびに、焦った事もある。
私はいつまでも学生で貯金も出来ず、海外に住んでいる事を。
日本にいたら、もっとキャリアウーマンみたいになってたんじゃないか。とか。
30歳には結婚していなきゃ。とか。
「○歳だから、こうしなきゃいけない」
「○歳だから、これはやっちゃだめだ」とか。
日本に帰るたびに、そんな気持ちに度々襲われていた。
でも沢山の人達、自分が想像も出来ない人生を過ごしてきた人たちと
一緒に働いて、汗水流して、お酒を飲んで語り合って。
その人の人となり、仕事への姿勢、考え方、生き方、もっともっと深い物が見えたんだ。
それまでの、普通ってなんだろう。とも思ったし、
この人みたいになりたいな。と思ったり、
こんな風にならない様にしよう。って思う事もあったけど、
働かなきゃ分からなかった、目には見えない、言葉に出来ないものたち。
旅をしながら、それを少しづつ拾い集めて来た。
どんな生き方をしようか。次は自分たちの番だ。
と、今私はワクワクしている。
もしも、同じ様に日本を旅をするって友達が居たら私も同じ様に言うだろう。
「いいね!いろんな人と、いろんな場所で働いてきたらいいよ!」って。
それが、全ての答えだ。
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先生はその陶芸教室の間、やたら彼に優しかった。
別れ際に「頑張ってよ♡」と
彼の手だけを、強くぎゅっと意味ありげに握る先生。
もぉ、先生ってばー。笑
いつかまた、あの先生に会いたいと思う。
今度は旅の話をしながら、お茶碗でも作りに行こうかな。