「友近ゆりやんの時間」最終回 チルテレPが思う7つのコトバ【6】
【1】砂時計は無視してください ~「バカいってる」がやりたくて ~
【2】想定外の効能「癒し」
【3】天網恢恢疎にして漏らさず~知られざるゆりやんレトリィバァ~
【4】 地獄道中 ~友近ゆりやん流・叱咤激励のカタチ~
【5】 キャラから出たマコト ~Wキャサリン in ハワイ~
【6】 忸怩たる ~「悔しい」じゃない本当の意味~ →いまココ
【7】個人と知性とコミュニケーション
~「風の時代」の「ゆるくかしこくジブンらしく」~
【6】 忸怩たる ~「悔しい」じゃない本当の意味~
毎年、毎月、毎日、数えきれないコンテンツが消費・終了し、特に視聴者から何もリアクションもなく終わるものも少なくない中、番組のファンの皆さんから「無いと困る」「辞めないで」「いつかまた復活希望」などの声をお寄せいただけたことは、エンタメの世界の末席に身を置く立場としては素直に有難かったです。
でも正直、地上波に進出が決まったのも2020年に入ってからで、夏には東京オリンピックの観戦ロケを1年越しで仕込んでいたので、まさか年内に終了になるとは私自身思ってもみない展開となってしまい申し訳ない思いでいっぱいです。
実は2020年は、地上波が始め、さらに夏の盛り上げ企画として「東京五輪」にかこつけた「友近ゆりやんの東京ゆるリンピック(仮)」なる企画を予定していました。
ひょんなことから2020年の8月4日に東京オリンピック観戦のチケットが用意できたため、(巷で言われる業界ルート云々でなく、我が家の一般エントリーの抽選での当選分)会場内は撮影できないまでも競技場の外で前フリ撮って、観戦後に、また競技場の外で観戦の興奮さめやらぬ中の二人に「ゆるリンピック」よろしく、即興で何かお願いしようと思っていました。
メダルを獲ったオリンピック選手の一言を使いながら「調子乗っちゃって」や「バカいってる」のフレーズとが組み合わさって爆笑の時間が訪れるだろうと勝手に妄想していました。そのくだらない妄想のために、マネージャーさんには、こんな低予算番組なのに1年3か月前にスケジュールを抑えさせてもらっていました。
まだその時は地上波に進出は決まっていなかったのですが、実はオリンピックをテーマにしたこんな回がありました。
そして2020年4月の地上波進出が1月末に決定します。
https://youtu.be/HQLmXAK0vtw
そして夏のオリンピック特別企画が終わったら、秋から冬にかけて、いよいよ「24時間友近ゆりやん」をやりたい、或いは番組主催のトークイベントなりファンミーティングもいいな、正月のSPでやった「かるた」をグッズにしたいな、トランプ、カレンダーもいいな…と夢は広がるばかりでした。
しかし新型コロナウイルスの影響で一変しました。
緊急事態宣言の前日に撮って出しの収録予定だったのですが、当時は収録を強行する空気ではなく、初回からこのような形になってしまいました。
その後もお二人は限られた条件の中で面白くしようと努力してくださいました。
西尾一男ちゃんと角刈りアメリカンのやり取り
個人的には神回の一つだと思っているリモートリレー小説「ホコリ」
しかし地上波終了の判断となりました。やっと緊急事態宣言があけてリモートではない収録が6月末から放送できるという矢先の出来事でした。
BSに戻りガツオのように移動されるなど手は尽くしたのですが、結果的に番組を存続させることが出来ませんでした。その時に思い出したのが「忸怩(じくじ)たる」という言葉です。
「悔しさ」「惜しい」「残念」という気持ちになった時に使われる事が多い言葉ですが実はその意味で使うのは誤りで、「忸怩たる思い」は「自分自身の言動を恥じ入る」ことだけを表す言葉です。恥ずかしながら私もかつて同じような間違えをしてからは、使い方に気を付けるようになった言葉です。今回はまさに「忸怩たる」思いでした。
最終回の決定の判断に対して最初は理不尽な悔しさの方が強く、お二人にお伝えする時はまさに断腸の思いでした。二人は事情を察していただき了承していただきました。
時間が経つにつれて、最終回の収録に向けての準備をしていく中で、同じ状況下でも、苦境をバネにして乗り切った番組や他のエンタメがあったことを考えると、もっと自分に出来ることはあったんじゃないかとお二人に対して、ファンの皆さんに対して本当の意味で「忸怩たる」を体感した一年でもありました。
いつか復活できるように、ただ願うだけでなく、どうしたら出来るのかを考えながら、更に努力し、学び、チカラを付けて、二人にお願いできるよう精進したいと思います。
もしこの文章を読む若い方がいたら、「忸怩たる」という気持ちになる後悔をせぬように、今できることを精一杯トライしてほしいと思います。実現できなくて「悔しさ」はあっても、「忸怩たる」という言葉を使わなくていいように。
<【7】個人と知性とコミュニケーション
~「風の時代」の「ゆるくかしこくジブンらしく」~ に続く>
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