教えすぎる妻
私の妻はベトム人で、送り出し機関で日本語教師をしている。日本語教師をしているというと日本語能力が高いと勘違いされそうだがJLPTでいうとN3、会話レベルは贔屓目に見て、N4レベルだ。
送り出し機関のベトナム人日本語教師は似たようなレベルであると思う。中には日本人との意思疎通が図れないような教師もいる中にあっては、妻はまだましなほうであると思う。
日本語は勉強したが、日本語の教え方については学んだことがないベトナム人教師がほとんどなので、改善の余地がかなりある。
妻も同様。
今はうちでオンライン授業をしているので、どういうやり方をしているのかよくわかる。
一番気になるのは、「それは必要か?」と思うことを教えていること。
例えば、「とても」を教えているときに、「めっちゃ」「超」という言葉まで教えていた。特に多いのが、ベトナム語が使えるので、テキストにない言葉を使って、教えていること。学生から聞かれるのはしかたないとしても、聞かれてもいないのに教えるのは違う。会話の中で必要であればそれも仕方ないが、そういうわけでもない。
私が勤めているセンターのベトナム人教師にもその時に必要ではないことを教える人がいる。
『みんなの日本語』第7課で「授受表現」である、「あげる」「もらう」を学習するがこのときに、第24課で学習する「くれる」を教えたり、第17課で学習する「~なければなりません」といっしょに「~なくてもかまわない」を教える教師もいた。
たくさん「教えること」つまりは「詰め込むこと」がベトナム人の教師観としてあるのかもしれない。
おそらく自分自身がそう習ってきたこともあるからだと思う。
どうすれば聞く耳を持ってくれるのであろうと、考えていた時期もあったが、もうやめてしまった。
実は3か月前のミーティングでベトナム人教師が作った教材を日本人教師がチェックすると言う話があったのだが、今まで何もない。
妻の話に戻るが、会話練習と称して、何の脈略もない質問を矢継ぎ早にしている。例えば「これは何ですか」→「日本語は難しいですか」→「お名前は」などである。
私も実習生の練習相手をしていたときに「QAボクシング」と称し、「日本語に対する反応を強くする」問う名目で、既習項目を質問しまくる練習をやっていたのを思い出した。実際にどれだけ意味があったかはわからない。「ボクシング」なので実習生から私への質問もしてもらった。しかし、3分間にできる質問は少なかったと思う。
妻には教え方というか、よくない点を伝えているが実際にどこまで聞いてくれているのやら。しかし、妻の教え方のよくない点や、非文などから考えさせられることもあるので、時間があれば解決していこうと思う。