WTFと言いたがる子ども
授業中にWTFと口にする学生が時々いる。初めて聞いたときは驚いたが、よく使っているのか、ある学生は口癖のように言っていた。
英語母語話者の人にとってはかなり下品な言葉であるはずなのだが、そうは思われていないのか。私は英語母語話者ではないのでこの言葉が持つ本来の言葉の温度を感じることはできない
日本語にもいわゆる卑近語というものがあるが使用場面や相手によってその許容度合いが変わる。
使用する際にはある程度の関係性や慣れが必要なので母語話者がよく使うからとって簡単に非母語話者が使っていいものではない。
個人的にはこの辺りの考えが拡大解釈しているからベトナムの人の英語学習者が頻繁にWTFを使ってしまう原因なのではないかと思う。
つまり母語話者がよく使っているということそれ自体がその言葉を日常で許容されているというように勘違いしてしまっているのではないかと思う。
アニメに影響されて一人称に「俺」を使う学習者が時々散見されるのもそういった勘違いによるものであるかも知れない。
では何歳ぐらいからこの言葉を使い出すのか?
単純に考えると英語学習を開始した時である。ベトナムでは英語教育が盛んなようなので、年齢的には年少ぐらいからであろうと思っていた。
しかし去年の4月に5歳の娘がWTFと口にした。
どこで覚えたのかは知らないが、二度と使わないようにきつく言った。
どこで覚えたのか。
まず考えられるのが幼稚園。
幼稚園で英語の先生が教えているのかもしれない。英語の先生は外部からの先生でベトナム人ではない。もしかしたらベトナム語の訳を間違えて教えているのかもしれないが、そうだとしてもいい言葉ではないので、教えるべきではない。よく使う表現だとしても、意味に加えて使うべき状況や関係性などがあっての表現なので、使い方を間違えると誤解を招きやすい。
娘の場合は、テレビで映された水族館の映像を見て使っていた。驚いたという意味で使ったのなら、正しい使い方なのだろうが、いわゆるFワードが入っているので、好ましくない。
もう1つ考えられるのが、近所の子ども。この子は娘より3歳年上でインターナショナルスクールに通っている。英語はもちろんだが中国語や日本語も勉強しているそうだ。
時々その子と娘が遊んでいて、妻に聞いたところその子が時々WTFを使っていたと言っていた。そんなに頻繁に遊んでいるわけではないので、真似して言っているとは思えないが可能性の1つとして考えられる。
英語のアニメも時々見ているが、果たしてそんな表現が使われているのだろうか。
しばらく娘の口からWTFを聞かなくなって久しいと思っていたら、先月隣に住む3歳の双子の女の子が舌足らずな発音でWTFと叫んでいた。
その辺りから上の階に住む3歳年上の父親がインド人だという女の子と頻繁に遊ぶようになり、かなりの頻度で娘がWTFを使うようになった。しまいには2歳の次女にまでその影響が広がってしまった。
都会だけの話かと思っていたら、旧正月休みで妻の田舎に帰省した先でも親戚の長女と同い年の女の子が使っていた。
娘が使うたびに鬼の首を取ったように言い聞かせていたので、今は少なくとも親の前では使わなくなった。
しかしインド人とのハーフの女の子は私の娘が言ってはいけないと頻繁に注意するものだから次はWTHと言い出した。どうしても言いたいのか、これが言わずにはいられないというものなのだろうか。
とにかくWTFという言葉は一般的に下品な言葉とされている以上気軽に使うものではないことを小さいうちから教えておかないといけない。
恐らくこれが日本ならこんな問題はなかっただろうが、ベトナムならではだろうか。
私も汚い言葉を使わないように意識しないといけない。