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デジタルメディアリスクを考える
コロナ生活になり、小さな子どもからスマホ、タブレット、パソコンを使う時間が増えました。
そのため明らかにデジタルメディアリスクが増えています。デジタルメディアリスクとは、かんたんに言えばスマホやタブレット、パソコンなどを使ったダメージで「スマホ依存」「ゲーム障害」などのことです。
現代社会に生まれた新たな疾病
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これは世界的な問題になっていて、2019年5月に世界保健機構(WHO)は「ゲーム障害」を国際疾病分類として認定し、2022年3月に発効されます。現代社会に生まれた新たな疾病です。新型コロナウイルスも怖いですが、それ以上に、「ゲーム障害」などのデジタルメディアリスクへの脅威があることを忘れてはならないでしょう。
コロナ生活に入り、子どもだけではなく、大人もデジタルメディアを利用する頻度、時間が増えたことで、「ゲーム障害」「スマホ依存」は増えています。たかがスマホやテレビのゲームだからといって、一度「依存」状態に陥ると、簡単に治ることはありません。だから怖いのです。ゲーム障害は以下の症状になります。
・普段の生活が破綻するほど持続的かつ反復的なゲームにのめりこむ
・昼夜が逆転し、朝起きられない
・イライラして感情の起伏が激しい
・暴力的になる
・モノを破壊したりする
・ひきこもるようになる
ゲーム障害の治療ではカウンセリングや運動、認知行動療法、グループミーティング、入院やキャンプなどのプログラムを行います。治療の目的はいずれもデジタルデトックスで、 ゲームから離れた環境に身を置かせること、そして自分の置かれている状況を把握させ、将来の夢や今やらなければならないことへの理解を促すことです。
2か月以上そのような生活を強いらなければなかなか依存から離れることはできません。アルコール依存や薬物依存と変わりません。そのくらい深刻な問題になるのです。ゲーム依存は低年齢化していますから、心身や脳の発達にも影響を与えます。感情や情緒にも当然問題が起こり、社会性にも問題が生じています。
ゲーム依存とは異なりますが、ネットを介した事件や犯罪に巻き込まれるケースも増えています。スマホやタブレット、パソコンが生活に欠かせないものになっている今、そばにいる大人がデジタルメディアの使い方を今一度考えていかねばならないでしょう。ほとんどの親は、子どもにゲームを与えるときに何かを注意していると答えます。
・時間を決めている。
・時間と場所を決めている
・宿題が終わってからさせている
・目や健康に配慮している
しかし、実際のところ、時間は守れない。隠れてすることが増える。暴力的になり親のいうことをきかない。肩こり、頭痛、睡眠不足を訴えるというのが現実です。親は子どものデジタルメディアリスクをコントロールできていないということです。
「スマホ授乳」から始まる子育ての不調
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最近、あちらこちらで言われるのが「スマホ授乳」から起こるさまざまな不調の広がりです。スマホ授乳とは、文字通り授乳中に母親がおっぱいをあげながら、片手ではスマホを使っている状況のことです。何が問題なのか?と問題だと思わない人も多いのです。
まず、子どもはおっぱいを飲みながら母親と目を合わせ、母親の表情を見ているのです。そして心を通わせながら、母親も愛しいという気持ちを抱き、脳で幸せホルモンを増やしながらおいしいおっぱいを出しているのです。でも目を合わさなければただ、おなかはいっぱいになるけれど、何かが欠落したままです。
その歪みは子どもが少し成長したときに現れます。子どもと親のアイコンタクトができないのです。本来は、子どもは生まれた時から誰よりも母親の声色を知り、表情や瞳から受ける感情を知って育つのです。だから親の表情で言葉を発しなくても伝わるものです。それができなくなっています。当然、声をかけても無反応、無表情な子どもになります。
ある小学校で入学式のときに、校長先生が「1年生の皆さん!こんにちは!」とあいさつしても「はーい」と元気よく返事が返ってくることはなく、無反応だったという話も聞きました。
反応がない子どもたちが増えている原因は「スマホ授乳」からきているのではないかというのです。また、歯並びが悪い子が増えている、乳歯が生え変わるのが早くなっているということも「スマホ授乳」が関係しているとか。母親が授乳中に赤ちゃんの口元を気にしていないので、不自然な状態で乳首をくわえているため、筋肉やあごの発達に影響し、歯の発達にも影響しているというのです。もちろんそれが原因と明確に出ているわけではありませんが、そういう可能性はあるということです。
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皆さんはどう思いますか?
マスク生活に入り、互いの表情が見えないことが増えました。子どもたち同士でも顔を合わせて遊ぶことがないので、顔の表情を見合いながらうなづいたり、様子を伺ったり、調子を合わせることも難しくなっているようです。
「いっせいのせ」などと、目や表情を合わせて調子を合わせることができない子どもたちがこれから増えていけば、人と触れ合ったり、心を通わせることはどんどん難しくなる気がします。
人工知能の研究をされている黒川伊保子さんがお話しされていましたが、心を通わせた感覚というのは、脳神経信号を共有していることであり、以心伝心とは、脳波が連動している状態なんだとか。本来親子はこういう感覚を持っていますがどんどん難しくなってきているのですね。
チャイルドケアでは、そうならないように新しく斬新なことはしなくても、今まで多くの親子、母子が伝えてきたことを大切にしていきたいと思います。
執筆:チャイルドケア共育協会 松本美佳
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【 講師プロフィール/松本美佳 】
チャイルドケア研究所代表/家庭教育学会常任理事/家庭教育支援協会理事/八洲学園大学公開講座講師
アロマセラピー、ハーブ療法、フラワーエッセンスなど各種自然療法を学び、’97より夫の治療院でセラピストとして活動。さらに、充実したケアを伝えるために講師活動を始める。同時に、家庭教育を専門的に学び、親子・家族・家庭を幅広い観点で考え、家庭の中で自然療法と家庭教育を取り入れた「チャイルドケア」を体系づけ、現在、さまざまな形で普及活動を行っている。
▼チャイルドケ講座は、子どもたちの未来と保護者の心をサポートする目的で開講しております。
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