子どもが言われて嬉しい言葉~言葉のケアを考える~
あるアンケートで、4歳の子どもたちへは「お父さんやお母さんから言われて嬉しい言葉」を、子どもたちのお父さん、お母さんへは「子どもたちが親から言われると嬉しいだろうと思う言葉」をリサーチしました。
子どもたちのお父さん、お母さんからは、
「よくできたね」
「頑張ったね」
「うまくなったね」
「すごいね」
「かっこいいね」
「かわいいね」
など、様々な答えが上がり、そしてその答えは評価を表すものがほとんどでした。
対して4歳の子どもたちの答えはほぼ一緒で、
「ありがとう」
でした。
「ありがとう」という言葉は、対等で、平等で、そして公平な言葉で、言う側も言われる側もうれしい言葉です。4歳の子どもたちに「ありがとう」という言葉が溢れることで、皆が幸せになれることを教えられました。
言葉は生きている
見えるものだけが生命ではなく、言葉も生きていると感じます。生きているものに対して丁寧に扱いたいとも思います。
コミュニケーションをとる言葉、つまり「会話」を行うときは話すことばかりを意識してしまいますが、聞くことができないと会話は成り立ちません。
教育の場では、自分の意見を述べること・自己主張することなど、話すことを中心とした指導が多いため、傾聴ができない子供たちが増えていると言われています。
話し上手な人は話すことが得意なだけではなく、傾聴ができているからこそ相手の気持ちを理解し、それに合わせて言葉を選び、会話を弾ませていると思います。傾聴ができると会話の扉が開かれます。相手は自然に心を開き、これはカウンセリング手法と同じですね。
子どもが思春期に入ると、急に親と話をしなくなることがあります。そうなると親の言いたいことが増えるため、さらに子どもは会話の扉を閉めて心を見せなくなります。
このときにも傾聴が生きてきます。言いたいことを控えて、そして傾聴することを意識する。そうすると必ず子どもから自然に話をしてくれるようになります。傾聴は「言葉のケア」とも言えるかもしれません。
言葉のケア
言葉をケアとして考えると、言葉の内容だけでなく、会話におけるスタンスも大切だと思います。
・相手の目とこころを見て会話をする
・相手の名前を呼ぶ
・優しい言葉を使う
・認める(傾聴)
・共感する
・愛する
など、チャイルドケアの考える「言葉のケア」には、具体的な方法があるわけではありません。ただひとつ上げるとすると「愛をもった言葉を使うこと」だと思います。
飾られたことで心が見えなくなる言葉よりは、正直な言葉で気持ちよく「愛」を含んだ言葉を使っていきたいですね。
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