【PR記事】大丈夫。子育ても仕事も、なんとかなります。田舎暮らしで手放した「母親像」
みなさんこんにちは。チハルです。
我が家は今月から共働きになりました。今までにない時間の速さを感じる毎日ですが、リビングに置いた育児日めくりカレンダーが目に入ると、ちょっと立ち止まれるような、そんな気がしています。
本日の記事では、カレンダーをお使いになる方の生活をスポンサーとして一緒に応援してくださる「ふぁおのお店」をご紹介します。
オーナーの筒井さんご夫婦は、2014年に首都圏からそれまで全く縁のなかった地方に移住しました。現在は熊本県天草市でみかん農園の経営や加工品の製造・販売、みかんの収穫体験などのワークショップを行っています。
田舎暮らしをするうちに「母親なんだから」という思い込みから自由になったという筒井永英さん。そこにはさまざまな葛藤があったといいます。(インタビュー:チハル)
横浜から天草へ。田舎暮らしを始めたきっかけ
――かつてはご夫婦ともに横浜市でお住まいだったとのことですが、天草市に移住されたきっかけは何だったんですか。
そもそものきっかけは、夫が「いまの仕事をやめて、地方で農業をやってみたい」と考えていたことです。私も食料を地方に頼って生活する都会の暮らしに疑問を持ち始めていました。
上の子を生んだとき、毎日満員電車に乗って通勤して夜遅くまで働きながら子育てもしなければならない首都圏の生活に不安があったので、思い切って夫の提案に乗ってみるのもよいかなと思いました。
――思い切りましたね。地方で暮らすと決めてから、移住まではすぐだったんですか?
いえ、まず週末を利用して、農業をやってみるところからはじめました。耕作放棄地を活用して米作りや酒作りをするNPOの活動に参加したり、夫は有機農家さんのお手伝いに行ったりもしていたようです。
その後横浜を離れて、最初は瀬戸内海の小豆島に行きました。そこで2年間、夫がオリーブの農業法人にお世話になりました。
2年経って、いよいよ就農しようとなったとき、天草市の職員の方から、みかんの畑を引き継がせていただけるというお話をご紹介いただいたんです。
それが現在経営しているみかん農園です。
みかん農家になったというと苗から育てたと思う人は多いのですが、うちは高齢で辞める方の畑を引き継がせていただいたので、ラッキーでした。
苗を植える場合は、実をつけるまで何年もかかりますからね。
すぐに収穫し、出荷することができるのは大きな利点でした。私たちは子どものいる現役世代なので、生活していけることは必要条件です。
移住というと、場所探しから始める人が多いですが、私たちの場合は、やりたいことができる場所が、天草だったんです。
――なるほど。天草市に移住し、ご家族で実際に暮らしはじめてみて、どうでしたか?
本当に良かったのは、「保育が必要な家庭の子は誰でも保育園に入れる」ということでした。
天草市は子どもの数が少ないので、パートタイムの仕事をしている人や、我が家のように自営業の家庭でも保育園を利用できます。
天草に親族はいませんが、子どもの預け先を心配することなしに、すぐ新しい土地での仕事を始められました。
――おお!! それは羨ましいです(東京在住のチハルは取材当時、まさに保育園申込みの結果待ちでした)
夫は農業を始めて自営業になったので時間に余裕ができました。朝と夜はほぼ毎日、みんなそろってご飯を食べます。我が家は下手をすると夫の方が子どもと過ごす時間は長いかもしれません。
住んでいる家も7部屋ある戸建て。都会と違って隣の家と離れているので、子どもの歓声や泣き声がご近所の迷惑にならないかを気にする必要もなく、子どもたちをのびのびと遊ばせられることもよかったです。
――時間にもスペースにも余裕!!それも羨ましいです!!ほんとに子育てにぴったりの環境ですね。いいなあ。お子さんは、筒井さん夫婦のお仕事について、興味をもったり、手伝ったりしていますか?
まだ小さいので手伝いはできませんが、興味はあるようです。小学生の長男は、「どうやってお金を稼ぐか?」という質問をしてきたことがあります。
親が仕事をしている様子を実際に見ているので、自分なりに働くとはどのようなことかぼんやりしたイメージは持っていると思います。
――お子さん、小学生なのにもう働くことのイメージが持てているんですね。
しかし、お子さんもいて、今まで縁のなかったところで夫婦ともに新しい仕事を始めるというのは、どうしてもリスクが大きいように思ってしまいますが…………周りの人に反対されませんでしたか?
中には、「横浜の方が楽しいでしょう」とか「安定した仕事を辞めるなんて、バカじゃないか」と言う人もいました。でも親しい人は反対するより、おもしろがっていたと思います。
夫の元職場の同僚や上司も驚いたようですが、おもしろがって遊びに来る方や、すでに退職して7年になりますがいまだにネットでお買い物してくださる方もいます。
まずは周囲や世間の価値観や現状にとらわれず、自分の心地よさを追求することが大切なのではないかと思います。
「母親なんだから」と思うことで自分を苦しめていた
――なるほど。確かに、自分が心地よくいられることは大切ですよね。
なんだか、私は、子どもを育てていると、どんどん自分が後回しになっていくような気がしていました。現状を大きく変えるというのも、不安ですし……
私自身も「母親になったのだから、子どもを優先しなければならない」と考えていた時期もありました。
しかし、自分を犠牲にした上での献身(?)は長く続くものではないと思います。短期的にはよくても、長期的に見ると必ず恨みのような気持ちや「これだけやってあげたのだから」と見返りをもとめる気持ちが生まれてしまう気がするんですよね。
私は放っておくと平日も休みも関係なく仕事してしまうので、少し前まで夫からは「母親なんだから子どもを優先するべき」などとよく言われていました。それでケンカになったことも数え切れません。
なぜ父親はよくて、母親はダメなのか?
向こうに悪気はないとはいえ、あるべき母親像を押し付けられているように感じるんですよ(笑)夫とも、何度も話し合いを重ねることで、自分の気持ちや考えを理解してもらいました。
――わかります、そうなんです。あるべき母親像、私の中にもいます。(笑)
私自身もまだまだ子育て真っ最中なので偉そうなことは言えませんが、移住して、首都圏にいたころとは違う環境に身を置いて生活するうちに、これまでの常識や周囲の期待に添うことから、少しずつ自由になってきました。
「本当に大切なものは何か」「自分の人生で何を成し遂げたいか」をじっくり考えた上で長期的な人生設計をすることの方が、ずっと大事なのだと思えるようになったんです。
それで、だいぶ気持ちが楽になりましたね。あとは、夫や家族と意見がぶつかることを恐れないこと。それが不安に流されないあり方につながると思います。
天草のモノとコトを売る「ふぁおのお店」のこだわり
――ありがとうございます。勇気が出ました。
ところで、「ふぁおのお店」のみかんベーグル、この間購入させていただきました。すごくおいしかったです!!
朝食の時間にテーブルに並べたときは、みかんが載っているから甘いベーグルなのかと思っていたんですが、甘くないんですよね。
生地がしっかり詰まっていて、上に乗ったみかんの甘酸っぱさと苦味もあって、おかずにも合って、想像以上に食べごたえがありました。売っている菓子パンとは違い、素材の力を強く感じます。
ありがとうございます。砂糖は使わず、素材の味を生かした味付けにしています。食育に関心の高い方から、「市販のお菓子より良い」とお言葉をいただいたこともあります。
ふぁおのお店のこだわりは、天草産です。
原材料には我が家のみかんだけでなく、麹は天草産、小麦粉は九州域内と、地元の産品を使っています。麹は甘酒にして、砂糖の代わりにしています。地元の大浦でとれたお米を、天草の麹屋さんに麹にしてもらったものを使っているんですよ。
ネット通販が一般的になっている今、おいしいものを集めることは誰でもできるかもしれません。
しかし、流通にのっていないものもありますし、天草のものを発掘して、加工、販売できるのは生産者である「ふぁおのお店」の強みだと思います。みかんはドライフルーツにして、シーズンごとにいろんな商品にしています。
――季節ごとに、美味しそうな商品がたくさんあるんですね!!
収穫したみかんの中でも、傷があるもの、大きさや形がきれいでないものは卸価格が安いため、そのまま販売して利益を出すことは難しいんです。しかし、味はそれほど変わらないので、ベーグルなどの加工品に活かせます。
南北に長い天草では、ほぼ一年中なにかしら食材が手に入ります。手に入る食材の種類も豊富な、めずらしい地域だと思います。そのままで売るのは難しいものでも加工品にすれば、地域の資源を活かす方法はたくさんあります。
扱っている商品の中には、福岡の老舗和菓子屋さんとのコラボ商品もあります。甘みと赤みの強い紅ばえという品種の柑橘のピールやドライをホワイトチョコレートに練り込んで、お団子にしてもらいました。
――コラボ商品!! 食べてみたいなあ…………
↑(商品写真)紅ばえしによん
モノを売るだけでなく、人が訪れる仕掛けをしたい
――当初は農業を目的に移住したとおっしゃっていましたよね。その後「ふぁおのお店」をはじめたきっかけは何だったんですか。
昔ながらの農業を続けているだけでは、先がないと感じたことです。
先程もお話したとおり、育てた作物がたくさん収穫されても、JAや市場を通じて売ると、正規の値段がつくのは見た目のよいものだけです。
我が家の場合はみかんを栽培していますが、自分たちの人件費や輸送コストも考えると、売れば売るほど赤字になるので出荷しないという選択をとることもあります。利益が少ないために廃業してしまう農家さんも多く、放棄された農地も増えているのが現実です。
そこで、農産物を生のまま売るだけでなく、加工品、農家民宿、みかんの収穫体験や味噌作りワークショップをすることにしました。そうして生まれたのが「ふぁおのお店」です。
もしかすると、単にいろいろなことをやっているようにしか見えないかもしれませんが、「農業」が中心にあります。
――確かに、天草やみかん農園ならではの体験をすることも、他の地域の人にとってはワクワクしますよね。美味しい食べ物や加工品を売るだけが目的ではないんですね。
農業に関わるようになってから私が興味を持っているのは、サステナビリティというテーマです。
ここ何年か、SDGS(持続可能性)が注目されていますが、それは自然や環境に限らず仕事や働き方など、どんなことにも当てはまると思います。
商売を続けるには儲かっていることが前提です。子育ても20年近く続く長距離走です。誰か一人に過度な負担がかかるとつらくなってしまうと私は思います。我が家はリスク分散のために、夫婦それぞれ別の仕事をしています。
今夏、地元の漁師さんや夫と数人で、新しく会社を設立します。ある意味「一次産業」という共通言語を介した異業種の集まりです。
一人でできることには限界があります。同じ志を持った地域の人たちとパートナーになって、将来子どもたちが「一次産業ってカッコいい」「天草っていいね」と思える場所を作ることを目指しています。
ただ地元のものを集めて外に売ることにとどまらず、ものをきっかけに私たち事業者や天草に興味をもち、足を運んでいただく流れを作ることができればよいなと思っています。だからこそ、異業種で連携していくことに意味があると考えています。
――お話を聞いていて天草のことがわかると、本当に行ってみたくなりますね。ただ、現在はコロナ禍で……天草を訪れるのが難しい人でも楽しめるものはありますか?
オンラインショップでみかんや加工品を買っていただけるほか、「みかんの木オーナー」という、自分の木を持ち実の成長を見守るサービスもあります。
オーナー様には写真をお送りすることもできますので、実の成長の様子を、遠方にいてもお楽しみいただけます。成長を見守っていた木からとれたみかんの実を食べるという経験は、お店で購入したものを食べるのとは違うとのお声をいただいています。
新しく作る会社でも、今年から「牡蠣オーナー」を始めます。牡蠣がどんな感じで養殖されているのか、養殖から出荷までの工程を見てみたいという人もいるのではないでしょうか。
現在、遠方から足を運ぶのは難しくとも、こうした商品やサービスなどを通じて天草に興味をもっていただき、いずれ落ち着いた頃に遊びに来ていただけたら嬉しいです。
――本当に、「ここにしかない商品」ですよね。わざわざ取り寄せたり、足を運んだりする価値のあるものだと思います。
ゴールを決めず、変化も楽しんで暮らしたい
――これからさらに事業が広がっていく感じがして、楽しみですね。今後の展開について、もう少し教えていただけますか?
今後は自分だけでなく、周囲の方々をお手伝いする段階に移行することを考えています。
私は加工品づくりのほか、フリーランスライターとして農業や地方移住の日々を発信しています。2020年は電子書籍の出版や、専門誌の編集ライターとしての活動も広がりました。
夫も農業従事者としての顔だけでなく、農家民宿の経営者、EC販売事業者としての顔もあります。
今後はITを活用した地元の小規模事業者のサポート事業も考えています。私たちのこれまでの経験や知見をすべて活かして、田舎暮らしをしたい方、これから起業したい方、書くことを仕事にしていきたい人のメンターでありたいですね。
――最後に、子育て中の方に向けてエールをお願いします。
私たちもまだ子育てが終わっていないので大きなことは言えませんが、「なんとかなる」と思っています。
まずは自分が日々の生活を楽しむこと。その姿を見て育つ子どもは、きっと明るく真っ直ぐに成長してくれると信じています。
私たちの現在やっていることはすべて、未経験から始めたことだらけです。前職との直接の関連性はありません。しかし、それをどうつなげるかは自分次第。
子育ても新しいことへの挑戦も、すべてなんとかなる。
そう信じていきたいですね。
――筒井さん、ありがとうございました。
おわりに
インタビュー中に出てきた商品、サービスはこちらで買うことができます。
また、育児日めくりカレンダーには「みかんの木オーナー募集」のチラシを同封させていただいています。ぜひご検討ください。
ふぁおのお店や、筒井さんの活動についてもっと知りたい方は、こちらを御覧ください!
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