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文章表現。

高校3年の時に表現という授業があった。
時間割りでは表現となっていたが、正確には文章表現。
なので国語科の先生3人が代わる代わる授業をした。
工業高校だったので、ほとんどが卒業したら就職。
そのための授業のひとつだったと思う。
レポート書きのためとか。
国語科の先生3人共著で『高校生のための文章読本』なる書籍まで出版し、近隣のみならず他県の高校からも問い合わせや授業に使いたいとの連絡があり好評だった。
少なくとも3人の先生は嬉しそうにそう話していた。
かれこれ35年以上前なので、その書籍は今は手にすることは出来ないが、とてもいい教材だった。
本が苦手だったが、書籍の中で紹介されているものはどれも興味深かった。
教材としての利用を考えていたので、取り上げた作品の解説書が付いていた。
解説書がなくとも、当の3人から直接授業を受けるので必要ないといえばないのかも知れないが、ありがたいと思った。
この書籍で高橋源一郎や吉行淳之介などを知った。
本が苦手で読めなかったが、本に興味を持たせてくれた大切な教材だった。
授業も表現というよりは文章を書くことに重きを置いた感じだったが、作文が苦手でも褒められるだけではなく書いた物の内容について聞かれるまでに上達したのだから凄い先生たちだったのは間違いない。
ふと思い立って調べてみたら、書評家、大学講師、研究者になっていたので、間違いなく凄い人に出会えたのだと思った。

人を育てるのは、やっぱり人なのだと思った。

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