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前川清さんの歌謡ショーに行ったら60歳農家の友達が出来た話

おじさんの友達が出来た


米農家の川ちゃん、60歳だ。



前川清さんは私の推しである。

数年前、九州ローカルの旅番組「タビ好キ」を観ていて前川さんのお人柄に惚れ、そのままファンクラブ入会した。その直後、前川さんの歌謡ショーが近々にあると知り即チケットを買った。



「この熱意伝えたい!!!!」



とネットで推しうちわの作り方を検索し、自作した。

前川さんのコンサートに推しうちわを持って行ったのは絶対に私が初めてだと思っている。


初めて生のキヨ様が見られる。ドキドキワクワクでおめかしして会場へ。


しかし農協主催のコンサートだったせいか、会場はチケットJAからもらった感のじーちゃんばーちゃんシルバーで埋め尽くされていた。


私は確実に浮いていたが、生キヨ様の興奮で、そんなの関係ねーオッパッピー状態であった。


着席後、


「キヨ様大好き」


と書かれたキラキラ推しうちわを出した瞬間周りのじーちゃんばーちゃん方がどよめいた。


生まれて初めて推しうちわを見たのではないだろうか。心臓に悪かったかもしれない。


「それ自分で作ったとね!?」「そがーん好きなら握手しに行きなっせ!」と全力で応援してくれた。
隣のじーちゃんがうちわを振るたびにそっと避けてくれた。


おかげできっとキヨ様にもシルバーの中に輝く推しうちわが見えたに違いない。初の生キヨ様は大成功に終わった。



そして先日も、いつものように推しうちわ持参で歌謡ショーへ参戦した。いまや手作り推しうちわの数も5枚となり、場面に合わせて上げ下げしている。さながらひとり運動会マスゲーム。


推しうちわを出すとどよめいていたあの頃がウソのように、最近は公式グッズのからもうちわやペンライトが発売されている。2024年、シルバーキヨ様ファンにも受け入れられたようだ。
これもひとえに私の孤高の戦いからの認知度となったものと思って欲しい。



前川さんの歌謡ショーでは終盤、歌いながら会場を練り歩くコーナーがあり、撮影も可能。歩きながらポーズを取りながらなのに、口からCD音源の歌唱力は毎回惚れ惚れする。



隣の列を練り歩いて居るキヨ様を撮影して居ると、満面の笑顔でキヨ様に話しかけて居るおじさんが映り込んだ。おや…?

知り合いの知り合いだった。声を掛けようと歌謡ショー後に探したけれど見つけられず。



しかし後日共通の知り合いから「おじさんがくまめさんと連絡を取りたがって居る」とLINEが来て、おじさん、通称、川ちゃんと繋がった。


川ちゃんは今回の歌謡ショーでますますキヨ様熱が上がり、撮った動画全部送ってくれた。すごい量だった。中になぜか自撮りまで入っていたので戸惑った。


ひとしきりコンサートの感想を語り合い、そして私が3月のショーも行く旨を伝えたところ、非常に食い気味でチケットの取り方を尋ねて来られた。
元締め会社をを教えたところ、翌日の朝から「直接電話をしてチケットを取った!」とホックホクの喜びLINEが来ていた。


翌日「前川さんのおかげで生きる楽しみができた、今後ともキヨ友としてよろしくお願いします。」とブロッコリー4株を手土産にご挨拶に来てくださった。なぜかパン詰め合わせも入っていて戸惑った。


玄関先で頭によぎった。


「これからの時代は農家さんと知り合いになると強い」



しかも聞けば、川ちゃんは米農家だった。

昨今の米騒動で米探しに駆け回った記憶が蘇る…


川ちゃんは純粋に新規のキヨ様ファンであるのに、私の頭の中では「農家との強いパイプが出来た…!」脳内で満面の笑みでおにぎり頬張ってた。


ああ、またも仏教の教えが何も生きていない。私の煩悩は一体いつ消えるのか。


とりあえず川ちゃんとは今後も末長く仲良くさせていただきたい。もちろん、キヨ友として……モゴモゴモゴ。


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