サンリオキャラクター大賞の結果を受けての考察
ついに発表されました。以前、投票期間中に書いたnoteがいつもより反応があるな~と思ったら、サンリオ界隈的なところで少し拡散されていたようでした。よろしければぜひ、こちらも読んでいただけたらと思います。
結果発表|2023年サンリオキャラクター大賞 公式サイト (sanrio.co.jp)
結果はサンリオ界の''横綱''シナモンが唯一の400万票超えで4連覇!!
「圧倒的」と言わざるを得ない王者の風格を見せました。上位層はそこまでの大きな変動はないですが、細かな変動を楽しむのもサンリオキャラクター大賞の醍醐味です。個人的に熱かったのは「クロミちゃん3位」「ハンギョドン7位」「バッドばつ丸10位」この三本柱です。
それでは、TOP10にランクインしたキャラ、その他のキャラについて所感を語っていきます。
1位 シナモン
4連覇、おめでとう!!流石としか言いようがない、圧倒的王者の君臨でした。実はこのサンリオキャラクター大賞で連覇を達成したキャラは以下の6キャラしかいません。
・みんなのたあ坊
・ポチャッコ(5連覇)
・ハローキティ(12連覇)
・マイメロディ
・ポムポムプリン
・シナモロール(4連覇)
キティちゃんの12連覇があまりに凄すぎますが、意外にもポチャッコも5連覇していて現在のシナモンよりも多く勝ち抜いています。恐らくキャラクター大賞には「殿堂入り」や「前年度1位のキャラは翌年はエントリーしない」というシステムは導入されないと思うので(この理由については後述します)キティちゃんのようにここからどこまで連覇していくのか気になるところです。シナモンだけ400万票超えと桁が違う結果となりましたが、実は一番最初の中間発表ではシナモンは2位でした。1位はポムポムプリンで、今年はポムポムファンの勢いがすごいのだろうかと考えていたのですが、次の中間発表では1位に返り咲きしていました。
シナモンにここまで票が集まる理由ですが、私が思いつく限り3つあります。
まず1つ目は、単純に可愛いから。何を当然のことを言ってるんだと思われるかもしれませんが、恐らくシナモンは誰が見ても愛らしいと思うようなニュートラルな可愛さがある。白くてフワフワてフォルムが丸くて、可愛いの黄金比とでも言えるようなビジュアルだと感じています。そのため、シナモングッズを熱心に集めているようなヘビーなファン層だけでなく、ライト層からも票を集めることができるのではないでしょうか。ヘビー層に加えて「サンリオの人気投票やってるみたいだし、投票してみるか」ぐらいのスタンスのユーザーも、一番かわいいと思うからという理由でシナモンに投票していた可能性があると思います。
2つ目は、「ライト層も投票していた可能性がある」という話に近いものがありますが、近年のサンリオの''推し活グッズ''への力の入れようも関係していると思います。うちわケースや双眼鏡、ペンライトケースやチェキホルダーなど、いわゆるファン活動に有用なグッズが多数展開されています。
またピューロランドでは「メルヘン工房」というネームプレートを作れるお店があるのですが、いつ行っても長蛇の列です。列に並んでいる方々を見るに、恐らくサンリオそのもののファンもいるのですがそれよりもジャニーズやK-POP、アニメやソシャゲ、VTuberなど他界隈のファンが非常に多い。私も実際、VTuberファンの友人に推しの名前で作ってきて!と頼まれた経験があります。
そしてこの多数展開されている推し活グッズのキャラクターラインナップの中に、シナモンがいないことはまずありません。絶対にシナモンがいます。「推しの雰囲気がシナモンっぽくて、シナモンの推し活グッズを買っている」「サンリオと好きなジャンルがコラボした時に、推しキャラがシナモンとコラボしていた」などの理由で票を入れた人々の存在もあるのではと考察しています。
3つ目は、シナモンファンたちの熱量の高さと層の厚さです。ピューロランドに行ったりすると特に感じるのですが、ガチファンの多さと個々の熱量の高さは間違いないです。恐らく最初の中間発表でポムポムプリンが1位だったということもあり、ファンの投票に対する熱量がより高まったのではないかと感じます。
最後に前述した殿堂入りシステムなど導入されないと断言できる理由ですが、「連覇しているから」「前年度の1位だから」という理由で特定のキャラがエントリーできないシステムにするというのは、恐らくサンリオのポリシーに反していると考えられます。「みんななかよく」という企業理念から分かるように、輪というものをサンリオは非常に重要視しています。そのような企業が連覇しているからといって特定キャラをキャラクター大賞から外すとは考えられません。そのため、シナモンがこれからも連覇していくのか、ポムポムプリンやクロミなどの伏兵が快進撃を見せるのか、来年も楽しみです。
2位 ポムポムプリン
連覇経験もありますし、9年連続TOP3入りという不動の人気を誇るポムポムプリン。私もピューロランドで写真を撮ってもらった経験がありますが、本当にめちゃくちゃ可愛いです。デビューは1996年と歴史あるキャラクターですし、単体での商品タイアップや企業コラボも多く、言うまでもなくグッズ展開も多くされています。そのため特にサンリオファンではないという方でも一度は見たことがあるレベルの知名度があります。シナモンと同じく、グッズを熱心に購入するようなヘビー層以外からも多く投票されていたと思われます。
ポムポムは個人的に、ビジュアルがめちゃくちゃ好きなのです。キティちゃんにせよシナモンにせよ、人気があるキャラは小さいという傾向があるのですが、ポムポムはデカい。そしてそのデカさが刺さる人間が確実に一定数いると思います。ゴールデンレトリバーの男の子という設定で、体重はスイカ5つ分。あとポムポムは周りのサブキャラも全員可愛いというポイントもあります。
ピューロランドでグリーティングした際もポムポムは耳をぶんぶん揺らして歓迎してくれて、その可愛さから私の心に一筋の光が差し込みました。
今回の結果を受けてファンたちも来年以降より一層本気を出してくるのではないでしょうか。近いうちに、ポムポムプリンの首位復活も十分ありえます。
3位 クロミ
サンリオでは珍しいとされているヒールキャラクターです。他にもバッドばつ丸も同じ悪役キャラとされていますが、クロミが今年も3位にランクインです。今まで2000年代後半から2011年ごろまではTOP5近辺にランクインしたのですが、その後なぜか10位ぐらいをウロウロする時期が数年続き、2021年から再びTOP5を獲得し続けています。去年と今年は3位と、ライバルキャラであるマイメロディに圧勝する結果を残しています。過去のキャラクター大賞では「あと少しでマイメロに勝てそうだったのに!」というようなことを結果発表後に言っていた記憶があるのですが、今ではクロミの人気ぶりが止まりません。
ここ数年の人気急上昇の理由を語る上で避けては通れないのは、いわゆる地雷系・量産型ファッションの流行でしょう。
↑このような感じで、地雷・量産型ファッションの雰囲気を纏ったアパレル商品も販売されています。またシナモンの項目でも記載しましたが、いわゆる''推し活''を楽しんでいる層の方々は地雷系・量産型ファッションを好んでいる人も一定数います。もちろん、ジャンルや界隈にはよるので一概には言えないですが。そのためクロミちゃんに関しては、
①ガチファン
②推し活でクロミグッズを購入する層
③地雷系・量産型ファッションを好む層
など、投票している層にかなりの多様性があるのではないかと思われます。
2位のポムポムプリンとは僅差だったので、この勢いのまま来年はランクアップする可能性も十分あります。
あとクロミに関しては結果発表時の「これからもアタイと一緒になりたい自分をめざしていくよ」というコメントが現代的で非常に良かった。
※さすがに長くなりそうなので、3位以降は散文的に書いていこうと思います。
4位のポチャッコですが、はぴだんぶいの不動のエースといっても過言ではないでしょう。
今回300万票を超えているのは、ポチャッコ入れて上位4キャラクターしかいませんでした。ポチャッコも1989年デビューとポムポムプリン以上に歴史あるキャラクターです。過去の投票では1991~1995年に5連覇した経験もあります。実はシナモンよりも連覇の回数が多いです。2011~2017年は10位~15位ぐらいを行ったり来たりしていたのですが、2018年以降人気が再熱しています。そして2020年には3位を獲得しました。30年以上前のキャラクターなので、シナモンやクロミなどの比較的新しいキャラクターの登場と共に人気が落ち着いてきたのだと思われますが、近年のレトロブームと男の子キャラユニット「はぴだんぶい」の結成により人気がかなり再熱していると思われます。元々ポチャッコを好きだった層はそのままに、若い世代が新規ファン層として熱心に投票しているのではと思います。
ポチャッコ、あひるのペックル、ハンギョドン、バッドばつ丸、けろけろけろっぴ、タキシードサムで結成されたサンリオ初のユニット「はぴだんぶい」もポチャッコの人気急上昇には大きく寄与しています。ポチャッコだけではなく、後述しますが私の最も好きなキャラ・ハンギョドンも最近の人気はえげつないですし、他のキャラもぐんぐん順位を上げています。中でもポチャッコはエース的ポジションであり、最近のサンリオグッズではキティ、シナモン、ポムポム、ポチャッコみたいなラインナップも見かけるレベルでメジャーとなっています。
5位のハローキティは正真正銘サンリオの顔なので、誕生から何年経っても人気は不動。1974年のデビューから、来年で50周年というとんでもない長寿キャラクターです。もはやアメリカのミッキーマウス、日本のハローキティと言っても全く過言ではないと思います。実際、海外セレブからキティが愛されていた様子は記憶に新しいです。キティちゃんが1974年誕生と聞いて驚く方も多いでしょう。その理由として考えられるのが、現在もキティちゃんが先陣を切って時代に合わせた活動をしているからです。YOSHIKITYなど、他媒体ともどんどんコラボしていく柔軟な姿勢はもちろん、YouTubeも精力的にやっています。ジャルジャルの漫才を完コピしたり、悩める若者にアドバイスをしたり、恐らく若者の感覚としてキティちゃんが親世代のキャラであるという意識はかなり薄いでしょう。これからも、世界のキティとしてサンリオの顔となっていくと思われます。
6位のマイメロディ。マイメロも実は1975年デビューと、かなり古参キャラとなっております。キティちゃんと共にサンリオを支えてきた歴史あるキャラクターです。2011年、2014年には首位にランクインしていますし、それ以降も必ずTOP10にランクインする実力派です。ピューロランドのグリーティングでもマイメロの列は長い印象があります。個人的には、もう少し順位が上だと思っていたのですがライバルキャラであるクロミが人気爆発している影響もあってか、昨年よりランクダウンする結果となりました。恐らくTOP10から外れることはないでしょうし、今後もTOP5近辺にランクインし続けるのではないかと思います。
そして7位、私の愛するハンギョドンが近年では最高順位を獲得しました!おめでとう!ネットで毎日投票、サンリオショップでもグッズを購入して投票していたので非常に嬉しく思います。
ここ最近のハンギョドン人気はポチャッコ同様、若い世代におけるレトロブームの到来とはぴだんぶいの結成・グッズ展開が大きな理由だと思われます。他にも芸能人や有名人がファンを公言したりということもありますが、「サンリオにそこまで関心がないにも関わらず、好きな芸能人の推しキャラにわざわざ投票する」というファンふそこまで多いとは感じません。ハンギョドンも1984年生まれの歴史あるキャラクターで、1986年のキャラクター大賞では3位を獲得しています。その後、長らく10位台~30位近辺でしたが、2022年に24年ぶりのTOP10入りを果たします。すごくないですか?そして今年は1位ランクアップ。私も去年ハマった新参者ですが、幅広いグッズ展開や単体でのガチャガチャ・一番くじなども出ていることから波が来ていると感じます。当然ですが''売れる''という確信がなければ単体でグッズを出すことは難しいです。「みんななかよく」が理念のサンリオでも、その辺りはかなりシビアに考えていると思います。そんな中でハンギョドンが1986年の3位という順位以来の好成績を収めたことが非常に喜ばしいです。今回、サンリオショップでグッズを買って投票する際には全キャラのその店舗ごとの投票状況も見る事ができました。3店舗ほどで投票しましたが、どの店舗でもハンギョドンはかなり投票されている数が多かった記憶があります。最後に私が思うハンギョドンの魅力ですが、とにかくミステリアス。「中国生まれの半魚人」とプロフィール上にはあるが、特に中国生まれという設定は触れられない。いつも一緒にいるタコのさゆりちゃんとの関係性も「なかよし」とは言っているがいまいちよく分からない。プロフィールの趣味の欄には「ハンギョドングッズを集めること」というまさかのメタネタが記載されており、とにかく謎が多い。表情だけで何を考えているか分からないキャラクターが好きなので(トイストーリーのリトルグリーンメンも同じ理由で好き)、これからも愛を注いでいきます。いつかピューロランドでハンギョドンに会いたいなあ。ハンギョドン、本当に本当におめでとう!いつかハンギョドンをTOP5に入れられるよう、頑張ります。
8位のキキララとハンギョドンは、前年度から入れ替わるような形になりましたね。キキララも恐らく古くからのファンが根強く投票しているので、現在でもTOP10にランクインするのだと思います。モノレールとかと普通に単体でコラボしているし、世間的な知名度もかなり高いです。
9位のタキシードサムは、はぴだんぶい結成してから本当に順位を上げましたね!2010年代後半のキャラクター大賞では、10~19位ぐらいを彷徨っていましたが、それが今ではTOP10入り。最近ではサムの単体での一番くじも作られるなど、今急上昇中のキャラクターです。タキシードサムは、フォルムがめちゃくちゃ可愛いし王道の愛くるしさを持つキャラだと思います。グッズも増えてきているので、今後さらに順位を上げる可能性は大きくあります。
そして、10位のバッドばつ丸ですよ!これは熱く語らせていただきます。
ばつ丸は、実は1度だけ1位を獲得しています。しかもそれは1996年。そう、ポチャッコの6連覇が掛かった年だったのです!それを制しての首位、当時に生まれたらリアルタイムで体感してみたかった。バッドばつ丸は、ここ20年ほどのサンリオキャラクター大賞の歴史を見てもTOP10かTOP20には必ずいるので、ポチャッコやハンギョドンのように人気が落ち着いた時期というものが実は無いキャラなのではないでしょうか。サンリオに珍しいヒールキャラという特異性もあり、一定数いるファンが昔から離れないのかもしれません。しかしここ10年ぐらいは10位台前半~後半をキープしていました。今年は10位という好成績ですが、これには「今年で生誕30周年」のアニバーサリーイヤーだったというのがかなり関係してきているのではと思います。去年のばつ丸の順位は12位。30周年ということもあり、ばつ丸に花を持たせるためにファンの方々は相当頑張ったのではないかと予想できます。8位、9位とはわずか約6万票という結果で、もしかしたら8位とかにランクインしていた可能性も全く捨てきれません。きっと30周年ということでファンの間にもブーストが掛かり、一丸となって応援しようという輪ができていたのかもしれません。クロミちゃんにも同様のことが言えるのですが、ヒールキャラはファンが離れにくい傾向にあります。他キャラとは圧倒的に違った個性と毛色に唯一無二性を感じているファンが多いように思えるからです。それに加え、やはりはぴだんぶい結成で露出が増えたのも要因でしょう。ばつ丸、30周年&10位おめでとう!
10位まではこんなところで、あとは気になったキャラについて書いていきます。
12位のけろけろけろっぴ。
こちらも1987年デビューの古参キャラクターです。1989年のピーク時にはキティ、みんなのたあ坊に次いでけろけろけろっぴが人気と売上高を誇っていたようです。1990年はキャラクター大賞1位を記録しています。しかし1990年代後半から徐々にグッズが減り、商業展開も落ち着いていったという感じです。そのためけろっぴのグッズを調べると80年代っぽいレトロな絵柄のお弁当箱などがたくさん出てきます。現在では、あまり単体でグッズを出されることが少ないため、もっと出してあげてよ~とはぴだんぶいファンとして思います。ずっと11位~12位ぐらいをキープしている印象なので、TOP10に入るところが見たいなあ。
13位のぐでたま。こないだ、ガトーハラダ×サンリオのコラボラスクを買いに行ったところ、ぐでたまだけ売り切れでした。実はめちゃくちゃ人気があるのか?と思いましたが、結果は13位。サンリオでは珍しいぼやきキャラですが、その個性にハマった人はずっとハマってる印象です。ピューロランドにぐでたまのローストビーフ丼というフードメニューがあったんですけど、なくなるらしい。あれが一番うまかったのに、何で?
16位のあひるのペックル。はぴだんぶいのリーダーとされている、明るくて気のいいあひるです。ペックルのファン、ツイッターで自分達の非力を嘆いている人たちがすごく多かった印象です。みなさん「来年は」と既に次のキャラクター大賞に向けてアップを始めており、来年はとんでもなく順位を上げる可能性が出てくるなと思いました。ペックルも単体のグッズそろそろ出してほしいよ。
各キャラについては以上なのですが、サンリオでは「海外での順位」という興味深そうなものを公開しているので、気になったところについて。
香港でみんなのたあ坊が2位
これは、昨年も言われていたことなのですが「何故?」という声が多かったので少し調べてみるとたあ坊のデザイナーさんの記事がヒットしました。
香港では「みんなのたあ坊」だけの展覧会が開催されるほどの人気ぶり。人気の理由については「笑顔に癒されるからなんじゃないか」とファンからの手紙を何枚も読んだデザイナーの方が仰っていました。何か商業展開などの理由で大きな理由があるのかと思っていたけど、単に「かわいくて癒されるから」という見解だそうです。
ドイツでぐでたまが1位
これも本当に理由の検討がつかないので「ドイツ 卵」とかで検索しましたがはっきりとした理由は分からず。生卵は食べられないからだろうか?全く見当はつきませんが、とりあえずドイツで人気のようです。ちなみに2位はYOSHIKITY。
今回のサンリオキャラクター大賞ですが、自分の愛するハンギョドンが近年での最高順位を獲得したこともあり、非常に思い出深いものとなりました!さあ来年はシナモンが連覇するのか、ポムポム、クロミなどの伏兵がそれを阻止するのか、今後も目が離せません。サンリオさん、ハンギョドンのグッズ、たくさん出してください(⌒∇⌒)