エッセイを書くこと-室木おすし先生の漫画を受けて-

昨日、頭痛と恐らく空腹時に鎮痛剤を飲んだことによる吐き気で眠れず苦しい思いをしている時に、オモコロで室木おすし先生の漫画を読んだ。
私はオモコロで原宿さんと室木おすし先生がやっているラジオ「ありっちゃありスパーク」を毎週聞いている。

これは別記事にしたい気持ちがあるが、この2人の語りというものは非常に心地よい。互いに娘を持つ父であり、40代であり、共通点が多いながらも違った視点を持つ2人のトークは重湯のように優しい。優しいながらも、時に社会の''本質''のような話をすることもあり、その緩急がたまらなく好きなのである。
室木おすし先生の漫画、とくにエッセイ漫画は人の人生というものを非常にリアルに、多くの人が言語化しない点を表現している。嬉しい、悲しい、などの端的な形容詞で表しきれない複雑な感情を漫画に落とし込むのがとんでもなく上手だと、素人ながらに思う。
特に、おすし先生の幼少期の実体験を元にしたエッセイ漫画は繊細な感情の描き方が物凄い。ポップな絵柄が余計にそれを強調させる。

この作品は、今や3児の父となったおすし先生の自宅の風呂が壊れてしまうという出来事から始まる。そのため子供を銭湯に連れていくことになり、道中で自分が幼少期に父と銭湯へ行った経験を回想するというものである。
風呂上がりに、父に「何か飲む?アイスでもいいよ」と言われたおすし少年が、「何もいらない」と返すシーンがある。当時のおすし少年は遠慮することが親を喜ばす正しい行為だと思っていたらしい。ところが、家庭を持ち親になった今のおすし先生は当時を振り返り「あの時父は、1番高いアイスをねだられたかったのではないだろうか」と回想している。このシーンが、自分にとっては凄く衝撃的だったのである。何故なら自分もほぼ同じような体験をしているから。たしかに、幼少期に外食に行った時にデザートは?と聞かれて、遠慮を美徳と思い「いらない」と答えたことが自分にもあった気がする。

他にも父がたまに作ってくれたチャーハンが異様に美味しくて、それをなんとか再現しようとしたエピソードなども素晴らしい。

ここで思うのが、子どもの頃の出来事をよくこんなにも覚えているな~ということである。漫画に出来るほど鮮明に記憶しているのは、なかなか珍しいのではないかと思う。
しかし思い返してみれば、自分も幼少期の記憶はかなりある。それも、けっこう鮮明にある。幼稚園の夏祭りでカレーを作った際に担任にブチ切れられたことや、後に親友となるクラスメイトと休み時間に大喧嘩して互いに顔面を殴りあったことなど。
ということで、過去の記憶をメインにエッセイ的なものを書いていくことにしました。飽きる可能性は大いにありますが…

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