星列車で行く先に見えたもの。
はじめに
今回影山くんが単独初主演を果たした
舞台「星列車で行こう」
人間国宝と言われる坂東玉三郎さん演出の舞台。
ファンであるこちらとしても背筋がスッと伸びる、大変身の引き締まる思いでした。
昭和の名曲が折混ざったこともあり全体的にノスタルジックな印象。
古き良き古風な雰囲気を醸し出す太郎が、まさか平成令和のアイドルだとは思うまい。
と、分かっているのに私ですら何度も新鮮に驚いてしまった。
哀愁漂う秋のように優しく穏やかな好青年・太郎の人物像と、物語のゆったりとした流れが心地良く、
前後半45分ずつの短めの(私比)公演でしたがとても丁寧に繊細に物語が作り込まれており、玉三郎さんのお人柄が垣間見えた気がします。
物語冒頭、下手から走り出してくる太郎。ひやぁ〜!!影山くんだ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)!!!要所要所ピックアップしながら感想を書き留めていきたい。
いぎゃーーーーーー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)!!!
となる感情をどうにか抑え、
物語を彩る劇中歌
舞台映えするスタイルの良さ、
台詞の一文字目からすんなりと耳心地の良い声色。
おそらくみなさま思ったことでしょう…
影山くん…声が!!!全然違う!!!と…
影山くんソロ歌唱曲①
『一寸おたずねします』/越路吹雪さん
(原曲である越路さんはシャンソン歌唱なので)今回は原曲よりも玉三郎さんの歌唱音源を参考にしている様子。
母音がとても綺麗に聞こえる発声に、伸びやかな歌声。
「あの〜ちょっとおたずねします…」
「あの〜」(セリフ)から「ちょっとおたずね」(歌唱)への切り替わりがとても自然。
ちょうど客席に背を向け歌い出すため、初見ですと、ん?この、歌声…か、か、げ、やま、くん…
だ よ ね!!?!?!!となった。
(大混乱&大号泣)
それになんと言っても鼻濁音がとても美しい。
影山くんの歌の特徴である高音もキャラメルボイスも今回は封印。
影山くんてこんな低い声で歌うんだ!?という驚きと本人もめちゃくちゃ練習したと言っていたことが早速回収された…。
影山くん、ほんっと…めちゃくちゃ練習したんだね…(感想)
自分の存在価値を見出せず夢も見つけられず
自分が何者か分からない、自分らしさを模索する太郎の心情と歌詞がとてもマッチしていた。
歌詞に意味をもたすこと表情や仕草、セリフの間合いだとか、頭のてっぺんから声を出すということを意識しているのもとてもよく分かった。
影山くんソロ歌唱②
『家を出て行きたい』/堀内孝雄さん
元の歌詞をそのまま歌っているが、それまで一人称が"僕"だった太郎が、この歌で"俺"に変わることで元々ある歌詞ではあるが、太郎自身の家を出て行きたいという感情が強く表されているような気もしました。
「それがぁ⤴︎じんせいっとぉ⤴︎」のところが
特にご本人に寄せた歌い方をしている印象でした。
物語終盤
『タミーノのアリア』から『Let It Be』
に繋がる曲のアレンジ。
とてもお洒落で好きすぎました。
途中この二曲がリミックスのように聞こえるところもありまして(すみません素人なのでほんとに全然分からないのですが)編曲さん大天才…!!
Let it be~ Let it be~と片腕ずつ大切に抱きしめ、もう迷わないさと強い眼差しの太郎は、これからの人生、迷うことがあったとしても自分自身で答えを見つけられる強さを感じました。
(これはもうあまりにも余談でしかありませんが
今回の星列車の『Let It Be』の歌詞意訳
「暗闇でも一筋の光が僕らを照らす
もう迷わないさ」が
IMP.『CRUISIN’』の歌詞にある
「目を閉じるだけで浮かぶ煌めきは
どんな星より guide me all the way」
に、通ずるものを感じて、私ももし影山くんが道に迷うことがあった時に道標を灯せるファンで在ろうと強く思ったのです(?))
星列車で行く先には…
さて、ここからは物語終盤にかけての私なりの考察・解釈です。
影山くんは
太郎と似てるところがあると言っていたが、
根が真面目で優しくて情に熱い
相手に寄り添い、
相手が悩んでいたら放っておけない
相手の気持ちを汲み取る気づきの良さ
しかし自分のことになると急に自信がなくなり萎縮してしまうところ
そうゆう本質的な、かつ表面的なイメージが太郎と似ているんだろうな…
私たちがよく知る影山拓也という人物の主軸を形成しているところが太郎にピタッとハマったように思える。
星列車で出会った次郎と五郎の聞き役に回ったり、二人に対する面倒見の良さも影山くんっぽいな…と思ったり。
青年たちが抱える葛藤や悩み
星列車に乗りそれぞれが「夢を見つける」ことが大きな軸、テーマとしてある。
「星列車のことを真剣に考えるとどこでもドアみたいに列車がホームに〜」や
「地球に戻って〜」「現実に戻って〜」という五郎のセリフにもあるように、星列車がフィクションであることは当事者たちにもわかっているのだろう。
太郎自身も、何度も自分自身を甘えていると卑下していたが
「五郎君は歌舞伎俳優なのになぜ夢が見つからないの?」という発言や「誰か導いてくれるひとが必要」といった言葉から分かるように、星列車に乗れば自然と答えが見つかると思っている節がある、
"そうゆうところ"なのかもしない。
しかし物語終盤になっても、
車掌に「自分らしさとはなにか」と問われた時には答えられないのに、
「お前に何がわかる」と次郎に詰め寄られた時には
「自分らしく生きたいなら自分の好きなことを突き詰めればいいと思う」と答える。
太郎はこの時点で自分でずっと悩んでいた答えを、自分自身でほぼほぼ導きだしているのに、自分自身のことになるといっぱいいっぱいになってしまう。
周りが見えなくなってしまう。
素直だけど自分自身に対してはとことん不器用なひとなんだな…きっと…。
物語ラスト
そうしてるうちに、
金が全て、金があればなんでも解決できると考える次郎も「金持ちになること」と夢を語るが、母親に教えてもらった「歌を歌うこと」という夢を新たに見つける。
「歌舞伎役者になること」が夢だと語っていた五郎も、歌舞伎役者になること自体が夢なのではなく、歌舞伎役者になり"目立つこと"。歌舞伎役者になることは両親に見つけてもらうための手段に過ぎなかったことに気づく。そして新たに鎌倉権五郎のような「ヒーローになりたい」という夢を見つける。
その中で明確な夢を語らず列車を降りる選択をした太郎には急だなという印象。
なんならそれまで「おじいさん!おばあさん!僕の子供の頃の話をしてくださいよ!」と話しかけ、車掌さんに「そうゆうところですよ」と言われていたくらいだからだ。笑
「そうでしたっそうだった…///」という太郎は可愛かったけどね。とっても(◜ᴗ◝ )にっこし
その中で急に降りる選択をした太郎だが
"「自分らしさ」が解れば夢が見つかる"
そう思っていた彼はきっと、この間に
"「自分らしく生きること」を見つけるという夢"
を見つけたのかもしれない。
夢を見つけた3人の青年たちの目の前に線路が投影される演出も(こことても好きでした)、劇場全体に星空が輝く演出も、
この先の青年たちの希望溢れる未来を表しているようでとても清らかで美しかった。
星列車への切符を必要とした者
偶然星列車と出会った者
星空を駆けそれぞれの降りるべき駅に到着したとき、それまでピンと張り詰めていた糸も、心なしかふっと緩んだ気がする。
星列車に別れを告げ手を振る青年たちの瞳は強く、キラキラと輝いており、雲ひとつないキリッと澄んだ空気をまとう冬のような逞しさと似たものを感じた。
『星列車で行こう』
観終わった時に、わたしも自分なりに夢やこれからの人生について少し考えてみたが、
夢や目標、自分の居場所や叶える目的、
夢を見つけるまでの過程や道のりが夢を叶えるゴールよりもカタチのない大切なことなのかもしれないと思った。
(なんとなく「星の王子さま」を思い出しました)
きっと誰がどんなタイミングで観ても、背中をそっと押し勇気をくれ、心がホッと温まるような…
この夏の下界の酷暑を忘れさせてくれる、
秋晴れが良く似合う、そんな作品でした。
非現実的な題材ながらも、心の迷いや人生の選択に迷ったとき、私たちも人生の岐路や選択をするとき、無意識に星列車に乗っているのかもしれない、と…。
〜あとがき〜
書きたいことが多すぎてまとまりのない文章になってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。
カテコでは緊張感が少し解れてニカニカと笑う影山くんがを拝見できて、あ〜影山くんだぁ…(?)と、謎の安心感を得ました。
改めて思い出しましても、とても舞台映えする立ち姿と、とにかくカッコよくて、そしてなにより声が良い!!!!
影山くんってやっぱり舞台人だし、板の上がよく似合う…あ〜ほんとに素敵だったな影山くん…
私が影山くんのことを1ミリも知らないで舞台を観に行って、舞台を見たあと、影山くんてどんな子なんだろう?と調べた時に、IMP.のYouTubeを見たらえっ?これ、あの、、太郎役の方……?と大混乱しそうだ…
影山くんのパブリックイメージって、なんとなく太郎のような"真面目で寡黙"という印象と
"明るくてちょっとおとぼけで"…という、
両極端ではあるがどちらのイメージもある。
なにも知らず星列車という作品を観た方は影山拓也という人物が普段IMP.というアイドルグループでガシガシに歌って踊ってるだなんで絶対に思わないと思う。
それくらい星列車の影山くんは太郎そのものでした。
さて、
これまでずっと影山くん主体の感想を述べてきたのだが、少々お時間をいただき個人的にどうしてもピックアップさせていただきたい共演者の方がいらっしゃいます。
車掌役の石井一孝さん
まず石井さんのお歌がとてつもなくて!!
とてつもなくお上手で、、、、
それこそ幕間に「車掌さんの歌……すごくない……!?」という感想が至るところから聞こえてくるほど…
肺いっぱいに空気を吸い込んで発せられるお声とお歌は、会場が地鳴るほどの声量で、ビブラートは私の腹の底が揺れる感覚に陥るほどのもの。
"頭のてっぺんから声を出すイメージ"でなどと言いますが、石井さんの歌声は頭のてっぺんから出た声が天井を突き破ってしまうんではないか!?!?くらいの勢いでした。圧巻すぎました…。
あまりにも感動しすぎて石井さんのことを調べさせていただいたんです…。
アラジンのオリジナル版の歌唱を担当されていらしたとのことでYouTubeを遡りましたところ、ジャスミン役の麻生さんとホールニューワールドを歌っている映像があり、拝見させていただきました。
そのお声はあの頃私が幼少期、それこそVHSのテープが擦り切れるまで見たあの「アラジン」のアラジンとジャスミンがそこにいらっしゃいまして、時を超えて石井さんに再会出来たような感覚があり感動ものでした…
そこからん?待てよと、大変失礼ながらお名前の記憶を辿りましたところ、
2017年「スカーレット・ピンパーネル」
こちらの作品でわたくし、石井ショーブランを拝見しておりました…!!ぇえ!!!?
革命政府の全権大使ショーブラン……
物語上ではいわゆる悪役に分類されてしまうお役どころですから、あまりにもイメージと違いすぎます……
ちょっともうほんとに衝撃がすごいです…
願わくば今一度石井さんのショーブランを拝見したい……
などと思っておりました。
話は戻りまして、
そう言いますと、影山くんもどの国の時代背景でも似合うと思うんです。
私が影山くんにおすすめしたいのは(?)
例えば松竹でも実際上演したことがある(らしい)昭和ロマコメの「蒲田行進曲」少々破天荒だけど人情味溢れる銀ちゃんとかもいいですし、
「無言館」で披露した丸メガネもよく似合うので、詰め襟七三の大正レトロもいいし、
もちろん日本だけでなく海外作品ミュージカルにも挑戦してほしい…。
作品は完全に私の中で「ミーアンドマイガール」と決まっていて( )
とてつもなく簡単にあらすじを説明しますと下町育ちの青年が貴族としての礼儀を学び紳士になっていくという物語(マイフェアレディの男性版のような…)
ただ(直訳:僕と僕の女の子)という邦題で影山くんに相手役がいるのを受け入れられるのかは、、、、、、、話が…別だな……心に毛を…生やさなきゃならん……んぐぬぬぬぬ…むりかもぉぉ…でも絶対似合うゥゥゥウ……ゴゴゴゴゴゴコゴゴゴ…()
とまあ、私も夢に……見ておきます!なんてったって正夢に変えてみせ〜る影山拓也くんなのでっ!!!
初主演ということで計り知れないプレッシャーと、ほんっっっっとーーに真面目だし、すごく疲れたと思うし、寂しがりやの影山くんだから長期公演でホームシックになっちゃっただろうし(かわいい)メンバーに会えない寂しさ(かわいい)もあったと思うし、おうちのベットがいっちゃんイイ!!とか思ってそうなので(かわいい)ゆっくり休んで肩の力を抜いて思う存分椿くんと(椿くんと)ご飯に行ってほしいなとおもいます。椿くんよろしくお願いします。()
千秋楽のカーテンコールでも
「思い入れのある南座さんと御園座さんで…」というお話を何度も何度もされていて、
(トリプルカテコの時も言っていたので、「また言ってる笑」とカンパニーの皆さんも客席もクスクスと笑っていたけど、それだけ思い入れがあるんだねうんうん分かった分かったよぉ(◜ᴗ◝ )という大変愛しいものを思うとっても温かい笑みでした)
ほんっとに嬉しかったんだろうな……。
それはもう私たちファンにとっても、とっても思い入れのある劇場ですから、座長として立つ影山くんをそれはそれはとても誇らしく思いました。
舞台のお稽古たくさんたくさん頑張ってとてもとても練習したのだろうな…
舞台発声や歌声、出会えたひとも、出会えたすべての事柄が宝物だね、影山くん。
でもそれとおんなじくらい私にとっても星列車の舞台は宝物です。
座長として南座、御園座に帰ってきた影山くんは世界で1番かっこよくて、わたしは影山くんのファンになれて本当によかったと改めて思ったわけです。
影山くん、
改めて初単独主演舞台おめでとうございました。
座長として新しい世界を見せてくれて本当にありがとう。
私にとって自慢の推しで最高の誇りです!!
そして、座長を暖かく見守り、同じところを目指して共に歩んでくださった素敵なカンパニーの皆様もありがとうございました!!!
俳優・影山拓也の夢の続きをこれからも一緒に追い続けていきたい!!そう強く思ったのでした。
これが舞台「星列車で行こう」を観劇し、
見つけた、私の新しい夢なのかもしれません。
おしまい
⭐️🚂
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