ハンサムウーマンへの道
箱入りおばさんの自立日記
エピソード6 引っ越し
引っ越し業者さんは不動産さんに紹介され廃業物処理と引っ越しを一度に実施
いらないものは赤いガムテープ
引っ越し荷物はピンクのガムテープ
作業になれたスタッフが
テキパキ テキパキ
息子2人と姉がお手伝いに来てくれてこちらも
テキパキ テキパキ
頼りないおばさんは
頼りになる助っ人に恵まれます
荷物を全部運び出した我が家は
何となく味気なく
古びて見えました。
生活感が失われた入れ物は
何故か虚しく哀愁が漂います。
一階の動物病院にも最後の挨拶
夫が毎日やっていた挨拶を真似します。
夫のセリフは
[今日も一日ありがとうございました。明日も一日よろしくお願いします。]
私のセリフは
[今までずっとありがとうございました。]
夫と同じように深く頭を下げました。
不動産さんの立ち会いを済ませ
いざ新居に出発
夫が他界する前日に[妻をよろしく]と電話をしてくれた不動産屋さんが紹介してくれたマンションは一人暮しには広く、駅チカでちょい背伸びな感じでしたが、
[いいんじゃない]の息子の一言で即決
富士山が見えるベランダで初めての一人暮らしがスタート
母親が出来ない事を把握している兄弟は、棚の組立や照明器具設置、Wi-Fi接続など
こちらもテキパキこなします。
[お母さん 寂しいだろうからネットフリックス契約しとくよ]
よく気がつくね
大黒柱を失った家族にはまだ3本の柱が残っていました。
君達の団結力と優しさに脱帽
夫ロスの母親は
新居に夫の面影を配置
ベッドルームには夫が着ていた臨床着やお気に入りのカーディガン
遺影の前には手術で使うはしんき
玄関には動物病院にいた沢山の招き猫
仏壇には最後のラブレター
枕もとには夫の室内着
あらゆる場所に家族写真
寂しん坊 丸出し
なんだかんだで夫を含め沢山の人達の支援を受けて
新しい生活がスタートしました。