安心して背伸びできる環境を大切にしたい人の話
TL;DR; 3年目も安心して背伸びできる会であり続けるので、みなさまよろしくお願いいたします。
この記事はWe Are JavaScripters!Advent Calendar 2018の一部です。
私はWe Are JavaScripters!というLT会の運営スタッフをしています。この会ははJavaScript初心者を対象として、学んだことや、体験したこと、感じたことを気軽に発信できる場を提供することを目的にしています。もくもく会なども含めて27回イベントを開催していて、この11月で2周年を迎えました。
この記事では、2年コミュニティをやってみて、うまくいっていると私が思っていることと、チャレンジしたいことを2点ずつあげてみようかと思います。
うまくいってること:運営の仲がいい
まず運営の仲がいいっていうのが良いですね。仲がいいっていうのは、頻繁に話してるっていうこともありますけど、それぞれを尊重していて、意見をまず聞くという姿勢を共有できてるっていうのが、とてもありがたいです。
この会には私を含めて3人の運営がいます。別に仕事としてコミュニティイベントを運営しているわけではない3人です。給与や業務上の都合といった強い強制力のない3人が、イベントを企画して運営していくには、やっぱり仲がよくないとやっていけません。
仲違いのリスク要因はいたるところに存在します。大きなリスクは
「私のことが大切にされていない」
と誰かが思うことにあると思ってます。
「私の意見にただ乗りされた」
っていうのもリスクです。前者は意見を聞いてもらえない時に抱きがちで、後者は意見を持ってない人に脚光が当たった時に抱きがちな感情です。
意見を持ちつつ、人の意見を聞くというのはなかなか難しいって思います。そのあたりのバランス感覚を持った人たちと一緒にやれていて、本当に助かっています。ありがたい、ありがたい。いつも会の準備をしたり、終わった後に議論をするたびに感謝しています。
うまくいってること:新規も常連もいる会になってる
会の趣旨は「初心者が安心して情報共有できる場を提供すること」です。そのため参加者、特に発表者に初心者が一定数いることが大切だと思っています。そのためにいろいろなことを試しました。
・発表枠に初心者枠を設けた
・JavaScript初心者をターゲットとした会を3ヶ月に1回開催した
・イベントの参加者数を大きくしようとしない
・発表者を抽選で選ぶようにした
このあたりはうまくいっていて、いままでのところ毎回初心者の方に多く参加いただいています。
一方、会として成立するには、発表を聞いて刺激を得て帰ってもらうことも大切です。そこを、よく発表していただいている常連の方々に助けていただいています。テクニカルで深い話題を、簡潔で、わかりやすく、楽しく聴けるように話していただいていています。本当にありがたいことです。
チャレンジ:JS初心者にもっと楽しんでもらいたい
「初心者向けって聞いてたけど、内容が難しかったー」
っていうtweetを見かけるようになりました。良い刺激を受けたといった趣旨のものが多いのが幸いではありますが、気になっています。
「初心者の私が行っても、強い人ばっかりでついてけなさそうだから、いくのやめよう」
そうなってしまっては、この会をやっている意味がありません。
そもそも難しいっていうのは、解釈が難しい感想ですよね。内容が本当に難しい時もありますし、内容に暗黙の前提が多すぎる場合もあります。その議論の必要性を共有(もしくは共感)できない場合もありますし、興味ないの婉曲表現の場合もあります。ゾーニングすることが、ベストの解決策ではないのでしょう。
どうやったら(字義通りに)内容が難しくても楽しんで帰ってもらえるのか。今はまだ解も仮説もありませんが、いろいろ試して、良い体験を提供できれば良いなと思ってます。
チャレンジ:次のステップについて考えたい
知見を共有するという第一歩を踏み出す手助けをするって言うのは、2年でそれなりの成果は出ているのかなと思っています。参加者も増え、第一歩を踏み出した人たちもたくさんいます。
そんな中、その次のステップについても少しずつ考えていけたらなと思っています。具体的には次の2つについてです。
・登壇の機会がなかなか巡ってこない問題
・LTに慣れた人が背伸びする場
特に後者については何か試験的にやれたらなと思っています。たとえば15分程度のショートセッションの会をするとか。
「○○は、もうすこし時間をかけて、詳しく聞きたかったー」
という感想をしばしばいただきます。LTよりも長めのトークをする会を、試験的にやってみてもいいのかもしれません。
前者はなかなか複雑な問題(high complexitity)です。枠のあるLT会という形式を取っているので、枠に対して応募者が多いと、どうしても落選するのが普通になってしまいます。勇気を出して第一歩を踏み出そうとしたのに、落選が続くと、その勇気はしぼんでしまうものだと思ってます。
会の頻度を上げることが単純な解決策でしょう。でも持続可能性という点が問題になります。運営も人間なので、時が経てば、人生のステージも進みます。コミュニティにかけられる時間は簡単に減っていきます。そんな制約の中で、できるだけ長くこの会を続けていくにはどうすれば良いか考えていきたいと思っています。
まとめ
私はこの会を「安心して背伸びができる会である」と思っています。それは運営にも当てはめてみよう、というのが3年目への思いです。少しずつ背伸びをして、いい会にしてきたいと思っていますので、皆様よろしくお願いいたします。