近頃お気に入り映画〜才能を信じた人たち
ずいぶん前から、映画が面白く感じなくなっていた。ちょっとでも時間が空けば近くに劇場がないかと探してひとりでぶらっと観に行ったし、家でも常にレンタルしたDVDが置いてあった。なんだか楽しみが奪われた気分だった。といっても、それはわたしの嗜好が変化したのであって、映画のせいではないのだろうけど…。
まあ、それはいいとして、いずれにしても、しばらく映画から遠ざかる月日が続いていたわけで、しかし最近は、ネット配信という便利なツールができたおかげで、再び映画を観る機会が増えた。このシステムは基本料金を支払えば無料で観れる映画もあるし、低料金で気軽に観れるし、視聴者にとってはありがたい。
そのため今までだったら決してお金を払ってまで観ることのなかった恋愛ドラマなんかも、観てみようかという気になって、観れば意外と良い作品があるんだなと、食わず嫌いを解消したりできたのだった。
わたしが映画から遠ざかった理由は、おそらく大々的に宣伝しているハリウッド映画の質が落ちたからだと思う。アクション映画といえば、カーチェイスで高級車を横転させ、街を爆破し、破壊と銃声の爆音が鳴り響くだけだし、ヒューマンドラマなどは、一見、愛と優しさに満ちているか思わせて、深みも中味もないので何も心に残らない。
しかし映画というのは、世界各国で無数に制作されていて、今まではハリウッド映画の陰に隠れて、観る機会が限られていただけだった。今こうして選択肢が増大したのは、ネット時代の恩恵だろう。
もともとわたしは、実話にもとづいて制作された映画が好きだった。本もそれなりに読むけれど、小説はほとんど読まない。「事実は小説より奇なり」とも言うように、実際の出来事の方が同じ奇跡にしても、心に響くのである。制作側が意図的に仕組んだストーリーには、どうしても嘘っぽい臭いがつきまとう。そういうのは大抵、ありもしない恐怖感を与えていたり、逆に偽善的な幸福感を抱かせたりする。映画となれば、それなりに脚色はされるだろうが、それでも辻褄の合わない違和感が少ないぶん、心落ち着けて観ることができるのである。
そんなことで最近よく観ていたものも、実話にもとづく映画ばかりだった。そのいくつかの予告編動画をご紹介。これらの映画には、実話にもとづいているという他にも共通点がある。どのストーリーも、人の才能や能力を信じていること、そしてそれを支援する周囲の人々の愛があること―。
アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール
2017年製作/イタリア
映画を観ると、あの”Con Te Partirò”が、もっと深く聴けるハートになっているはず。
ガリーボーイ
2019年製作/インド
ラップなど興味がなかったワタシでも最後はテンションあがってしまう。インドの俳優さんたちの演技が逸品!登場するすべてのキャラクターが愛すべき人たち。「人間っていいな~♪」という感じ。
博士と狂人
2019年製作/イギリス・アイルランド・フランス・アイスランド合作
イギリス人が英語という言語をどう捉えているのかが分かる。その辺は、「意味が通じればOK」という移民国家の米国とはだいぶ違うだろう。振り返って日本語についてもいろいろ考えさせられた。映画の概要を気にもせず観たら、お粗末なことに最後までメル・ギブソンとショーン・ペンだということに気づかなかった。「どこかで会ったことあるような懐かしい顔~」なんて思いながら。(笑)
人生、ここにあり!
2008年製作/イタリア
この時代、最終的にはこの試みは成功しなかったとのことだけど、今あらためて、障害者というレッテルを貼られている人たちを見直すべき時ではないかと考えさせられる。イタリアの陽気さがイイね。
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