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#77 バンクショットの持論と考察②(後編)

考察②の後編です。

※前編となる#75はコチラ
※ちょっと言い訳の独り言#76はコチラ

★目次★

①バンクショットもクッション系、だから先球のスピードが合っていることが第一。

②先球に生じるスピン(特に横回転)の影響を考慮する必要がある。そしてスピンを活用すれば色々な狙いができる。

③バンクにもシステムがあるが、システムに乗せるためにはシステムに合った撞き方が必要。

④鋭角(クッションに対してより垂直に近い)のバンクと、鈍角(クッションに対してより平行に近い)のバンクにおける、スピンやクッション反発の影響の差とは。

⑤縦バンクは何故難しいのか?鋭角と鈍角のバンクは?それは数学的に明らかである。

⑥ショット後の手球がイメージできない・手球コントロールを伴わないバンクショットを撞くのはちょい勿体ない。

⑦手球コントロールという要素を考えると、時に直接ポケットよりバンクショットの方がイージーになる場面が存在する。


こちらは本当に②の続き・・・

(※注1)あくまで狙い方の大まかなイメージや方法論の説明であり、実際にはスピード・捻り量・厚みの変化量・コンディション差等の考慮は当然に必要となる。
(※注2)全く傷が無くワックスでツルツル(限りなく摩擦係数0)なボールを使用すれば、以下の話はほとんど意味をなさない可能性もある(厚みに対する現象が単純なボールが移動する運動のベクトル分離だけになってしまうから)・・・

1.「実は厚みはどちらにも振れる」

先ず下の図を見てほしい。

図1:3パターン全て同じイメージボールに当てているが・・・

同じイメージボールに当てているから結果同じ入り方をする(黒線のように)・・・と思ってはいませんか?
図のパターンにおける「A(普通のバンク?※このバンクの呼び名が分からない)」と「B(腹切りバンク)」は
「真っすぐ当てたバンク」と同じ結果になるとは限らないし、AとBも全く意味が違うし結果が同じになるとは限らない、全て別物のバンクショットである。(※だからシステムはある意味不十分だという話も含んでいるが、この点はまた③の記事の中で書きます)

図2:実際は的球へ与える回転の影響(場合によってはスローによるコース変化も)により、「A」は短く(赤線)「B」は長く(青線)のように外れる可能性が高い。

逆に言えば・・・
真っすぐでちょうど入る配置のバンクショットでも、次の図の様に狙いに変化を付けることも可能、というわけである。

図3:的球の回転の影響分を考慮して、「A」「B」ともに厚みの見方としては「薄目」に当てる形になる。「A」はクッションで角度が詰まって走り(赤線)「B」クッションで角度が広がってはする(青線)イメージで狙えるはずである。※図はイメージとして明確にする為、やや大袈裟にズラして描いてある。(実際はもう少し細かい厚みやコースの差だと考えている)


2.「捻りで合わせる」

さきほどのパターンで今度は同じイメージボールに当てても入れられるようにする。

図4:当てる厚み(イメージボール)は「A」「B」ともに同じである。ここでは的球の回転やスローの影響分を考慮して、いわゆる通常のシュートにおける厚みに対する「順捻り」を入れることで、的球の回転やコースに誤差をできるだけ出さないような狙い方となる。


3.「腹切りバンク」

腹切りバンクは基本的に「コースが伸びる(広がる)」系統のバンクだと考えて狙った方が良い。(もちろん伸ばさないショットにもできる)
※横バンクと縦バンクはコース変化の影響が「2倍」変わってしまう点には注意したい。

図5:上図の縦(コーナー)バンクと横(サイド)バンクで「手球・的球・クッションの位置関係が同じ」であったとする。仮に横バンクで入る狙いが「クッション0.5P」だとしたら、同じ狙いのショットとなるのは縦バンクで「クッション1.0P」である。
※クッションから跳ね返った角度が付いた的球のラインが、縦バンクの長さ:横バンクの長さ=2:1だから、当然に到達点(ポケット)までに開く量も2倍になる。


4.「手球と的球が近くなってしまったら」

厚みに真っすぐ撞いたら2度撞きするか、必要な加減で撞けなさそう・・・

図6:手球と的球が近い全厚で入りそうな配置だが・・・

これはバンクに限らず近い球に対するショット技術として多くのプレーヤーは知っているものかもだが、「捻りを撞くことでキュー先が撞点側へ抜ける」動きを利用して「手球が存在するコースからキューを逃がす」方法が活用できる可能性がある。

下の図7で説明すると
☆左図☆
①撞点:右 によりショット後のキュー先も右側へ逃げる(橙線)
②手球は全厚より左の厚みへ当てる よって分離コースも左方向(黄線)
③的球は全厚のコースより右方向へ走る(赤線)
④ポケットへのコースからは広がっているが、手球から的球へ「左回転(クッションに対して逆)」を与えるのでクッションの跳ね返りが詰まり、ポケット方向にコースが修正される。
☆右図☆
①撞点:左 によりショット後のキュー先も左側へ逃げる(橙線)
②手球は全厚より右の厚みへ当てる よって分離コースも右方向(黄線)
③的球は全厚のコースより左方向へ走る(青線)
④ポケットへのコースからは狭まっているが、手球から的球へ「右回転(クッションに対して順)」を与えるのでクッションの跳ね返りが伸び、ポケット方向にコースが修正される。

図7:捻りを使うことで的球の厚みと回転に変化を与えながら同時にキュー先を2度撞きとなりにくい方向へ逃がすショット選択


5.「的球が2個くっ付いていたら」

これは「タッチ球のスローやもらい捻り」を考えよう!知識と撞き方ひとつでほぼ「即死」にもなるし、逆に「全く無い球」にもなってしまう。
※並びが「ポケットの方向ぴったり」なら、捻り無しの全厚で行ってみよう!

図8:8番9番の並びどおりのコース(黒線)がポケットのコースから外れているタッチ球は、手球と8番の厚みに変化を付け9番に対して「スロー」「もらい捻り」を与えるように狙う。
※当て方・スピード・走る距離・コンディション等で想像以上にコースに変化が発生する。上記は厚みのみで説明しているが、手球の捻りも使うことで更に細かい変化を与えることができる。


6.「コンビバンク」

的球同士の衝突によるスロー・もらい捻りの影響が特に大きいと推測している。(手球が第1的球に与えた影響が、第2的球への距離が遠いほど残らず第2的球へ影響を与えにくいと考えられるから)
単純なコースどおりの厚みよりも、当てる方向(第2的球にどのようなスローや捻りを与えたいか)やスピードを意識した方が成功するイメージがある。

第2的球が直接ポケットする通常のコンビと違い、1回クッションを介するショットとなる以上は、クッション跳ね返り時の変化・影響の割合がかなり大きくなってくる。
厚み選択と精度はもちろん重要ではあるが、同時に「クッションからどのように変化するのか?」というイメージが明確かつその動きを意図して作っていくような狙い方が等しく重要になってくると考えている。

図9:コンビバンクの配置イメージ①
図10:コンビバンクの配置イメージ②



まだまだ色々パターンあるのですが
目次⑥・⑦の記事でもお話するので一旦これくらいで・・・


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