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#78 バンクショットの持論と考察③

前回までのバンクショット記事・・・
※考察①#74はコチラ
※考察②-前編#75はコチラ
※考察②-後編#77はコチラ

★目次★

①バンクショットもクッション系、だから先球のスピードが合っていることが第一。

②先球に生じるスピン(特に横回転)の影響を考慮する必要がある。そしてスピンを活用すれば色々な狙いができる。

③バンクにもシステムがあるが、システムに乗せるためにはシステムに合った撞き方が必要。

④鋭角(クッションに対してより垂直に近い)のバンクと、鈍角(クッションに対してより平行に近い)のバンクにおける、スピンやクッション反発の影響の差とは。

⑤縦バンクは何故難しいのか?鋭角と鈍角のバンクは?それは数学的に明らかである。

⑥ショット後の手球がイメージできない・手球コントロールを伴わないバンクショットを撞くのはちょい勿体ない。

⑦手球コントロールという要素を考えると、時に直接ポケットよりバンクショットの方がイージーになる場面が存在する。


今回は目次の③・・・

「バンクシステム」とは

図1:一般的に知られるバンクシステム

的球がクッションへ向かうライン(ポイントで見る・青数字)と、的球が入るクッションの位置(ポイントで見る・赤数字)の数字が一致するように狙うとポケットする、というものである。おそらく、撞き方も「撞点:中心 力加減:やや強め」とかではないだろうか。

このシステム・・・
数学的(図形的)には入射角(青線とクッション)と反射角(赤線とクッション)は一致しない想定の形である。(※クッションで反射角が詰まるイメージ)
⇒例えば「青16」から入反射角が一致する形になるなら、「赤20」のポイントからクッション面へ垂線を下した位置(ポイントで言えば「赤18~19」位だろうか)が、概ね入反射角が一致する狙いになると思われる。

また、青数字を「手球の位置」と表現する形での説明もあることから、上記で「的球がクッションへ向かうライン」と書いたものは、正確には「手球と的球を結んだライン(真っすぐ・全厚)」が前提なのだと思われる。

◎「クッションでの反射角の詰まり」とは・・・
「クッション面に対して垂直に向かう力×クッションの反発係数」により「反射後にクッションから垂直方向に離れる力」と、「クッション面に対して水平に動く力×摩擦力」により「反射後に摩擦相殺(減少)されたクッション面から水平方向に動く力」を合成した力のベクトル(反射後)が、入射前の力のベクトルに対してより「クッション面に対して垂直寄りに変化して向かう」現象の事である。(説明が分かりにくい!←この辺の前提条件に関する情報いずれより詳細かつ分かり易く記事にしたいと思っている。というのが#76の言い訳・・・)

ちょっと話が長くなったが、要するに「システムどおりに撞く」という事をこのバンクの例で言うとするならば・・・
①手球と的球が狙いのシステム値ラインに完全に真っすぐに並んでいて
②手球と的球が完全に真っすぐ当てられて(ずれたら的球に何らかの回転やスローが入るかもしれないから)
③クッションコンディションに対するショットスピードが合っていて常時同じように撞ける

等々のかなり「限定的な条件でのみ成立」する訳である。(もちろんポケット幅は最大2個分程度の許容範囲が存在するから、僅かな誤差は受けるのだろうが)

こんなに限定的でなければ狙えないシュート(バンク)、使えるシチュエーションって下手すれば1日に1球も無い可能性すらありませんか?

更に、上記で「手球・的球が真っすぐで・・・」と書いたのは、#75で書いた内容(次の図2~4)による的球の挙動への影響があるから、このシステムを説明するときには「手球・的球がシステムの狙いラインに対して真っすぐでない時は成立しない」って事も追記してくれていないと不完全(というかむしろ誤認を生じる)な話となってしまう可能性があるのです!

図2:手球・的球が真っすぐでないA・Bの振りが付いていると・・・
図3:真っすぐと同じイメージボールに当ててもコースが変わる可能性があるから・・・
図4:その分の補正を掛ける必要がありますよ!という話

であるならばいっその事・・・
ポイントの数字なんて覚えずに、
・常に入反射角が一致する(二等辺三角形)となるクッション面狙いで
・手球・的球が
真っすぐ:少し順ひねり
振り有り:順ひねり多
腹切り:捻り無し
で撞いたとしてやはり入るのであれば、コレでもある意味システム(振りとひねり量での)として機能するのでは?とも思うのです・・・

図5:入射角(青線ークッション)と反射角(赤線ークッション)が等しい、の方が、ビリヤードだけのシステムと違い、よくある基本的思考パターンだから直感的に狙い易いのでは?


別に「システム否定」の推奨ではないですよ!
「システムに固執」する事で、汎用性・レパートリが失われることもあるよね、というお話です。(要は、システムもシステム外も柔軟に活用するのが良いのでは?というご提案)


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