社会をつくる力を育てる授業づくり⑰ 4年生の授業づくり
社会をつくる力を育てる授業づくりの話も、4年生に入りました。
4年生の社会科では、3年生より対象範囲が広がり、都道府県の学習がメインになります。
(1)の知識目標にあるように、4年生では、
①都道府県の地理的環境の特色
②健康と生活環境を支える働き
③自然災害から地域の安全を守る諸活動
④地域の伝統と文化や地域の発展に尽くした先人の働き
について学ぶこととされています。
学ぶ際に、人々の生活との関連を踏まえて理解すると書かれています。
つまり、それぞれの学習において、地域の人々がどのように関わっているのかを取り上げて調べていく、ということです。
調べていく際に、誰が、何をやっているか、という視点を持っていこうということだと思います。
(1)の技能目標においては、調査活動、地図帳や各種の具体的資料を通して調べるとあります。
調査活動は、プロジェクト型の学習において重要な学習になると思います。
文献を調べるだけでなく、実際に関わっている人に話を聞いたり、現地で調査したりすることです。
(2)の思考目標においては、社会に見られる課題を把握するとあります。
例えば、節水や節電、ごみの減量や水を汚さない工夫、自然災害に対する日頃からの備え、伝統や文化の保護・継承などに関して、地域や社会における課題を見いだすと例示されています。
人々の生活に直結する節水や節電、ごみの減量、水を汚さない工夫、自然災害に対する日頃からの備えについては、プロジェクト型で進めやすいところかと思います。
伝統や文化の保護・継承については、普段の生活ではなじみが薄いところかと思いますが、3年生の市の移り変わりの学習と同様、古くからあるものに焦点をあて、大切に守っていくためにどうするか、という視点でプロジェクト型の学習をつくることができると思います。
(3)の学びに向かう力については、よりよい社会を考えることや、学習したことを生活や地域の発展に生かすことを目標としています。
プロジェクト型の学習を通して、地域を発展させていこうという気持ちを大きくしていければと思います。
そのためには、地域のことをとことん学習し、愛着がわくようにしていかなければなりません。
押し付けにならずに、自然とそのような気持ちにさせるには、自分たちの力でじっくり調べていくことが必要です。
次回からは、それぞれの内容について書いていきたいと思います。