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社会をつくる力を育てる授業づくり64 憲法プロジェクト〈1〉

6年生の第1単元について書いていきます。

(1) 我が国の政治の働きについて,学習の問題を追究・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。  
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。   
(ア)日本国憲法は国家の理想,天皇の地位,国民としての権利及び義務な ど国家や国民生活の基本を定めていることや,現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを理解するとともに,立法,行政,司法の三権がそれぞれの役割を果たしていることを理解すること。
(ウ)見学・調査したり各種の資料で調べたりして,まとめること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。   
(ア)日本国憲法の基本的な考え方に着目して,我が国の民主政治を捉え, 日本国憲法が国民生活に果たす役割や,国会,内閣,裁判所と国民との関わりを考え,表現すること。

(内容の取扱い)
(1) 内容の (1) については,次のとおり取り扱うものとする。  
ア アの(ア)については,国会などの議会政治や選挙の意味,国会と内閣と裁判所の三権相互の関連,裁判員制度や租税の役割などについて扱うこと。 その際,イのアに関わって,国民としての政治への関わり方について多角的に考えて,自分の考えをまとめることができるよう配慮すること。 イ アの(ア)の「天皇の地位」については,日本国憲法に定める天皇の国事に関する行為など児童に理解しやすい事項を取り上げ,歴史に関する学習との関連も図りながら,天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにする こと。また,「国民としての権利及び義務」については,参政権,納税の 義務などを取り上げること。
エ イの(ア)の「国会」について,国民との関わりを指導する際には,各々の国民の祝日に関心をもち,我が国の社会や文化における意義を考えることができるよう配慮すること。

文部科学省(2017)小学校学習指導要領

引用が長くなってしまいましたが、内容は多岐にわたります。

日本国憲法についての学習ですので、その中に定められている国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という三つの柱であったり、天皇についての理解や、国民の権利と義務、三権分立の考え方など、抽象的な内容も多く学習することになります。

これを一つ一つ理解させるようにすると考えると、一問一答の暗記型社会科に陥ってしまう可能性があります。

そこで、いくつかプロジェクト型の学習として考えられることを書いてみます。

国民主権であれば、選挙が大きなキーワードになりますので、選挙を実際にやってみるとか、選挙の投票率をアップするためのプロジェクトが考えられます。

基本的人権の尊重であれば、その中に生存権や環境権、表現の自由など、様々な形の人権が関わってくるので、それらを具現化する政策をつくるプロジェクトを考えていくのはどうでしょうか。

国民の権利と義務では、納税の義務に関わって、税金の使い道を考えるプロジェクトというのも面白いかもしれません。

三権分立では、模擬国会をやってみるプロジェクトや、裁判員裁判を体験してみるプロジェクトが考えられます。

いずれも、ただ体験するのではなく、解決すべき課題を設定して、そのための国会であったり、裁判員裁判にしたりする必要があります。

このように、多岐にわたるプロジェクトが考えられるのですが、全部を行うには時数が足りないです。

そこで、今回は、基本的人権の尊重をテーマにしたプロジェクトを考えてみます。

次回の記事で、プロジェクトの詳細を書いていきます。

ご参考になれば幸いです。



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