社会をつくる力を育てる授業づくり56 未来の世界を考えるプロジェクト〈2〉
未来の世界を考えるプロジェクトです。
現在は、Society5.0の世界に向かっています。
狩猟、農耕、工業、情報と進化してきた社会が、次に向かう未来社会として内閣府が第5期科学技術基本計画で提唱した社会がSociety5.0です。
現実空間との情報のやり取りに限られていたSociety4.0の社会から、情報をサイバー空間においてその中でAIを用いた解析を行うことで、より多くの課題の解決と、経済発展の両方を目指した社会がSociety5.0の社会です。
課題発見の場面では、このような未来社会を見せたうえで、これまで社会がどのように進化してきたのかを考えるようにします。
買い物を例にとると、初めは直接のやり取りによって買い物をしていたのが、テレビやラジオの普及によりはなれたところでも買い物ができるようになり、インターネットの普及によりネットショッピングは加速的に広まりました。
AIの時代においては、AIによって管理された在庫で、家の中で足りないものも自動的に補充してもらうなど、人間が考えるべきことと、そうでないことが少しずつ変化してきています。
こうした中で、インターネットショッピングの草分け的存在であり、今も多くの人が利用しているAmazonという会社を例にとり、情報を活用した販売・運輸業の在り方について学習することで、未来社会を考えるプロジェクトのきっかけとしたいと思います。
課題追究の場面では、Amazonの荷物が翌日には届く仕組みを追究していきます。
Amazonのウェブサイトには、自社の倉庫の様子など、Amazonの荷物が届くまでの様子が写真付きでまとめられています。
こうしたサイトの情報なども活用しながら、Amazonが情報をどのように生かして活動を行っているのかを追究していきます。
提案・参加の場面では、Amazonについて学習してことを生かして、今後の企業の在り方を構想していきます。
現実の企業で今作られている製品やサービスが、どのように変化していくと良いのかを考えるわけです。
例えば、自動車工業について学習した後で、未来の車について構想することがあると思いますが、それと同じように、情報を使ってどのようなことができるのかを構想してもらいます。
構想することは、大人よりも子供の方が得意かもしれません。
子供の柔軟な頭で、これまでになかったものを創り上げていきます。
イノベーションとは、新しいものをゼロからつくるのではなく、既存のものを組み合わせて新たなものを創造するのです。
子供らしい、でも斬新なアイディアが出るプロジェクトが出てくることを期待しています。
このような形でプロジェクトを進めるのはいかがでしょうか。
ご参考になれば幸いです。