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それぞれのお正月
年末が近づくにしたがって、仕事もまぁ、あとは年明けで。続きは来年など少しずつ日々の緊張もほぐれて休みモードから休みへと移っていく。そして年が明け、お祝いムードと昨日までの去年が、1日を経るだけでなぜか懐かしく感じてしまう。
お正月。
言葉にしてみると、シンプルで晴れやかな印象だが、実際は様々なお正月があると思う。
うちのお正月は、日本の正月にありがちなお正月で、年末、年が明けるまでは、バタバタと年内の仕事を納め、友人たちと忘年会をしたりと、いよいよ今年も終わるなと感じながら、過ごし、年が明けると友人たちとは少し距離を置いて、実家で家族や兄弟たちと過ごすお正月、というと伝わるだろうか。
そんなお正月である。
年末、毎年恒例の忘年会、お餅つき、大掃除などを経て大晦日を迎える。
お正月は、年が明けると共に終わってしまうが如く、記憶がない。
記憶がないので好きか嫌いかもいまいち分からないのだけど、年末の空気感はとても好きなものである。
人々が色々なことにかたをつけて、または色々なことを先回しにしていくあの感じがすごく心地よく感じるからだと思う。
年が明ける、明けないは、暦上1日月日が進むだけなのだが、この日ばかりは年も進む。
ただそれだけなのに、大晦日まであった空気感が確実になくなり、凛とした空気が元旦にはあるように感じる。
年末まではお正月が待ち遠しく、お酒や馳走も買い込んで心高ぶり過ごすのだけど、三が日が終わる頃にはすっかりお正月には飽きてしまう。今頃、みんなはどう過ごしているのか?
などと思いにふけ、連絡することもなく、ただただ思ってみる。
あの人に会いたいなぁ、あいつはどうしてるかなぁと、思いながら、お正月早々に連絡するのも何かと思い。それぞれのお正月を思いながら過ごしている。
そんな中、運動がてら出かける初詣、その後、時間の合間を埋めるように立ち寄る公園、1日の終わりの早さを感じながら見る夕焼け、などは嫌いではない。お正月でなくても日常的に溢れる風景なのかもしれないけれど、お正月という普段とは少し違う角度から見て感じるがゆえ、そう思うのだろうか。
何も特別なことは起きない静かな時間。
一人で過ごす、家族と過ごす、友人と過ごす、仕事と過ごす、過ごしかたは様々かもしれないけれど、いつもの風景を少し違って見えるのかもしれない。
そんなお正月も、もう終わろうとしている。