ドイツ語が話せず、お釣りを騙し取られた話
これは、日本からドイツへ引っ越した直後、ドイツ語がまだ話せなかった筆者の体験談。
事件の概要
初めてのドイツ生活で、目に映るもの全てが新鮮だったあの頃。ドイツ人の旦那は仕事へ行っていたので、緊張しながら一人で買い物へ行った。
せっかくドイツへ来たのだから、ドイツ語を学ぼうと思い、書店でドイツ語のテキストを買った。
ユーロでの支払いにも慣れていなかったので、もたつきながら、レジの店員へ紙幣を渡した。どこか違和感を感じたが、お釣りを受け取り、帰宅。
家に帰ると緊張が解け、昼食を取りながら家計簿をつけていると、あることに気づいた。
金額が合わない。
書店での買い物前の金額をメモしてあるので、明らかにお釣りが足りない…。
騙されたんだ…。
悔しいけど、どうしよう…
ドイツ語を話せないと分かってて、お釣りを誤魔化すなんて。
あり得ないし、許せない!
…でも、どうしよう。
旦那の終業時刻が本屋の閉店時刻と同じだった。本一冊のために呼び出すのは申し訳ないし…。
ドイツ語初級の自分には、この状況をドイツ語で説明するのは難しい。
そもそも、お釣りを受け取り、財布に入れた時点で間違いを証明できないから、話せてもお金は返ってこないかもしれない。
ただ、閉店時にレジは締めるだろうし、すぐに行かないと、同じ店員がまだ居るとも限らない。
悔しくて、許せないなら、行くしかない!
いざ出陣!
再び書店へ行くと、お釣りを誤魔化した店員は見当たらなかった。
そこで、店内を回り、英語が話せる店員はいないか尋ねると…いた!奥から出てきた。
状況を説明すると、その人は親身になって聞いてくれた。そこで、着ていた服や髪型を伝えると、一緒に店内を回り、探してくれた。あの店員は、事件現場を離れ、別の売り場に居た。
読みは当たった
筆者の顔を見た瞬間に、彼女の顔がみるみる赤くなっていった。やはり確信犯だった。
会計時に騙し取った金額の紙幣をレジから取り出し、震える手で筆者に渡してきた。半泣き状態。どうやら英語を話せた店員は上司だったようだ。
その後、彼女がどうなったかは知らない。
まとめ
ドイツ語初級レベル。大抵の人は初心者にやさしく応援をしてくれるが、まだ話せないという弱みに漬け込んで悪さをしてくる人は、残念ながら一定数存在する。
許せない、あり得ない状況が起こった時には、落ち着いてから、しっかりと相手を見極め、対応しなければならない。
もし、今回のように、ドイツ国内に店舗を置く大型チェーン店でなければ、筆者も泣き寝入りしていたかもしれない。
山あり谷ありのドイツ生活。悔しさをバネにドイツ語力のさらなる向上を目指し続けたい。