【彼になった彼女】16話 彼女の弟

僕の名前はユウ
普通の大学生で、普通の一般家庭
ただ普通と違うのは、早くに姉を亡くした事・・・

人生はこれからで、姉ちゃんは結婚して幸せになる予定だった
そして、結婚式の日に両親や僕宛に手紙を読んでくれて、きっと僕は泣くんだ
そう思ってた・・・

久しぶりに夢に姉ちゃんが出てこなかった
姉ちゃんが死んでからヒロキ君と久しぶりにちゃんと話した気がする
昨日のことを思い出す
大の男が、すがるように泣いてしまって恥ずかしい

家では姉ちゃん事は話せなかった
姉ちゃんを忘れたくなかったから、本当は話したかった
姉ちゃんの好きな食べ物の話とか、好きなテレビとか、趣味とかいろいろ
話しちゃいけない、みたいな空気
話すと両親を悲しませてしまいそうで言えなかった
だから、自分の気持ちが溜まっていった

でも昨日、自分の気持ちが爆発してしまいヒロキ君にいっぱい、いっぱい話して、
それで、わかってくれる人がいて安心したのか、ぐっすり眠れた

まだ寝ていたい身体を起こし学校へ向かう準備をする
ヒロキ君はどこだろうと探すと
ベランダにいた

穏やかに悲しそうにでも幸せそうにそんな顔をしていた
それを見て、なぜか僕はおいて行かれそうに思えて
ユ「待って!おいていかないで!」
僕の大切な人が、また一人いなくなるのではないかと思ってしまい、
そう言ってヒロキ君の手を掴んだ

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