【彼になった彼女】26話 彼女がくれたもの

彼女と結婚式を挙げたかった
一緒に住んで、喧嘩したり、笑ったり、泣いたり怒ったり
子供が生まれて、反抗期が来たり、孫できたり、一緒に年取って…
そんな当たり前な事のすべてを彼女とずっと一緒に過ごしたかった

彼女がくれたのはそんな当たり前のものではなく
彼女がくれたのは、彼だった
きっと彼に会うのは俺にとって必要な事だったんだと思う

彼女を忘れることは決してできなくて
このポッカリとした穴を埋めることもできなくて
それでも、彼女が好いてくれていた俺でいるために
この場所でしっかり生きていこう
彼になった彼女に会ってそう思えることができた

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