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言葉の奴隷からどう解放されるか〜Agileの世界で女性のリーダーを増やしたい

このエントリは、Reginal Scrum Gathering Tokyo 2022(以下RSGT2022)アドヴェントカレンダー24日目の記事になります。

Women in Agile とは?

Women in Agileは、アジャイルコミュニティでの女性の活動を支援する非営利組織で、ブログや講演での発信活動や、支援者ネットワークの構築を促進します。

世界で同じ理念で活動しているグループは60以上。さまざまな国や文化的背景などもあるため活動方法や内容は各グループに一任されています。

多様性を活かしながらこれまでの境界線を蹴破り、1チームでコトを成していくAgileの考え方や態度は、現在女性の活躍が長らく社会課題の一つとして叫ばれているここ日本でも、新しい視点をもたらしてくれるのではないか、と思い日本グループを立ち上げました。

#なぜWomenなのか、など色々な考えはあると思いますし、私たち自身も色々なディスカッションをしながらここにいます。詳しくはJapanメンバーのこちらのポストもぜひご覧ください
Women in Agile Japan Region 発足。Women in Agileに対する私の想い
私が思う、女性活躍のこれまでとこれから。

#日本にもたくさんのプログラム、分析調査、支援団体などがある中で今から私たちがやる意義は?どんなコトだったら自分たちも、みんなも、社会もハッピーか。ゆっくりじわじわと考えながら仲間を増やしています。(仲間はいつでも募集中!!)

さて、日本の外ではどのようなことが話されているのか?ということで
今年の3月に開催されたAgile Testing Days2021の中での一つのセッションを取り上げ、そこで話された内容と気づき(#)を共有したいと思います。


異なる時代と文化の中で、アジャイルにおける女性の役割
Virtual Panel Discussion – The Role of Women in Agile in different Times and Cultures

登壇者について(敬称略)
アジャイル開発を推進する中でのテストやQuality Engineeringの世界ではおなじみ、Janet Gregoryがモデレーターとなり、Johanna Rothman(いみじくもRSGT2022のキーノートスピーカーですね!),Faiza Yousuf,Claudia Badell,Alex Schladebeckの4名のグローバルリーダーの方々がそれぞれの経験や立場から、より多くの女性がリーダーになっていくには?をテーマに語っています。

#まず女性のエンジニアでここまでの大先輩がパワフルに語っているのが(いい意味で)驚きなのと、本当に多様性に富んだメンバーであることがすでに素晴らしい

さて、話されていたことですが、
どうやってリーダーになったか、どのようなチャレンジがあったか、どのような支援があったか・・などを語る中で、「自分の存在」と向き合ってきたAlexの経験談を紹介します

自分は何者なのか?を見つける旅

私は何者なのか?本質はどこなのか。どこにいても、他の人と違う言語で話していても、人と違うことをしていても、自分自身でいるためにどうすればいいか。そこが本当に苦しかった。
どのように行動したら、どのように表現したら、相手からどのように反応が来るのか。この検証の考え方と行動を通じて自分自身についても色々気づきを得ることができた
Alex Schladebeck

Alexはたくさんの国で生活をした経験から、そんなことを話していました。
#海外って「Authentic」っていう言葉がよく出てくるのが印象的。日本ではあまり聞かない言葉。
会話の中で他のスピーカーでは、
ほとんどの人々の行動は、価値観を反映されたものだということを理解すること。表現をまずはしてみること。失敗を恐れないで、他の人と話してみること。コミュニケーションはコラボレーションを生み出すことができる。他の人に共感して、学び合うこと。
ーーというような話が展開されていました。


もう一つ。話の後半の方であった、「女性がリーダーになる環境や挑戦をしていく環境についてどのような変化を感じるか?」という質問に対してJohanna ユーモアを交えて語っていた場面が興味深かったので共有します。

無頓着さは助けになる

my obliviousness has helped me tremendously and I think that one of the great things I have seen is that I don’t have to be quite as oblivious to idiocy any more
--(私がその質問に答えるのに適しているかはわからない、なぜならhofstedeでいう男性性のような部分が強いから、と前置きがあった上で)
無頓着でいることは、すごく助けになるわよ。それとこれまで遭遇した素晴らしい出来事としては、愚かなことには無頓着でいる必要はないといういこと。私はこれまで男性ばかりの職場で働いてきたけど「コーヒーを注いでくれるかい?Honey」と言われた時は「あんたの頭の上に注ぐ?それともPCの上?」と答えたわよ(意訳)
Johanna Rothman

#私たちがリーダーシップをとっていくにあたって、頓着しないこと、意識して頓着することはどんなことだろう!?・・私自身は、「アジャイルコーチという職業・役割が好きだ」ということに蓋をしない。その響きを元に行動をとっていく、ということかな

脆さ、弱さがあることを恐れない

We are not afraid to be vulnerable!

女性がリーダーシップをとっていくためには、どのように自分たちがやってきたことや、持ち合わせていること、強みをどうを使うことができるか?を明らかにして考えなければいけないと思うわ。
この経験は”きっとうまく使えない・・”などと恐れる必要もないし、弱音を吐くことだって恐れない。私たちも人間なんだから、厄介なところはあって当たり前。その人間性をembraceしない?
何かあっても、水を一杯飲んで落ち着いて、次の選択肢を考えればいいの。
やってみよう、できた!やってみよう、できた!ってね。
小さな実験、やっていく力と責任感がリーダーシップを育てると思うの。
力は、信頼できる人が近くにいるだけで力になるじゃない?
Johanna Rothman

#私も今の会社でまのあたりにしているけれど、チャレンジに対する共感や、とにかく喜んだり認めたりということをどんどん”言葉にしあえる”って本当に力になるなと感じる。

「自分の中にある”言葉の奴隷”を解き放つ」


人からこう言われる(かもしれない)
社会からこう見られる(かもしれない)
私にはそんなことできない(かもしれない)
失敗できない(失敗はまるでしてはいけないものというような)

全体を通じて感じたのは、この「かもしれない」という妄想と程よく付き合い、距離を置きつつ、自分のやりたい方向に自分の時間をどう割り当てるか?には、
この言葉に奴隷的に?!従うことからの解放と、自分の”何かを好き”だとか、”やってみたいな”とか、そういった気持ちを発掘していくことが必要なのだと思いました。
そしてそれは時に、自分自身よりも他の人からもらったフィードバックから気づくことも大いにあるなと。
#言葉の奴隷についてはこちらもどうぞ

Women in Agile Japanのこれから

そんな話を聴きながら、Women in Agile Japanはこういったことが話せる場であったり、知識、経験を共有し学びを高めあう場として機能していくことが、存在意義なのかもしれない

と改めて考えています。

2022年1月5日から始まるスクラムギャザリングTOKYOのナイトセッションでぜひ、あなたの声を聞かせてください。
ナイトセッション日時*Jan 5th 05:30 - 07:10 PM JST
詳細はこちら

一緒に進化していきましょう!


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