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米国の雇用統計は、経済を理解する上で最も重要な指数。
新しいNISAで初めて株式投資をスタートさせても、経済に関してある程度の知識がなければ、テレビや新聞を見ても、現在の経済動向について理解することができません。
アメリカの「雇用統計」が、世界の為替、金利、そして、株価に最も影響を与える指標の一つとして知られています。その理由は、世界の基軸通貨は、いまだに米ドルであり、世界一の経済大国アメリカの経済を実態を表す指数が「雇用統計」だからなのでしょう。
今回は、経済を理解する上で、最も重要な指数の一つである「雇用統計」について理解を深めていきたいと思います。
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雇用統計で注目される指数はいくつかありますが、特に重要とされるものは、失業率、非農業部門雇用者数、平均時給の3つです。
失業率とは、働きたくても働けない人がどれくらいいるかを表す数字で、働きたくても、働けないない人が減っていれば、景気は上向きということになり、逆に働きたくても、働けないない人が増えていれば、景気は下向きということになります。
失業率はリーマンショック時には8%前後、コロナ禍では最大14%まで上がりましたが、2024年1月現在は3.7%に落ち着いている。
非農業部門雇用者数とは、農業や自営業の方を除いた上で、働いている人がどれくらい増えているかを表す指標で、大体の目安として経済が安定に成長している時は、非農業部門雇用者数の新規雇用は15万〜20万人くらいだと言われます。
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非農業部門雇用者数にはIT企業から製造業まで様々な業種が含まれているわけですが、なぜ、農業部門を除外するのかと言うと、農業は季節性があって、災害や気候などの影響によって、雇用が大きく変化しまう可能性があるからで、より実態を表す指数という意味で、農業部門が除外されているのです。
そして、最近、注目されている指数が平均時給で、働いている人は平均でどれくらいの時給があるのかを示す数値になります。
従来であれば、平均時給という指標はそれほど重要なものではありませんでした。
しかし、近年、インフレが激しい米国では、平均時給の伸びがまだ強いと、インフレ上昇圧力になり、逆に平均時給が下がってくると、インフレが収まってきたと考えることができるという意味で、平均時給も景気の動向を見極める重要な指標と考えることができるのです。
アメリカの雇用統計は、原則毎月第一金曜日に出ますが、雇用統計を見る上で重要なのは、数字そのものではなく、事前予想との乖離がどれくらいあったかという部分です。
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証券会社や様々なメディアが独自の雇用統計の予想を事前にリリースしており、市場は事前の雇用統計の相場を既に織り込んでいる形になります。
したがって、事前予想との乖離が小さい場合は、相場の動きは小さくなりますし、事前予想との乖離が大きい場合は、相場の動きが大きくなると言うわけです。
アメリカの雇用統計というのは、アメリカの経済の実態を表すものであり、失業率、非農業部門雇用者数、平均時給などの指数を確認することは、景気の転換点を見極めるために重要になってきます。
例えば、景気が良くない時は、雇用が弱いわけですが、ずっと数字を追っていると、どこかで少しずつ数字が良くなってくる瞬間というものがあります。
それが3ヶ月くらい続くと、そろそろ景気後退が終わりそうだなと認識できるわけです。
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インデックス投資を行う場合は、毎日細かい数字を追う必要はありませんが、株価が大きく動いても精神的な安定を保っておくために、経済の大きな流れくらいは常に頭の中に入れておかなければなりません。
アメリカの雇用統計は、大きな経済の流れを掴む上で、最も重要な指数の一つだと言えるでしょう。