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株式の格言「5月に売って、9月に戻って来い!」は本当か?
株式市場には様々な格言がありますが、その中でもよく知られているもの「Sell in May and go away. But remember to come back in September」があります。
これは5月に株を売って、株式市場から離れ、9月になったら戻ってこい!という意味の格言になります。
この格言の由来はイギリスから来ていて、当時の貴族、投資家、商人達はロンドンの暑さから逃れるために5月に株式を売却して夏休みに入りました。
もし夏の休暇を楽しんでいる間に保有している株式が大きく下落したら夏休みを存分に楽しめないため、当時のイギリス人にとっては、夏休み前に株式を手放すことが一般的だったのでしょう。
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つまりは、6月から8月の夏の間は株式が大して動かないから、5月に売って、また株式が動き始める9月に株式を再開するのが良いということです。
現在、株式相場を大きく動かしているのは機関投資家ですが、機関投資家の多くは6月から8月にかけて夏休みに入ります。
また、ヘッジファンドの決算が6月に多いのも、5月以降、株価が下落する一つの要因になっているようです。
確かにデータを見ると「5月に売って、9月に戻ってこい!」の格言には納得がいきます。
マネックス証券が運営する「マネクリ」というサイトに次のようなデータが載っていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1715732848254-Tv9wWLVIpR.png?width=1200)
S&P500の1995年12月を100として、1996年から毎年、10月から5月までS&P500で運用し、6月から9月までは市場から撤退するという投資方法を採用したとします。
2024年4月(4月25日まで)までの約28年間でその投資方法を続けた場合、累積リターンで864%、年率で10.20%となり、実際のS&P500で通年運用した場合の累積リターン720%、年率9.43%を上回るパフォーマンスとなります。
逆に、6月から9月までS&P500で運用し、10月から5月までは市場から撤退するという投資方法を採用した場合、この28年間は全く利益を得られず、累積リターンは-15%、年率-0.69%とマイナスになります。
米国のダウ工業株30種の過去64年分のデータを参考に行なった調査では、株価が最も下落したのは9月でした。その後、10月から1月にかけては、株式市場は良好な結果となりました。
つまり、これはあくまでトレンドということですが、9月が株を買うのに適したタイミングなのだと言えます。そして、株価が上がりきった5月が株を売る最適なタイミングなのだとも言えます。
よく米国の株式と日本の株式は同じような動きをすると言われますが、日本でも「5月に売れ!」の格言は当てはまるのでしょうか?
こちらも先ほどのマネックス証券が運営する「マネクリ」のサイトに次のようなデータがありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1715734282121-JI1gyjnJhA.png?width=1200)
こちらの1996年のデータを参考に考えると、日本株も米国株と同じように「5月に売って、9月に戻って来い!」の格言が当てはまることが分かります。
日本株は米国株の影響を受けやすいですし、日本株を買っている7割程度は海外投資家とも言われているため、海外投資家が長期休暇に入っている時は、日本の株式相場の動きも鈍くなっていくのかもしれません。
ただ、長期投資を軸にしているインデックス投資家にとっては、「5月に売って、9月に戻って来い!」の格言はあまり気にせず、適切なタイミングで淡々の買い続けていけば良いのでしょう。
あえて言うのであれば、4月、5月は買い過ぎす、9月は少し多めに買うことを意識するということくらいなのかもしれません。