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27. 小説MCH - アクア「2人のチョーカー」

「それはそうと、アクア。こないだ来てた "炎のおじさん" と、あの後、どんな話をしていたの?」

「あ〜、そうそう。なんだかあのおじさん、すっごくおかしなことを言ってたんだよね...。

 ——— 次やる時は、メガネを外してみたらいいかもしれないぞ

 ...だってさ。

 さっきもそうだったけど、メガネを外したら、目の前のお姉ちゃんの顔だって、こうしてボヤっとしちゃうのにね。なんだか変だよねぇ」

 アクアは笑いながら、メガネの隙間からリアナを見上げる。

「あっ!もしかしたらさ、

 ——— 2位のアクアがもっと悪い成績をとってくれたら、1位の私がもっと目立てるから

 ...ってことだったりしてw」

「あ〜、たしかにそれはあるかもしれないよ」

 リアナの冗談に真顔で返すアクアは、ただただこうしてリアナと一緒に笑い話で過ごすひとときに、本当に幸せを感じているのがよくわかる。

「それにしても実際のところ、こないだの射撃コンテストは、なかなか危ないところだったわよ。アクア、あなた最近またなかなか腕をあげてきたんじゃないの?まあ、それでもまだまだ私には到底及ばないんだけどね」

 リアナは、ニッコリ笑顔でアクアを覗き込むと、

「当たり前でしょ〜。お姉ちゃんは、私なんかより全然すごいんだし、絶対に、次の水のヒーローになるんだからさ。
 それでも私だってちゃんと、二位になれたんだから。それだけでもう本当にうれしくて...。
 おかげで1位のお姉ちゃんと、おそろいのチョーカーももらえたんだしね」

 アクアは嬉しそうに自分の首元を触っている。

「そうそう。これは、今回の1位と2位の景品だったんだもんね。前からすごく欲しかったんだ。
 特に1位のこれは、この自由気ままなリアナ様に、すごくお似合いの大海原の波模様、って感じのデザインだし、最高よね!」

 リアナは自分の首元を指差すと、アクアにニヤリと自慢げな顔で見せつける。アクアもリアナに負けじと自分の首元を指差すと、

「いいえ、お姉ちゃん。私のチョーカーの方が、真っ直ぐキレイな格子になってて、正直でマジメな私にピッタリお似合いなんだから」

 アクアもリアナに劣らず、自分のチョーカーが、大のお気に入りのようである。

「うふふ。自分で自分を "正直でマジメ" だなんてね。ただとにかく今回は、二人とも自分の宝物が1つずつ増えた、っていうことね」

 リアナとアクアは、お互いのチョーカーを見比べながら、ずいぶんとご機嫌な笑顔をしている。


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