![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114364577/rectangle_large_type_2_8189982f9f43bd7ad3ee6949836ba76c.png?width=1200)
7. 小説MCH - フレアと父「優秀な姉妹」(修正ver.4 2024/1/6)
「今回はな、"水の村" に、どうやらとても優秀な姉妹がいるっていう話があってな。いつもの "炎の種火" の確認ついでに、一体どんなものか、様子を伺いに行ってきたんだ」
「へー!それでどうだったの?」
フレアが興奮気味に先を急かすと、父はさらに話を続けた。
「いやそれがな。その姉妹は実に評判通りで、なかなか優秀な子たちだったんだ。あれはまさに将来の有望株に違いない。きっといい "水のヒーロー" に育つと思うぞ」
将来の若い "ヒーロー" 候補について、とてもうれしそうに話す父の顔を見ていると、フレアはまるで自分が褒められているかのように、うれしい気持ちになってくるのを感じた。
「しかもな。前評判によれば、姉が相当優秀だっていう話だったんだが、いやいやどうして。あの妹の方も、なかなかなモノを秘めている感じがしたぞ。
妹の方は、背格好もお前と同じくらいだったし、もしかしたら将来は、お前のいいライバルになったりするかもしれないなぁ」
自分の話に、息子の興味を引きたい父親が、多少の作り話を盛り込むことも、たまにはあるだろうが、この父の話ぶりは、まんざら冗談ではなさそうだった。
「えー!いいなぁ。それだったらさぁ、ボクにもお兄ちゃんが欲しかったなぁ!そしたらさ!"炎の村に優秀な兄弟あり!"ってウワサになったりしてさっ!
"しかも実は、弟の方が優秀らしいぞ!"、な〜んて話が広まっちゃったりしたら、それはもうたまらないよなぁ〜!」
フレアは口元をゆるませながら、興奮気味にそんな妄想にふけり始めていた。
「いやいやフレア。今さらそんな "ないものねだり" をしても、しかたがないんじゃねぇのかなぁ?」
突然、自分の空想世界にふけり始めた小さな我が子に、少しだけ苦笑いをしながらも、いつものアゴひげをくるくるやりながら、やさしい笑顔でこう続けた。
「お前には、お前にしかできない役割が、きっと必ずあるはずだ。まずはそれをちゃんと見つけて、しっかりまっとうしていくんだぞ」
################################# ←前話を読む(第6話) 次話を読む(第8話)→ ※この小説My Cool HEROESは、ジェネラティブNFTコレクション「My Cool HEROES」の背景に流れるストーリーをまとめた中編小説です。 ぜひNFT「My Cool HEROES」の作品と一緒にお楽しみください。