見出し画像

いつかつながることだけは確かだ。

ちょうど4年前、18年間生まれ育った日本を離れ、イギリスでの大学生活が始まりました。

マンチェスターに着いたときの、引き返すには遠すぎるな…というか、あのなんとも言えない感情は今でも覚えています。

そして4年間のイギリス生活を終え、色々あってドイツのニュルンベルクに辿り着きました。詳しくはこちら。

今回はニュルンベルクに辿り着くまでのを青春時代を書いてみます。



イギリスへの挑戦

少し遡って高3のときのことになりますが、実は、日本の大学に進学しようとしていました。

公立高校の普通のサッカー部の普通のいち部員ということで、すごい経歴の持ち主とかでは決してなかったです。

スポーツ科学系の勉強がしたかったのと、体育会の部活でサッカーがしたかったことを踏まえ、センター試験に向けて勉強し、受験しました。

すごく生意気ながら、第一志望で受験したところ以外に行きたい大学がなかったので、会場に行って受験したのは志望校の一個だけ。

シンプルに実力が足らず不合格。

不合格の通知を見てから2時間後くらいにはイギリスに行きたいって親に伝えていた気がします。

これがイギリスに来る前の大まかな流れです。

すごい行動力だな、大胆だなと言ってくださる方がいるのですが、全然そういう立派なものではないです。

昔から知っている先輩がすでにリバプールの大学に通っていて、ちょくちょく話は聞いていたから、おれもそこに行きたい!っていう感じでした。(笑)

不合格の通知をみたその日から、2、3日は狂ったように留学のエージェントとかをはしごして、入学するのに必要な条件は何なのか、どうやって出願するのか、費用はいくらかかるのか、どこに住むのか、大学では何を勉強して、卒業後はどうするのかなどなど。

両親にプレゼンするための情報を掻き集めた記憶があります。

なんとか出願し、なんとか無事に合格し、家族もやりたいことあるなら応援するから、と背中を押してくれ、なんとかイギリスでの大学生活が決まりました。感謝。

18歳の自分

実際にこんな感じでイギリスに飛んだものの、当時の自分は、これからの4年間で何を頑張ろうかというのも、自分は何をしたいのかということもぼんやりしていました。

高校を卒業して急にイギリスの大学を選んだくらいだから、明確に何かやりたいこと、なりたいものがあったんじゃないかと思われがちですが、全然そんなことない。

というのも、何を隠そう、高3のときは「大学サッカーでステップアップしてプロになろう」っていう計画をもっていました。才能も努力も何もかもが足りていなかったのだけど。

このゴールに向けて日本の大学を受験していたけど、スタートラインにすら立てなかったわけです。

言ったからにはやり通せよって感じですが、まぁ何もかも甘い。

大事なことなのでもっかい言っておきます。何もかも足りてませんでした。特に覚悟とか、意識とか、考え方とか、努力とか。

あの時の自分に言ってあげたい。プロになりたい!でプロになれるんだったらサッカー少年みんなプロになってるよ…と。

とにかく、高3で思い描いてた大学生活像があったけど、お受験の時点で頓挫してしまった。

だから、新たにゴールを考え直す必要があった。何を、どこを、目指すねん…っていう自問自答が延々とループしていました。

これがイギリスに到着したときくらいの自分。


リバプールという環境。そして分析との出会い。

大胆にこれまでとは違う環境に飛び込めたものの、まだまだ現実に向き合う覚悟がなかったから、理想の自分というのもぼんやりしていました。

ただ、ラッキーなことにイギリスに着いて1ヶ月くらいで人生初のプレミアリーグをスタジアムで観戦する機会に恵まれました。

エバートンという歴史あるクラブが僕にとっての人生初のプレミアリーグ観戦になったのですが、とにかく痺れてしまった。

試合は格下相手に酷い内容で、0-2で負けてしまってスタジアムも大ブーイングで…。感動っていうかんじではなかったけど痺れました。

これがプレミアかって(笑)

どんな感じで痺れんねん、っていうのは是非旅行して、体験してもらえればと思うのですが、今振り返ると、あのエバートンのチケットを取って頂けたことが本当に有り難かった。🙏

ちょうど何を頑張ろうかと模索していた18歳にとって、小さい頃からサッカーをやってきた自分にとって、それ以降のイギリス生活でプレミアリーグに没頭するには十分な体験でした。

イギリス生活をする中で段々とフットボールの世界にのめり込んでいって、自分がしたいことを考えるようにもなっていったのですが、”分析”は自分に向いてそうだし、面白そうだなと。

あとは、新興めな分野ではあるし、卒業後もヨーロッパに残りたいと考えたときに現実的な手段かなと思ったこともあります。

何より、当時からすでに分析官として働いている方々の話を聞けて、毎週末、試合を観ることを仕事にできたら最高だなと思うようになりました。

自分が分析した内容が試合に反映されようもんなら、ぼぼ自分の手柄やん…みたいに思ったり。(そんなことはないです。笑)

こんな感じで、近い将来やりたいことが段々明確になってきた中で、週末はプレミアリーグを観に行ったり、地元のチームに混ぜてもらってプレーをしたり、(セミプロで蹴らせてもらったこともありました)、時にはチャンピオンズリーグを観に行ったり、サッカーについて学ぶには十分な環境に身を置くことができたことに感謝です。

エバートン vs アーセナル
プレミアを毎週観れる、最高の環境。


人生の転機


自分が在籍していた学部では、最終年でプレミアリーグクラブでの分析のインターンをするチャンスがあり、そこで履歴書に書けるような分析の経験を1年間積んで、就活をする選択肢がありました。

大学選びで迷っている方はそのような大学外のことも視野に入れて選択すると良いかもです。

自分の場合も、1年間プロの環境でインターンをして、その経験を糧に就活して、卒業後もイギリスに何とか残ろうか!という大まかな計画を立て、リバプールを選びました。

長くなるので詳しいことは省略しておきますが、ただ、自分の計画はインターンの面接の段階で軌道から大きく外れてしまいました。(笑)

何人か日本人や韓国人の学部の先輩がいて、面接は普通にやったら受かるよ!とアドバイスをもらっていたのですが、普通に落ちました…

今となっては、落ちたんだからしゃーない。とか軽く言えますが、当時はまぁまぁ落ち込みました。(大学受験のときもちゃんと1時間くらいは落ち込みました。)

このままだと、大学の最終年に大学外で取り組むことがねぇ..

せっかくのプロの環境で働く機会を失ってしまったじゃないか…

ということは、就活も戦えねぇ…。

という状況になってしまい、なんとか他に実践的な分析な経験を積めるところはないかと考えざるおえない展開になったことが人生の転機になりました。

大袈裟な表現ではなく… まず、就活はイングランドに限定せず、ドイツとかスペインとか他のサッカー大国も視野に入れて就活するか…。と舵を切ることにしました。

インターンの面接も通らないのに、フルタイムの面接に通るはずがないからね。

まずは、一部リーグでどれくらい観客が入るのか、雰囲気は、試合のレベルはどうか、スタッフの数は、言語は…など体験してみるために大学の春休みと夏休みを使ってスペインとドイツに行きました。

ドイツに行った際、ボルシアMGというチームの公開練習を観に行き、練習終わりの板倉滉選手にお話聞かせてください!とトライしてみたところ、いいよ!っていう感じでお話しを聞かせて頂けました。

ちょうどその日は吉田麻也選手も板倉滉選手のご自宅で夜ご飯を一緒に食べるタイミングで、これが吉田麻也選手に初めてお会いした日になりました。一生忘れないであろう特別な1日になりました。

色々あってその2週間後からは吉田麻也選手の個人的なパフォーマンスの分析という感じで1年間、FCシャルケというドイツ内で歴史あるビッグクラブの残留に向けてお仕事させてもらえることになりました。

こんな感じで、インターンに落ちて、イングランド以外の選択肢を考えざるおえない状況になってしまったことを起点に、自分が思い描くことすらできなかったことが繋がっていきました。全ての出会いに感謝。

他にも色々な素敵な出会いに恵まれた4年間だったのですが、一個一個思い出すだけでも長くなってしまうので、今回の記事のまとめに入ります。

正解の挫折について

高校を卒業して、行きたい大学があったんだけど受からなかった。

どうしてもやりたかったインターンがあってイギリスまできたけど、面接の段階ではじかれてしまった。

プロサッカー選手になりたいっていう当時の自分にとって壮大な夢を描いていたけど、受験に合格出来ず、スタートラインにも立てなかった。

思い切ってイギリスに挑戦させてもらって、3年間地道に頑張ってきたけど、最終年でやりたかったインターンの面接に受からず、4年目での計画が白紙になった瞬間は、何をしてるんだ…という気持ちになった。

他にも4年間で数えきれないほどの失敗とか挫折。

確かにその時は相当きつい。

だけど、結局いつか、どこかには繋がっているんだな…と。

自分の場合はそうして、イギリスで充実した4年間を過ごすことが出来たし、勉強したいことを十分勉強できる環境で生活させてもらえたし、ドイツで出会えることすら叶わなかったであろう方々からお話しを聞けて、色々と勉強までさせて頂けて、プロの環境で分析のキャリアを始めることができた。

今いる場所がつまんねえ職場だろうと俺の道であることに変わりはねえ。

俺のゴールにどうやってつながるかは知らねえが
いつかつながることだけは確かだ

出典 : リアル (井上雄彦)


今後もこういう、思い描いたようには上手くいかなかったことを”正解の挫折”と呼んでいければ、どこかには必ず繋がっていて、しかも、思ってたより良い景色が見れたりするんじゃないかなと勝手に期待してます。そうやって頑張っていこうかなと。

***

ということで、ダラダラと書いてしまいましたが、今後は就活の体験談とか学部内でのことや、この記事ではカバーできなかったイギリスに来てからの最初の3年でのインターンのこととか、最終年でのシャルケでのこととか、ニュルンベルクで実際にプロの選手や監督、コーチと働いて感じていることなどなど…(キリがない)

具体的に、誰かの参考になれそうなことを、時間を見つけてはちょっとずつ発信して行こうと思います。

感想とかめっちゃ嬉しいです。笑

拡散してくれたりとか共有してくれたりとかも嬉しいです。笑

ではまた!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?