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手放せない絵本がある。~アリスン・マギー「ちいさなあなたへ」~

手放せない絵本があります。

ほとんどは娘たちの為に購入した本ですが、味わい深い絵本がいくつかあって、どの本も心の在り方や、年齢によって捉え方・受け取り方が変化していきます。
子供が大きくなるにつれ、読み聞かせも減り、本棚の端っこに可愛らしく並んでいるのですが、本を整理しても整理してもこれらの絵本は手放せない。
少ない言葉と、やさしくて美しい絵で、今も時々、心のサプリとして活躍してくれています。

―いつのまにやらあなたはおおきくなって、
わたしのあかちゃんんは、わたしのこどもになった―

「ちいさなあなたへ」もそのうちの一冊です。

長女が生まれる前に私が自分の為に購入した初めての絵本です。
母親の目線で、女の子が生まれてからの体と心の成長を何とも愛のこもった言葉でつづり、描かれています。

読みながら涙があふれてたまりませんでした。
今でも感情移入してしまい、声に出して読めない絵本です。

読んだ当初、印象に残ったのが

「小さく見えた家」

少女が大きくなって、家を出る時に振り返ると「あれ、こんな小さかったっけ」と気づくシーンです。

私も大学生になり、初めて家を出て一人暮らしをし、久しぶりに実家に帰った時、そんな風に感じたことをよく覚えています。
ある時にふと、親も年を取るんだということに気づいたり。

娘が生まれる前、「ちいさなあなたへ」を、私は「娘目線」で読んでいたことに気づきます。
娘の目線から母がそんな風に見ていたのかなと母へ思いを馳せて読んでいました。

今読むとそれが「母目線」になっていて、娘たちが成長して、私の見えないところで色んな心の変化を遂げながら、どんどんと大人に近づいていく。

そんな姿に目を細める。

いつ読むかによって、捉え方が変わり思い馳せる先が変化する。
何とも味わい深い絵本です。

記事の中で翻訳のなかがわさんが
『働く親は「ギルティフィーリング(罪悪感)」、子どもにも職場にも常に申し訳ないという気持ちがあるのではないでしょうか。』
とおっしゃっています。

私の場合
―(保育園)いつもお迎え最後でごめんね
―(小学校)「おかえり」って言えなくてごめんね
―楽しみなごはんが夜遅くでごめんね。
これは特にずっと心にあって。。。

でもその分、毎年誕生日には希望を聞いてホールケーキを手作りで!
と、自分が子供達にどのように愛を伝えていくか自分に出来ることをしたいと思い始めました。

左は作り始めたばかりの誕生日ケーキ。少しずつうまく焼けるように(右)。リクエストは毎年好みが変化していて楽しい。

昨年、小学校高学年になった次女から
「私が大きくなって家を出る時に、誕生日のケーキの写真、全部欲しい」
と言われ、じゃぁもうちょっと頑張るかな!なんて気合いが入っています。

作者のアリスン・マギーさんは
「私がこの本で描きたかったのも、母親が働いているかどうかは関係なく親子の本質的な絆」


色んな環境の中で、色んな立場の中で母としてうまくやれているのかと悩むことはたくさんありますが、どんな時も自分が出来る中で自分の表現で愛を伝えられるようにしたいなと思います。


せっかくだから、久しぶりに子ども達に絵本の読み聞かせしてみようかな(笑)。

日経xwoman(この記事は2023年9月10日 10:23まで無料で読めます)


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