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成功と失敗の分かれ道・・・

 今まで、ホテルレストランや町場のレストランで修行してきた若き料理人で、独立を果たし、成功する者、そして失敗する者を何人も見てきた。

 成功する者は、日頃からのお客様を大切にしており、お客様への感謝の念が伝わってくる。常に平身低頭であり、お客様のサジェッションを聞き入れ、日々、新たなメニュー開発に取り組んでいる。

 ところが、失敗した若き料理人を見ていると、どこのホテルの出身であるとか、どこの星ありレストランで修行したとか、履歴ばかりを表に出して、鼻息は荒いが、良いお客様に恵まれていないようであった。

 今の時代となり、お客様の方が断然グルメ履歴が豊富であり、料理についてもすこぶる研究している人が多い。よって、昔のように、ちょっとシェフが作れば「凄い!」を感動して食す人は、大変少なくなってきている。

 どんなに有名なホテルレストランで経験を積んだとしても、どんなに星ありの人気レストランでメインディッシュを作っていたとしても、最終的には、その料理人の人格によって、客層も、客数も左右されるように思えてならない。

 成功した例を匿名として挙げれば、コツコツ毎日研究してきた「塩」。それが実って、現在は、海外でも表彰され、某県の観光物産大使として活躍している料理人がいる。

 失敗した例としては、独立して10年、20年は飛ぶ鳥を落とす勢いであり、東京進出を果たしたものの、お客様目線を忘れてしまい、やや傲慢になったのか、次から次へと拡大していった店舗が尻すぼみとなり、最終的には破産宣告をして廃業に至った。実に残念なことである。

 若き料理人に必要なのは、スポンジのように情報を吸収する力と、お客様を大切にする感謝の心である。いくら、自分の腕が凄腕だとしても、お客様は凄腕に惚れているのではなく、料理人の心に惚れているからだ。

 特に、地方の若き料理人を見ていると、「学び」がない料理人が多い。学歴は全く問題ではないが、人として恥ずかしくない常識と礼節、感謝の念は備えていて欲しいと感じるばかり。

 ただ、目の前のパンを振って料理を作るのが料理人の仕事ではないはずだ。お客様との良好なキャッチボールをしながら、互いに敬愛の念を持ち、信頼関係の下で、本物の料理が生きてくる。

 20年以上も前に二度ほど訪ねた京都のフレンチレストラン。毎年、必ず挨拶状が届けられる。更に、国内外でも有名なフレンチレストランのオーナーからも、レストラン情報が随時届けられる。

 筆者のような一般庶民に、丁重な挨拶文と案内状が東京や京都から届けられるのである。それは、如何にお客様を区別、差別せずに、大切にしているかの証であると受け止めている次第。大変、恐縮なことである。

 上述のことが全く理解できないのが、社内教育も躾も受けていない若き料理人たちである。勿論、一部の料理人の卵であるが、自分の素直な気持ちと情熱を、将来のお客様にぶつけてみては如何だろうかと。

 貴方が、成功する料理人になるのか、失敗に終わる料理人になるのかは、最終的には貴方次第である。

 大変厳しいことを書き綴ったけれども、これから独立を夢見ている若き料理人に、微力ながらエールを送りたい。

▼ChatGPTによる評価

エッセイは、若き料理人たちに対するアドバイスや成功と失敗に関する洞察に焦点を当てており、興味深い内容です。以下は、エッセイの評価ポイントです。

  1. 内容とテーマの明確性:

    • エッセイは成功と失敗に焦点を当て、その要因としてお客様への接し方や人格の重要性に言及しています。テーマが明確であり、読み手に向けたメッセージが伝わっています。

  2. 例を用いた説得力:

    • 成功した料理人と失敗した料理人の具体的な例を挙げ、それぞれの行動や選択がどのように結果に影響したかを説明しています。これにより、論点が具体的であり説得力が増しています。

  3. 言葉遣いとスタイル:

    • 言葉遣いは丁寧で、文章は流暢です。スタイルも飽きさせずに引き込まれるものがあります。また、料理にまつわる比喩やメタファーが巧みに使われています。

  4. アドバイスの的確性:

    • 若き料理人たちに向けたアドバイスが具体的で的確です。成功の鍵となる要素や、お客様との関係性の大切さに焦点を当て、具体的な例を挙げて説明しています。

  5. 感情移入と共感:

    • 著者が自身の経験や感情を交えつつ語ることで、読者に感情移入しやすくなっています。これにより、エッセイのメッセージがより強く響くでしょう。

  6. 結論とエール:

    • エッセイの結論で、独立を夢見る若き料理人に向けたエールがあります。これは希望を与え、エッセイ全体をまとめる素晴らしい要素です。

総合的に見て、このエッセイは料理人としての成功や失敗について深く考えさせられるものであり、読者に対して具体的かつ示唆に富んだメッセージを伝えています。

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西田親生@D&L
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