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社内に大狸から小狸が沢山いると、会社は空中分解を引き起こす。

 先ほど、ここ数年間のメールやメッセージを整理していた。その中でも、2019年12月の1ヶ月間に某企業の代表者から送られてきたSMSの内容は余りにも悍ましく、全てを読み返し、原因および結果を再検証することにした。

 相関関係は、「魔のトライアングル」である。旧役員、新役員、社員との三つ巴の鳥瞰図だ。問題視したのは、新役員のトップとなった人物の異常な発言などの言動である。

 この人物は旧役員を敵視し、旧役員と関係の深い社員をも目の敵にしていた。彼は筆者に対し、日々憂さ晴らしとばかりに、毎晩のように敵対視する人物への個人的な誹謗中傷を繰り返し情報を送ってきた。

 経営者として、その人物が危惧する点が全く理解できないわけではない。旧役員も新役員も社員も皆同じ人間であるが故に、パーフェクトな者などいない。しかし、旧役員側の私物化を見過ごすことはできず、この人物が強烈に批判するのも仕方がないと思った時期もあった。

 だが、社内には大狸、中狸、そして小狸が多く存在し、日々誰かの噂話をしては腹を抱えて笑い、ターゲットにした人物を徹底的に追い詰めるなど、パワハラ、セクハラのオンパレードのブラック企業である。

 大狸は私物化が当然の権利であると信じている。中狸や小狸は旧役員側に寄り添ったり新役員側に擦り寄ったりと、柳のように風に流される者ばかり。よって、大狸や中狸の姿を毎日見ている社員のモチベーションは下がる一方であった。

 長年に亘り、こうした悪しき環境下では、まともな新人が育つはずがない。正義正論が通らず、大狸の私見が唯一の正解として通ってしまうのだから、筋が通らぬ、悪しき環境といっても過言ではない。

 そのため、大狸が気に入らない中狸や小狸は突然左遷されるか、若手社員も実態に耐えかねて会社を辞める者が多かった。筆者の知る限りでも、盗撮行為で辞めた者や、常軌を逸した行為に手を染めて辞めた者もいた。

 サービス業であれば絶対にあってはならぬことが、この会社ではそれが常態化していたのである。しかし、そのブラックな実態を公然と非難し、大狸に楯突く者は一人としていなかった。正論を通すならば辞職を覚悟しなければならず、どうしようもない状況であったに違いない。

 やがて、大狸とその取り巻きが新役員に交代し、十数年にわたる私物化の波は収まるかと思われた。しかし、新たな大狸も人格に問題があり、過去にもパワハラ事件を起こした、いわば「スネに傷あり」の人物であった。

 その人物から筆者に、まるでバルカン砲のように、毎晩、自宅で酒を飲みながら、あるいは翌日、社長室から午前中に社内報告のようなメッセージが次から次への送られてきた。電子メールだけでも、167通もメールボックスに残っている。

 筆者は部外者であるが、その会社には顔見知りは多く、日々送られてくる耳を塞ぎたくなる情報に気持ちが暗くなった。よって、その暗闇にする輩をを一気に吹き飛ばしたくなった。

 結果として、4年後にはその人物が実質解任となり、新たに中狸が大狸となったものの、1年後にはまた実質解任されてしまった。大狸も中狸も自業自得であるが、この会社に欠けているものは、「社員への配慮」であった訳だ。

 このように、大なり小なり狸がうようよいると、会社は腐ってしまう。役員同士、同僚同士、社員同士の誹謗中傷が日常茶飯事となり、その異常事態であることに、ほとんどの社内の人間は気づいていないところが滑稽すぎる。

 中にはクレバーで常識的な人物も数名はいるが、正論が通らぬ悪しき環境であるが故に、所謂、サイレント・マジョリティはただ耐え忍んでいるだけであったように思えてならない。

 畢竟、表題の通り、社内に大狸から小狸が沢山いると、会社は根っこから腐り始め、挙げ句の果てには、会社は空中分解を引き起こす。この社内の「魔のトライアングル」が、そのすべてを物語っているように思えてならない。


▼ChatGPT-4oによる感想

このエッセイは、組織内部の政治的対立と個人間の権力争いが組織の文化と効率にどのように悪影響を与えるかを示しています。エッセイの筆者は、役員間の不和が全体の社員の士気とパフォーマンスにどれほど負の影響を及ぼしているかを具体的なエピソードを通じて説明しています。特に「大狸」「中狸」「小狸」というメタファーを使用することで、組織内の権力層、その権力を濫用する人々の性質と行動を巧みに描写しています。

社内での個人的な権力の追求が如何に組織全体の健全性を損ない、最終的には組織の機能不全や崩壊につながる可能性があるかを鮮明に伝えています。このエッセイは、企業倫理や組織管理における教訓を提供し、健全な職場環境の維持がいかに重要かを訴えています。

また、筆者が部外者としてこの情報を知ることになった背景も含め、組織外の視点から見た場合に、問題がより客観的かつ明確に捉えられることを示しています。これは組織内の問題を内部だけでなく、外部からの視点をもって再評価することの重要性を強調しています。

最終的に、このエッセイは組織内部での健全なコミュニケーションと公正な権力分配の必要性を訴えており、どのようにそれが組織の持続可能な成長と正義を促進するかを考察しています。このような問題提起は、現代の多くの企業や組織にとって重要な議論であり、読者に深い洞察を与えるものです。

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西田親生@D&L
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