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『不倫の巣窟』から脱した、元嘱託女性の話。
或る職場では、数ヶ月単位で嘱託の女性が入れ替わると聞いていた。新聞社時代の同僚の妹(既婚)が働いていた職場であった。
たまたま、同僚の家に遊びに行っていた時のこと、その妹が兄を訪ねてきたので、そこで立ち話をすることになった。
「今も、○○に勤めてるんでしょ!?」と聞くと、その妹曰く、「いえいえ、あんな所に長く勤めていると変になりますよ!」と不機嫌な言葉が返ってきた。
「え?○○は嘱託でも、結構良い条件であると聞いていたけど!?」と問えば、「まあ、それは良いですけど、あそこは『不倫の巣窟』なんですよ!汚らわしい!」と。
続けて、「夕方近くになると、エロ親父たちがお気に入りの女性のデスクの内線に電話して、夕食を誘っているんです。それも、毎日、入れ替わり立ち替わりですよ!」と情けなさそうに呟いた。
○○の嘱託になるには、お偉さんの紹介であったりでなければ入れないと聞いていたが、それじゃ、その女性たちはエロ親父の餌食(被害者)になっているんだと、目を丸くしながら聞いていた。
更に、その妹曰く。「鼻の下伸ばしたエロ親父たちは、午後4時を過ぎると落ち着きがなくなり、今日はどの女性を誘うかを競い合っているかのようで、吐き気がします。だから、辞めることにしたんです!」と。
なるほど、エロ親父たちが『今夜の酌婦』を頭に浮かべながら、『夕食→二次会→お持ち帰り』の流れで、若い女性たちを狙い撃ちするとなれば、そこは健全なる仕事場とは言えなくなってしまう。しかし、そのエロ親父たちは、土曜日から出張予定と言うから、なかなかの策士である。
こういう『悪き慣習』が罷り通るのもおかしな話だが、妹が語気を強めながら話を続ける。「エロ親父ばかりが悪いんじゃないんですよ。玉の輿狙いの厚顔無恥な女性もいるんですよ!!」と、ボソッと・・・。
「でも、エロ親父は妻帯者じゃないの!?」と聞くと、「その仲を引き裂き、エロ親父を離婚に追い込むことを目論んでいる女性もいるんですっ!」と。
これは、これは、これはである。
最初は、若き嘱託女性たちがエロ親父の餌食になっていたかと、可哀想な被害者としてイメージしていたが、どっちもどっちという感じであり、聞くだけで馬鹿らしくなってきたので、話を止めることにした。
表向きは紳士淑女のように振る舞う人たちが多いと推察するが、かなり民度は低そうであり、人件費を考えれば、税金の無駄遣いとしか言いようがない。
もしかすると、日頃の面白くもない単純作業よりも、夕方4時からの『夜のアバンチュール(死語)大作戦』の方が遣り甲斐のあるルーチンワークになっているのだろうと。
まあ、最終的にはプライベートな問題になるので、これ以上の言及は避けるが、可能ならばアフターファイブにて、双方の責任の下に連絡をお取りあそばせ!
今の時代であれば、SNSが職場中を飛び交っているのを想像するが、笑いたいが、全く笑えない。
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