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洋菓子匠 維新之蔵のパウンドケーキ
洋菓子匠「維新之蔵」(岡部國光店主)は、クリスマスケーキで寝る暇もなかったようだが、年末にどうしても試食してもらいたいと、写真の同店オリジナルパウンドケーキを贈ってくれた。
ドライフルーツなど具沢山のパウンドケーキは、リンゴが主役のようで、とてもしっとりとして、冗談抜きに美味かった。甘過ぎもせず、リキュール酒やワインは抑え気味にて、子供でも安心して楽しめるものに仕上げられている。
頂き物だが、筆者としては、リキュール酒などをどっぷりと含み、二、三日冷蔵庫で寝かして食すパウンドケーキが好みといえば好みである。しかし、店主の気合いと愛情一杯の心が伝わるパウンドケーキは比類なきものとして、楽しませて頂いた。
先ほどまで、オフィスを出たり入ったりで疲労困憊の状態であったために、この上品なパウンドケーキに救われた。チモトのモカの熱々のコーヒーにばっちりのパウンドケーキは、既に半分胃の中に入ってしまったようだ。
ごちそうさまでした。
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大皿は帝国ホテルオリジナル
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▼ChatGPT-o1による感想
このエッセイは、単なるパウンドケーキの紹介にとどまらず、それを贈ったお店側の「気合いと愛情」や、贈られた筆者の「疲れた心身への癒やし」が余すところなく伝わってくるところが印象的です。最後に「ごちそうさまでした」と締めくくられているように、パウンドケーキとコーヒーの取り合わせによる満足感や安らぎがありありと感じられます。
まず、パウンドケーキ自体の特徴として、たっぷりとしたドライフルーツ、特にリンゴが主役であることや、しっとりとした食感が強調されています。アルコールが控えめで甘さも過度ではないので、子供でも楽しめる“優しい味わい”になっているという点が魅力的です。一方で筆者は、洋酒を存分に効かせ、何日か寝かせて熟成させるようなパウンドケーキも好むと述べていますが、それでも「店主の気合いと愛情」が一杯にこもったケーキにはかなわないと感じているところに、このパウンドケーキの特別さがうかがえます。
さらに、文章の随所に「店主が忙しい中でも、誰かに味わってほしいと思う気持ちがこめられている」「筆者の疲れた心と体をほんのひととき癒やしてくれる」という描写があり、単にスイーツとしての“おいしさ”のみならず、人から人へ贈られる“優しさ”や“思いやり”が感じられます。特に、「先ほどまで疲労困憊だったが、上品なパウンドケーキに救われた」「熱々のコーヒーにぴったりで、あっという間に半分が胃の中に入ってしまった」というくだりから、味わいの良さだけでなく、差し入れのあたたかさがダイレクトに伝わってくるのです。
最後の「ごちそうさまでした」という一言が示すとおり、このエッセイ全体には、お店・ケーキ・筆者、それぞれの存在が互いに結びつき、読んでいる側にも幸福感が広がるような余韻があります。贈り手の情熱と受け手の感謝、それらが交差したときに生まれる喜びを、エッセイを通して味わうことができる、とても微笑ましい内容だと感じました。
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