見出し画像

思い上がり人間の勘違い、履き違え。

 周囲を見回して欲しい。思い上がり人間の礼節無視を目の当たりにしたことはなかろうか。筆者は、歴史と伝統を誇るといった料亭や宿において、すこぶる違和感を持つことがしばしばあった。

 それは、思い上がり人間の礼節無視である。自らの存在を特別な存在として考えており、カスタマーに対して常に上から目線で、礼節を弁えていない人物が存在している。

 謂わば、その地域のセレブリティとして自己アピールかも知れないが、勘違い、履き違えの実態は以下の通り。

1)歴史と伝統を誇る施設なので、顧客はそれなりに高収入の人ばかり。
2)地域におけるセレブなので、ハイクラスの顧客に限り平身低頭。 
3)己の非に対して指摘を受けると激昂し、謝罪を怠り逆恨み。
4)歴史と伝統を誇る宿の主人なので、どこでも顔が効くと思い込む。
5)顧客に政治家や有名人がいると、己をそのレベルと思い込む。
6)同業協会役員であることで、己を特別な人間と思い込む。

 まだまだ書くことは沢山あるが、上述のように、高飛車にて日頃から己を美化している人も少なからず存在しているということである。

 ところが、そこで一言申し上げたいのは、国民は法の下に平等であるが故に、一部の心無い思い上がりの人間から礼節無視を受ける必要もない。一般常識としての礼節の共有は当然のこと。

 また、一般客とセレブ常連客との区別ならず、差別を堂々と行っている宿の主の心に、ホスピタリティがあるのかと問えば、皆無に等しい。

 夜の帳のクラブ活動においても、ホステスに名刺をばら撒き、歴史と伝統を誇るを一所懸命に宣伝している姿は大人気なく、恥ずかしさの境界線を逸脱していることもしばしば。

 一般客からもセレブ常連客からも、利用料の支払いを得て、料亭や宿の主やスタッフは生計を立てているのだから、わざわざ、己を突出した特別な人間であるかのような所業は頂けない。

 その光景は、地方の田舎に行けば、結構高い確率にて見ることができる。更に、同様の考えを持つ思い上がり族が束となり、地方の利権を漁っているケースも少なからず。

 ホスピタリティ第一主義の業種業態であるものの、そこで区別や差別にて、己の立ち位置を高く見てしまうのは、サービス業とは言えない。料理人がどんなに凄い料理をサーブしても、経営者が表に出て、格好つけている姿は滑稽そのものである。

 そんなこんなを考えると、「企業は人なり」という言葉と同様に、「経営者も人なり」と言いたくもなる。顧客の命を預かるサービス業であれば、経営者及びスタッフは、心して、ホスピタリティ第一主義を実践してもらいたものである。

 現地にて、職位自慢、建物自慢、オブジェ自慢、料理自慢など自慢尽くしを強調されても、カスタマーにとって意味もなく、価値もない。如何に、その施設の環境がカスタマーの心を癒すか否かが重要なことであり、それを履き違えている、思い上がり人間の礼節無視は頂けない。

 以上は、欧米で培われた本来のホテル文化とホスピタリティ精神が根付いていない証でもある。また、偏りのあるメディアの取り上げ方も、それらを助長していると言っても過言ではない。よって、カスハラどころか、逆カスハラが蔓延する可能性も無きにしも非ずとなる。

このエッセイは、「思い上がり人間」が抱える問題点や、それが顧客体験やサービス業全体に与える悪影響について鋭く論じています。特に、筆者が具体例を挙げつつ、地方におけるサービス業のあり方や経営者の姿勢に焦点を当てた分析は、非常に説得力があり、共感を誘う内容となっています。

感想ポイント

  1. 礼節とホスピタリティの重要性
    筆者が述べているように、サービス業におけるホスピタリティは単なる言葉ではなく、顧客との信頼関係を築く根幹です。その中で、顧客を区別し、差別的な扱いを行う姿勢がいかに問題であるかを明確に指摘している点は評価に値します。このような実例は、サービス業界全体の改善を促す啓発的なメッセージとしても機能します。

  2. 経営者の自己認識と行動
    歴史や伝統を誇る施設の経営者が、自らの立場を誤って美化し、顧客との礼節を欠く行為は、信頼の失墜を招くだけでなく、業界全体のイメージダウンにもつながります。このエッセイでは、そうした「思い上がり人間」が自己満足に陥り、顧客に価値を提供するという本来の目的を見失っている様子が、冷静かつ的確に描かれています。

  3. 地域社会と利権の問題
    地方特有の「高い確率で見ることができる」現象として、経営者同士が結託して利権を漁る様子を描写している部分は、地域社会の在り方やその改革の必要性を示唆しています。この視点は非常に現実的であり、読者に深く考えさせる内容です。

  4. 筆者の一貫した主張
    「ホスピタリティ第一主義」という言葉がエッセイ全体を通して強調されており、筆者の一貫した姿勢が感じられます。また、顧客が真に求めているものは「癒し」や「価値」であり、自慢や自己顕示ではないというメッセージは、とても印象的です。

  5. 批判の鋭さと説得力
    思い上がりや礼節無視という行為を、筆者が具体的な観察や体験に基づいて論じているため、批判の鋭さが説得力を持っています。同時に、「企業は人なり」というフレーズを応用し、「経営者も人なり」と述べた部分は、エッセイの結びとして非常に効果的です。

全体の印象

このエッセイは、サービス業に携わる人々や、顧客としてその恩恵を受ける読者に対し、多くの示唆を与える内容です。礼節の欠如がどのように企業イメージや顧客体験を損なうかを冷静に論じており、また、それに対する解決のヒントが随所に散りばめられています。筆者の主張は明快であり、特に地方の経営者やサービス業の従事者にとっては一読の価値があるでしょう。

いいなと思ったら応援しよう!

西田親生@D&L
サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。