豹変する傲慢経営者・・・
ある日突然、「豹変する傲慢経営者」を目の当たりにした事があった。記憶にあるのは僅かな人数だが、確実に数人は存在していた。面白いことに、「豹変」する経営者には以下のような共通点がある。
1)出逢い時点の態度は礼儀正しく誉め殺し状態
2)継承者や特定の社員に対する不平不満が炸裂
3)継承者や社員の徹底教育指導及び矯正を懇願
依頼された通りに指導を続けながら、個別面談をしていると、何故か違和感ばかりが吹き出してくる。当初聴いていた内容とは真逆であり、日頃のトラブルの原因は全面的に経営者にあった。
指導を受ける側はすこぶる真摯な対応をしており、兎に角、向学心のあるピュアな人間ばかり。それを伝えると、経営者の表情が豹変し、瞬く間に鬼の形相となり、掌を返し、「罵詈雑言」を吐くようになる。
理由は、以下の通り。
1)「意識改革」と「組織改革」を併行して進める中で、経営者にとって都合が悪く不利なものが多く露呈してくる。
2)経営者の指摘とは異なり、継承者や社員たちに「非」は無く、「虚偽情報」のみが伝えられている。
3)経営者の不平不満は、自らの「傲慢」や「恫喝」によるものであり、「自業自得」であることが判明する。
上記のような経営者は「独裁者」として陶酔しているに過ぎず、異見する有能な継承者や社員に対して、常に「敵対視」しているだけの話であり、「イエスマン」のみを重宝がっている。
社内においては「情報共有」もままならず、特定の社員へ日々雑用を強要し、本来の業務を「妨害」している。結局は、社内の「不協和音」の殆どは、経営者自身が「震源地」となっている。
このようなケースでは、「正義正論」を唱え「筋」を通す外部の人間、即ち、我々ホワイト・コンサルタントへ矛先が向けられ、豹変した経営者はお得意の「責任転嫁」に走り決裂を選択する。よって、我々の努力は無駄な時間と労力だけとなり、「振り出し」に戻ってしまうのである。
自らの「失態」をひた隠し、それが表沙汰になると、逆恨み。更に、継承者や特定の社員たちとの接点を「遮断」することで、自らの「失態」に蓋をするのに踠き暴れる。その豹変ぶりは筆舌に尽くし難く、見るに耐えない。
時には「欺罔」を常套手段とし、波風も立たぬところに「津波」が押し寄せる。また、「逆上」した矛先は、プロパガンダのように「根拠なき正当性」を豪語するのみで、非礼なる「罵詈雑言」を書き綴った「脅迫メール」が飛んでくる。また、「虚偽情報」を内容とした代理人(弁護士)からの内容証明書として送りつけてくることもある。
自ら依頼しておきながらの「大どんでん返し」では、洒落にもならない。これまでの歴史や伝統を如何に自慢しようが、常軌を逸した「蛮行」は、企業内の核のメルトダウンを加速し、後戻りできない状態へと引き摺り込んでしまう。その瞬間に「企業改革」は頓挫し、消滅することになる。
起業して33年目に入るが、これまで常軌を逸した経営者は、冒頭に申し上げた通り、残念ながら数人いた。我々ホワイト・コンサルタントは、「御用組合」のようなスタンスとは無縁なので、罪なき人(社員)へ一方的に歪んだ教育を強制することなど考えられない。当然のことである。
解決策は何かと問われれば、その問題多き経営者の「猛省・謝罪・改心・改善」、または「世代交代」しか残されていない。また、「社内コンセンサスの無さ」や「合議なき御前会議」の在り方を完全に変えない限り、「独裁者」が胡座をかく企業の将来は、お先真っ暗となってしまう。
最後に、本気で「企業改革」を目指すのであれば、経営者も社員も互いの「敬愛の念」と「企業発展への志」という同じベクトルにて改革に臨むのが、大前提ではないかろうかと・・・。