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フォークリフトの免許を取ろう! 4

 空が明るい。夕陽がさしているうちに帰れるって素晴らしい。みんながおうちに帰ってる。私は流れと反対方向なので渋滞に巻きこまれもせず、ストレスなく帰り着きました。

 座学で疲れていたのか、昨日は21時過ぎには就寝しました。

 一回も目が醒めなかった! そしてアラームの10分前に目が醒めた!

 こんな爽やかな目覚めはかつてない。素晴らしい。旅行に行くよりもストレスがない。

朝日のあとに起きてきて

 ただ、昨日より遅めに出たため、道路は昨日以上に渋滞していました。私が国道に出でるために使う道路が、国道沿いにある工場の出勤ルートとかぶっているらしく、そこを抜けるのに信号二回。

 それでもそこを過ぎてしまえば問題もなく。

 今はツツジが満開です。そこかしこに植えられた白や紫のツツジを楽しみながら、目標時間より5分遅れで到着。それでも、開始時間より20分以上早いのですけど。

 既に駐車場は半分埋まっていましたが、今日からの講習所は敷地内の駐車場に余裕があると言うことで、問題なく駐車できました。

 そして時間になっても、やっぱり私の目の前の席の人はやってきません。

 事務員の人の挨拶と説明が始まって、やっと到着。昨日よりは早いけど、こういうのは性格なんでしょうね。まぁ、私は迷惑してないのでよいのですが。

 挨拶も終わり、今日は昨日の徐行メンバーが二チームに分かれて実地講習です。私たちのチームは、初心者が多いらしいのがちょっと気楽です。

 最初は、フォークリフトを前に走らせ、ポイントで停車させてバックで戻ってくる単純なもの。しかしフォークリフトは、動かすのに乗用車とはプラスの手順が必要なのです。

 発車の前に、フォークリフトのフォーク部分を少し持ち上げ、後傾させる。

 戻ってきて駐車(停車)するときは持ち上げたフォークを降ろし、前傾させて設置させる。これは、ただ動かすだけでも必要な動作らしいです。

 しかも、シフトレバーとサイドブレーキの位置が微妙に車と違うので、それを飲み込むのが大変。それでも二回やればなんとかという感じ。三回やれば身につきそうなのに! と思うのですが、メンバーが二周すると、次の動作が加わります。

 次の動きは、「進んだら左折して停車、バックでそこから左折して戻ってくる」。

 フォークリフトは、内輪差が大きく、前輪が右左折の際の大きなポイントになります。この左折のためのハンドルの切り方、角との距離の取り方が大きなポイントになっています。

 それでも、二回やればなんとか判るもので、もう一回やりたい! と思っていると、またプラスの動作。今度は、左折して、戻って、車体がまっすぐになったら直進して、突き当たりでバックで戻ってくる。

 こんな感じで、ひとつの動作を二回やると、新しい動作がプラスされます。最初の動作を何回もやらないのは、必ず次の動作の中に含まれているからなんだけど、今日初めて乗る身にはちょっときつい。

 午前中は休憩時間が一回しかなく、それが終われば昼までぶっ通しです。昼近くには集中力も切れ気味で、最初できていた動作がポンと抜けたり。

 そして、初心者が多くて気が楽、と思っていたのが、この頃になるとちょっとデメリットに転換してきます。

 というのも、もう一つのチームは比較的経験者(1トン以下のフォークは、社内講習で乗れる)が多いらしく、サクサクとすすんでいくのに、こちらは各人がほぼ初心者で、適応能力にばらつきがある。

 私も人のことは言えないのだけど、同じチームの中でちょっと大幅に習得が遅れている人がいて、この人のために大きな時間がとられてしまう。

 個別に見てもらえる普通自動車の教習と違って、フォークリフトは1チーム一台で、一過程を順番に練習していくので、一人が大幅に遅れると次に差し障りが出てくるわけです。

 あまりプレッシャーは感じて欲しくないし、楽しんでやって欲しいなとも思うけど、あの人がもう少し早ければもう一回出来たのにな、と思ってしまうのも本音。

 それでもなんとか、午前中の内容はこなして、お楽しみのお弁当です。

食べること生きること

 今日のお弁当のメインは唐揚げでしたが、揚げ具合か、揚げられた鍋内の場所が悪かったのか、わたしの分はちょっと焦げ気味でした。でも無料だし、標準の味はクリアしてるし、品数は多いしで、有り難いくらいです。

 私の隣の席は、20代頭くらいの男の子。

 お互い必要外の会話は無いですが、朝挨拶したときも、はっきりと「おはようございます」と返してくれたので、印象は悪くありません。その彼、

 お弁当を食べ終わったとき、手を合わせて一礼したのです。

 私は手を合わせはしないけど、作ってくれた人に敬意は持ちたいなと思ってます。

 感謝することを教えてもらえる環境で、よかったね。こういう子が、正しく報われる会社であって欲しいです。

 さて、ひとときの安らぎの時間も終わって、午後からは新しく過程が加わったフォークリフトの実地講習。

 S字を通り抜け、同じコースをそのままバックで戻ってくる。これは試験には出ないけど、工場内では必要なテクニックだからと、あえて講習に入れているらしい。

 それが終われば、今度は更に「パレットにフォークを挿す」動きが追加されます。

 しかしこのあたりから、ちょっと適応の遅いAさん(仮)の存在感が急激に増してきます。ほかの人は、時折失敗しながらもなんとかこなす左折、バックでの左折、S字通過。これがどうも飲み込めないらしく、しかもそのことでパニックになってしまうらしく、立ち往生してしまうのです。

 いや、こういうのはむしろ失敗してなんぼ。今のうちに弱点を洗い出して頑張って欲しい、と思う一方で、

 教官とAさんの会話で、「年だから覚えられない」的な言葉が漏れ聞こえてくる。別に自虐はいいんだけど、

 よくよく聞いてたら、あなた、私と同い年では?

 私はよく職場で、私よりも年下の子が年齢で自虐すると、ツッコミを入れます。「あなたより年上の人にケンカ売ってるのか」的なことをやんわりと。

 年齢を理由に自虐するのは、それはあなたと同い年でそれなりにやってる私に失礼なのでは? カーブの感覚が掴めない、ハンドルを切るタイミングが判らない、頭が真っ白になる、バックが苦手等、それはあなたの特性であって、あなたと同じ年齢の人が総じて持っている特性ではないぞ、と。

 もちろん言いませんけどね。せいぜいあと二日程度、顔を合わせるだけの人なので。

明日は明日の

 もう少し時間があれば、機会があれば、と思うことは多々あれど、とりあえず平均点で通過してるらしい今回の実地練習。

 最期に、希望者だけもう一度乗せてくれるというので、迷わず志願。例のAさんも希望した所、さすがに時間的なものを考慮したらしく、一番最後に回されました。

 そして、そのAさんの順番の二分前程度で終了時刻。

 これが普通免許の講習なら、別枠で追加料金で講習、となるのでしょうが、今回は教官のはからいで、居残りで見てあげるらしい。確かに教習時間内で、ほかの人をまたせるよりは助かるけど、いい講習所だなぁ。

 そして、Aさんをのぞく全員は、定刻通り帰路につきました。

 明日は更に追加の動作が何点か教えられたあとは、ひたすらコースの練習のようです。繰り返せば、それなりに身につきそうな気はします。

 わりと達成感に包まれて帰った、私の本日のハイライトは、洗面台の鏡の前で起きました。

 顔、日焼けしている。

 いや、一応朝、SPF30PAp++のUVジェルを塗ったの! でも、丸一日晴天の屋外で浴びた紫外線には勝てなかったらしい。頬がなんとなく赤い。そしてぼんやりと、マスクのあとが白い。

 このご時世、人前でマスクをしない方が少ないから、まだいいっちゃいいのだろうけど。しかし鏡を見る度にがっかりするのはいただけないなぁ。

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河東ちか
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