『まごチャンネル』は受け入れられるか?愚直にやり続けた仮説検証ステップ。
こんにちは、代表の梶原です。
前回の記事では、僕がなぜ起業して『まごチャンネル』を作ったのかをお伝えしました。
今回は、起業したときに立てた仮説をどのように検証してきたのか、そして今どんな課題に挑戦しているのかについてお話ししていきたいと思います。
おじいちゃん、おばあちゃんへの検証活動からスタート
『まごチャンネル』をビジネスにしようと思ったときに最初に浮かんだ疑問は、「世の中のおじいちゃん、おばあちゃんは、自分の親と同じように喜んでくれるのだろうか?」ということでした。
そこで、Facebookに「お孫さんがいるおじいちゃん、おばあちゃんを紹介してくれませんか」と呼びかけてみました。すると、複数の友人が協力すると言ってくれたので、その友人の実家でインタビューをし、テレビをお借りして『まごチャンネル』を体験してもらうことになりました。
このとき、僕の子どもの動画が流れると思わせておきながら、実は友人にもらっておいた本当のお孫さんの動画を流したんです。すると全員が「うわぁ〜!!」と声をあげて驚き、「本当に会ってるみたいだね!」なんて喜んでくれました。中には「これいくらですか?」と聞いてくる方もいらっしゃるほどでした(笑)。
最終的には東京・大阪合わせて15件のお宅に訪問し、全てのおじいちゃん、おばあちゃんから同じような反応を得ることができました。この検証を通して『まごチャンネル』の体験は世の中に受け入れられるという確信を持つに至りました。
お会いした方の中にはスマホを難なく使いこなす方もいらっしゃいましたが、やはりテレビで観たときには、実際に会ったかのような温かみを感じてくれているようでした。
ニーズはある。市場もある。それでも売れるか不安だった
サービスが受け入れられる確信が持てた一方、「本当にお金を頂けるのだろうか?」という不安は拭えませんでした。全くの同業はいない一方で、SkypeやLINEなど無料で遠くの人と対話もできるサービスがあるため、サブスクリプションサービスを利用するハードルは少なからずあると思っていたからです。
とはいえ、ご家族と別々に暮らしている高齢者数は過去20年で増え続けていて、その数は1200万世帯に上ります。高齢化と核家族化が同時に進み、15年後にはこれがさらに80%増加すると予想されています。
また60代のスマホ普及率は上がる一方で、テレビを見る時間は減っていません。すなわち、高齢者にとってスマホとテレビは全く別物であり、スマホの普及は『まごチャンネル』の脅威にはならないのではないかという仮説を立てました。
このような社会情勢から十分な規模の顧客ボリュームや将来性があると考え、試作機の販売をスタートしてみると、これが思いのほか売れたんです。最初に立てた仮説の中で1番のサプライズでしたね。
新しい仲間と「まごチャンネル」の体験価値を伝えたい
先ほどお話したように、おじいちゃん、おばあちゃんは動画を観ると、「うわぁ~!!」と喜んでくれるものの、実際に観てもらうまでは『まごチャンネル』の良さがなかなか伝わらないことも。
言葉でどんなに説明しても、「LINEでええやん」とか、「以前、買ってもらったフォトフレームがあるけど使っていないし」と言われてしまうケースもあります。サービスをまだ使用したことのない方に『まごチャンネル』の体験価値を伝えることが、これほど難しいとは思っていませんでした。
高齢者世帯が1200万世帯という潜在顧客数を踏まえると、もっと多くの家庭に普及するポテンシャルがあるプロダクトです。「サービスの価値を使用する手前の段階で伝える」という課題は、デザインやテクノロジーの力を使って新しい仲間とともに解決していきたいと思っています。
“代替品のない市場”で、未知の領域にチャレンジ
「チカクのポジショニングを教えてください」とよく聞かれるのですが、これはなかなか難しい質問です。今のところ、『まごチャンネル』に取って代わる消費があまり見当たらないからです。
『まごチャンネル』を使うと、その分使わなくなる消費って何でしょうか? 孫の姿を年中見せてあげられるからといって、帰省の回数が減るとは考えにくいですし、スマホを使わなくなるわけでもないでしょう。代替品がないということは、もしかして「ブルーオーシャン」…?というポジティブな考え方もできるかもしれません。
一つ言えるのは、チカクが挑戦しているのは明確に〇〇市場と表現するのが難しい領域だということ。そんな未知の市場に愚直に挑戦したい人と一緒に、チカクのサービスを広めていけたら嬉しいです。
チカクでは、一緒に働く仲間を募集しています。興味をお持ちの方は、こちらからご応募ください!