ゆきちか日々の書簡 04 *「個人的」なもの
コンポーザー二人の毎日のやり取りを切り取ったもの。きほん何気ない話です。今回はアピチャッポンからイーノへと。
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わたなべゆきこ
作曲家、ケルン在住、四歳児の母。アジアが面白い!
森下周子
作曲家、ベルリン在住。台湾いくの♡
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わたなべ:アピチャッポンって知ってる?タイの映画監督なんだけど、最近気になってる!
森下:わあ自分がアジア人だからかな、息がしやすい感じがする。
わたなべ:うん、西洋とは空気ちがうよね。
森下:ちょっと、もののけ姫っぽい?
わたなべ:ええっ??
森下:あら誤解かしら(笑)スピリチャルというか、目には見えないもの、、、親密な空気、インティメイト。
わたなべ:ああ、そういうことか。そうね、親密でどこか個人的。面白いと思うんだよー、出すあてもない日記みたいなもの。
森下:その人の視線をずっとおいかけるみたいな?
わたなべ:かなあ。その人を知らない、それでもすっと入ってくる感じ。
この前リザ・リムの箏作品教えてくれたでしょ、あれも同じ感じ。
森下:いいよね〜♡
わたなべ:個人的な衝動なんだろうなって。理由とかじゃなくて。作曲するとき。
だから惹かれる、誰かが書いたかっちりしたプロフィールの文章とかより、何気ない日々のメモ帳とかのほうが、面白いじゃん。「明日人参買う!」「明日からぜったいダイエット!」とかさ。
森下:見られるの恥ずかしいけどねえ(笑)
ああでもブライアン・イーノがさ、1年間使ったお金を1セントも残らずぜんぶ書き出すっていうプロジェクトをやったらしい。感情を書き綴るより、よほど本当の姿を表してて「個人的」なんだろうなあって思ったの覚えてる。
【これまで】
ゆきちか日々の書簡 01 * チルテレ
ゆきちか日々の書簡 02 * カイロの音楽祭
ゆきちか日々の書簡 03 * 日本エキス
ゆきちか日々の書簡 04 *「個人的」なもの
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