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DojoCon Japan 2022 に参加して(CoderDojo 平群)


こんにちは、chikako2020です。
2022年11月27日(日)に富山市で開催されたDojoConJapan 2022 に参加した様子をレポートします。


CoderDojo は7〜17歳を対象とした非営利のプログラミング道場です。2011年にアイルランドで始まり、世界では112カ国・2,200の道場、日本には218以上の道場があります。

https://coderdojo.jp/

事前に申し込み


私は子どもと大人のプログラミングクラブCoderDojo平群(へぐり)をDojoCon Japan 2022 の2週間前に立ち上げたばかり。仕事でプログラミングも使っていないような、こんな右も左も分からぬような新参者にも、みなさん優しくしてくださるのだろうか…内心ドキドキしながらの参加です。

まず無料の入場チケットをオンラインで申し込み。ついでに事前申し込みの必要な「教育版マインクラフト・ ワールドツアー」と「プログラミングでポケモンをうごかしてみよう」の2つのワークショップにも申し込みました。

当日は自分のノートパソコンを持参します。事前に「マインクラフト教育版」と「Scratch」をダウンロードしておきます。

申し込んだあと、メインイベント終了後に交流会があり、希望者はライトニングトーク(LT)という5分ほどのプレゼンができると主催者からメールをいただきました。「せっかく富山まで行くんだから、私も何かやってみたいな~」という軽い気持ちで、こちらにも申し込みました。

イベント参加のチケットは申し込み完了。つぎはホテルと移動手段の手配です。ちょうど2022年10月11日から始まった「全国旅行支援」を受けることができたので、旅費が安くなりました。
初めは一人で行くつもりだったので、ホテルはシングルを一部屋しかとっていませんでしたが、N高3年生の息子も一緒に行くことになりました。急きょ息子の分も予約をしたのですが、予算内で泊まれる同じホテルの部屋は、すでに満員だったため、別々のホテルに泊まることになりました。

富山へ出発

いよいよ25日、出発の日、大荷物を持って大阪なんばOCATから夜行バスに揺られて金沢に向かいます。せっかく富山まで行くのだからお隣の金沢も行ってみたい、とイベントの前々日から出発です(留守にする家族には不評…)。
夜行バスを利用するのは学生時代以来。交通費が安くて、荷物を持って移動する手間がないけれど、やっぱり眠れないですよね。
金沢では「金沢城公園」「兼六園」「近江町市場」と観光を満喫してから、IRいしかわ鉄道に乗って約1時間かけて富山に向かいます。

金沢から富山へ。倶利伽羅っていう字面がかっこいい!

富山ではCoderDojo奈良のチャンピオンさんが企画してくださった「(勝手に)DojoCon Japan 2022 前夜祭」という名の飲み会に参加しました。ほかの地域のCoderDojoチャンピオンやメンターと初対面です。子連れ参加も多くて、わきあいあいとした雰囲気です。
私と息子はこの日のために名刺を作って持って行きました。生まれて初めての名刺交換!たくさんの方と知り合うことができました。

この非公式前夜祭の2次会にはCoderDojo創始者のJamesさんも参加されるとのこと。息子はJamesに会いたがっていましたが、明日も会えるから今日は帰ろうと言い聞かせて、私達はここで解散。

実は私の予約したホテルの部屋が、手違いで喫煙席になっていたので、禁煙室に変えてもらいました。それが広い広いお部屋に変更だったので、私は早くホテルで一人でゆっくりしたかったのです。息子には申し訳なかったけれど、お互い一人を楽しみましょう!昨夜の夜行バスの不眠を、ここで一気に解消できました。

DojoCon Japan 2022 始まります!

広いお部屋で一人ぐっすり眠った次の日は、いよいよDojoCon Japan 2022。キャリーケースを引きずって、大きなリュックを背負いながら、息子と2人で10分ほど朝の富山の街を歩き、会場の富山商工会議所を目指します。

10時の開会式に間に合うように着くと、会場には大きなスクリーンと、たくさんのパソコンやディスプレイがつながれた一角が!!それだけでワクワクします。DojoConJapan 2022の青いTシャツを着たスタッフさんたちが走り回って活気があふれています。

モニター、パソコンがいっぱい!配線はどうなっているの!?

基調講演

まずは、基調講演「みてきいて!世界を目指した私たちの5ヶ月!」。大きなスクリーンを背景に、約100人もの聴衆の前で登壇するのは「テクノベーションガールズ『SpesDojo』」小学校高学年~中学生の少女たち4人組です。


Technovation Girlsは女子&ジェンダーマイノリティ中高生たちがテクノロジーを用いて課題解決をする国際的なプログラムです。
『SpesDojo』はCoderDojo瑞穂から小中学生4人のビギナーチームでエントリーし「Watey」という家族で楽しく節水ができるアプリを開発しました。2022年7月13日に、Regional Winner Asia(アジア地域優勝)に選ばれ、日本から初めて世界大会(ファイナルラウンド)に進出しました。
ふつーの学校に通う、ふつーの少女たちが、プログラミングクラブ「CoderDojo瑞穂」から世界に挑戦!数々の戸惑いや失敗もひとつひとつ乗り越えて『Technovation Girls』の大舞台に立つまでの秘話を語ります。

https://dojocon2022.coderdojo.jp/session/technovation-girls/

自分たちで積極的に課題を見つけて、困難にぶつかったら調べたり、周りの大人たちに聞いて解決していく様子を元気に語ってくれました!日本語と英語を交えながらスライドを紹介していく、ステージ上の4人の女の子たちはキラキラ輝いて見えました。

私は小学校に勤務しているので、このSpesDojoの女の子達と同じ年代の子どもたちと毎日接しています。もし、私が普段接している子どもたちも、何かきっかけがあったら、こんなふうに芽を出して面白いことに挑戦できるんだろうか?
そのとき私は何ができるのかな?と考えさせられます。


次のセッションは「ママ事務員がCoderDojoとの出会いで覚醒、Dojoチャンピオン、Microsoft MVPに大変身」。
前日の非公式前夜祭でお隣どうしおしゃべりしていた、CoderDojo西尾のおおたに あすかさんが登壇されています!これは、ぜひとも聞きたい!と思っていたのですが、事前に申し込んでいたマイクラのワークショップの時間になったので泣く泣く途中で会場を後にしました。
YouTubeで公開されています。CoderDojoを立ち上げられたこと、私も子育てと仕事の両立に悩んでいたこともあり、すごく共感しました。Dojoが安全基地っていいですよね!)

ワークショップ①「教育版マインクラフト・ワールドツアー」


開始時間の10分前に10階のホールから9階へ移動し、「教育版マインクラフト・ ワールドツアー」の会場へ。すでに子どもたちと保護者でいっぱいです。講師をつとめるのは日本のMinecraft界のレジェンド・新妻正夫さんです。
事前にマインクラフト教育版をダウンロードして置いた自分のノートパソコンを用意しておきます。重く大きいリュックからノートパソコンを取り出し、準備万端!マイクラを自分で操作するのは初めて、どんなことができるのか興味津々です。

初のマイクラにドキドキ

今回は受講生全員が同じワールド(世界)に入る「マルチプレイ」を体験。まず、先生が用意したワールドに参加コード(4つのアイコン)を入力して参加します。
ところがWi-Fiが繋がらずパソコンが止まってしまう人が続出。しかし、講師の先生は慌てず、「マルチプレイ」ではなく「シングルプレイ」という一人で遊ぶ方法に変更して先に進めていきます。どんなトラブルにも動じない所はさすが、「日本のMinecraft界のレジェンド」ですね!

まずは、教育向けエディション「キーウ:都市クラフト ガイドブック」を体験。作者はウクライナ、キーウ出身の世界的なマインクラフター、エフへニー・コロールさんです。
戦争で破壊される前の綺麗だった時のキーウをマイクラで観光しました。独立広場のウクライナ独立記念碑など、たくさんの実在する建物がマイクラの世界で再現されています。中に入ることができる建物もあり、とても細かいところまで作られているのが分かりました。

次に体験したのが「クリエイティブクラッシュ:働きバチ」。「主題キット」→「eスポーツ」と進んでワールドを選択します。
エリトラ(飛ぶことができる蜜蜂の羽根)を装着してハチになってはちみつを集めるゲームだったのですが、初心者の私は操作についていけず、空を飛ぶことが全然できませんでした。
一方いっしょに参加していた小学生の子どもたちのほうがどんどん先に進んでいきます。

初のマイクラ、操作が慣れずあっという間に終わってしまいました。CoderDojo で子どもたちが発表しているマイクラを見てると、平原に自分でいろんな建物を建てるだけのゲームかな?と思っていたのですが、あらかじめ用意されているワールドに入って遊ぶこともできるんだ!と初めて知りました。
今回は楽しみにしていた「マルチプレイ」ができなかったのが残念です。また機会があったら再度、新妻さんのワークショップに参加したいです。

チャンピオン相談室

次のワークショップまで時間があったので、会場をうろうろしていると「チャンピオン相談室」というブースを発見。先ほどマイクラの操作で自信を無くした私は思わず立ち寄ってしまいました。

「あのー、すみません。奈良県の平群町でCoderDojoを立ち上げたばかりのものですが…、相談してもいいですか?
私はエンジニアでもないし、仕事は学校司書でプログラミングも趣味でやる程度で技術もありません。そんな私がチャンピオンとしてもやっていけますか?」

相談にのってくださったのは、CoderDojo とよなかのチャンピオンnandymakさんです。
答えは「大丈夫!!!」でした。

CoderDojoのチャンピオンは、道場の立ち上げと運営を担当する、情熱的で精力的な(そしてしばしば技術の専門家でない)ボランティアです。

https://coderdojo.com/ja-JP/start-a-dojo

また「Dojoで、ニンジャにマイクラについて質問されたらどうしたらいいですか?」と相談すると
「マイクラは子どものほうが詳しいから、子ども同士で教えあうのが一番」とのことでした。

そんな話をしているうちに、空いていた私の隣の席にCoderDojo倉敷のチャンピオンさんが座られて、3人でお話することができました。するとまたその隣の席に新しくDojoを始められたチャンピオンさんが来られて、また新たに相談スタート。私も共感するところがあり、耳を傾けます。

このまま2時間でも3時間でもチャンピオン相談室でお話していたかったけれど、次のワークショップの時間になったので残念ながら移動です。
今回のDojoCon Japan 2022 で一番私が良かったなと思ったのが、この「チャンピオン相談室」でした。普段もSNSなどで交流はできるのですが、やっぱりゆっくり落ち着いて対面で雑談できる、いろんな方々と偶然の出会いがある場所というのがいいですね!


ワークショップ②「プログラミングでポケモンをうごかしてみよう」

講師はCoderDojo Kashiwaを主催・運営されている宮島 衣瑛さんです。事前にスクラッチをダウンロードした自前のノートパソコンを大きなリュックから出してスタンバイ。宮島さんにポケモンの素材の入ったファイルを入れてもらいます。

こちらのワークショップも私以外の参加者は小学生ばかり。
まず動画でポケモンがモンスターボールに吸い込まれていく様子をゆっくり動画で確認します。

  1. ポケモンがボールにあたる

  2. ポケモンがボールに吸い込まれる

  3. 少し待つ

  4. Getできたらボールから星が出る

この様子をスクラッチで作っていきます。宮島さんの説明は本当に分かりやすくて、ぜひ見習いたいと思いました。
使用するスプライトはおなじみスクラッチキャットではなく、ピカチュウやポケモンボールです。それだけで気分が上がりますね!

ポケモンがランダムに移動しているところに、マウスで動かせるようにしたポケモンボールを操作してポケモンを捕まえます。ボールがポケモンに触れたら、少し待ってからポケモンが消え、ボールに吸い込まれます。

基本的なブロックの組み方を教えてもらったら、あとは自分たちで自由にアレンジする時間です。さあ、どんなの作ろうかな~と考えていると、高3の息子が合流。彼はスクラッチを小学生のとき少しやっただけ、8年ぶりのスクラッチ、うまくいくのでしょうか?息子と2人ワイワイいいながらプログラムを組んでいきます。

  • 手書きのスプライト「モクロー」っぽいやつを手書きで作る

  • Get率をピカチュウ1/3、モクロー1/2にする

  • Getできたらポケモンは一瞬「★」になってきえる

  • Getできなかったらポケモンは「よっちゃんイカ!」と言う

独特な感性による、独特なゲームが誕生しました。高3の息子とゲームを作るという体験、ワクワクして新鮮で楽しかったです。

こういうヘンテコなゲームを一生懸命考えて楽しみながら作るのっていいな~、Dojoに通ってくれるニンジャもこんな気持ちなのかな~と思いました。

最後は発表タイム、発表するのは希望者のみです。
みんな小学生ばかりでしたが、背景をつけたり、スコアでカウントしたり、ポケモンがだんだん小さくなってボールに吸い込まれる動きをつけたり、短時間でここまでできるなんてすごい、と感心しました。
そして、みんな一人ひとり違うゲームになっていて、そこも個性が出て面白かったです。

もう終わり・・・

2つのワークショップをまわって、時間をだいぶ取られてしまいました。気づいた時にはメインイベントである「プログラミングコンテスト」の投票時間が終わっていて投票できず残念でした。


井波彫刻に触ろうVR体験」が空いていたので、体験させてもらいました。VRゴーグルをつけると目の前には立体的な不動明王さまの彫刻が!手で操作すると持ち上げたり、拡大や縮小することもできると教えてもらいました。
まるで実際に触っているかのようです。私は大の仏像好き、中でも不動明王さまが大大大好きなので、とても興奮してしまいました。
withコロナで気軽に観光できなくなってしまった世の中、こんな観光の形もあるのか、と勉強になりました。

セッション「CoderDojoの今を伝えるDojoLetter編集部」では、若林健一さん、細谷 崇さんが登壇されました。関西弁のお二人によるテンポのよいトークは、まるで漫才。ほんと、若林さんはいろいろなことをやっているな~と感心してしまいます。「雑談が楽しい」とお話されていましたが、私も今回の「チャンピオン相談室」で雑談の楽しさを体験しました。「雑談」って軽視されがちですが、本当は人間が生きていく上で欠かせないものかもしれないですね。

すべてのセッションが終わって、「プログラミングコンテスト」の最優秀賞、ポケモン賞、優秀賞が発表されました。
最優秀賞は【作品タイトル:ちょいチャレ!】に送られました。ニンジャが実用的な携帯用のアプリまで作ってしまうなんて、本当に驚きです。App Inventor という、MIT(マサチューセッツ工科大学)が開発した技術を利用して開発、同じくMITが提供しているスクラッチのように、ブロックを組み合わせてアプリを作るそうです。

なお、DojoCon Japan 2022 の様子はYouTube で公開されています。

交流会とLT

閉会式が終わり、楽しかったDojoCon Japan 2022 あっという間に終了。交流会と有志によるLT(5分ほどのプレゼン)が始まります。

私もLTで、2週間前に立ち上げたばかりのCoderDojo平群について発表します。発表するにあたり、ほとんどが初対面の方なので、ぜひ私のことを覚えてもらって、これからも仲よく交流してもらいたいと思い、とっておきのアイテムも用意してきました。これなら、日本好きなJamesもきっと興味をもってくれるはず…。ずっと背負っていた、ずっしりとした大きなリュックから、私は例のアイテムを取り出し、スタンバイします。

事前にCanvaで作ってきた動画がなかなか再生できず、焦ってしまいましたが無事、プレゼンをすることができました。そして最後に例のアイテムを手に取りました。

私が持ってきたのは「ホラ貝」です。会場中のカメラを持った人たちが、ホラ貝を手にした私に向けて、さっとカメラを構えます。
目をつむり集中してホラ貝を吹き、古都奈良の山寺で毎日練習した成果を皆さんの前で披露しました。まだまだ練習中で未熟な音でしたが、インパクトは抜群!
狙い通り、会場の皆さんのハートをガッチリ掴みました!!

発表が終わると、たくさんの人々に声をかけてもらいました!Jamesも話しかけてくれましたが、英語が話せず会話も弾まず…。また次回会える時まで英会話できるように勉強したいと心に決めました。

会場を後にして、息子と富山名物のブラックラーメンを食べて夜行バスに乗り込み、奈良に帰りました。

富山の最後の晩餐はブラックラーメン

まとめ

いま私はCoderDojoのアドベントカレンダーに間に合うように、この記事を書いています。富山でのDojoCon Japan 2022の参加で、ドキドキするけれどもワクワクして楽しいと思えることをたくさん体験しました。

なかでも、息子と二人でスクラッチで夢中になってゲームを作ったことが、思い返してみると本当に楽しかった。役にも立たないし、結果や成果なんてないゲームだったけど、時間を忘れて没頭しました。
確率を入れられるんじゃないかと思いつき、ブロックを組み合わせてみたけれど、思うように動かなくて何度かやり直してみて、やっと思うように動くようになった時の感動といったら!

プログラミングを勉強して良かったと思うことは、何度でも何度でもやり直しができる、というところです。試行錯誤しながらどんどん前に進めるって素晴らしいですよね。
また分からない所は、そのまま放置しないで、自分でググる、本で調べる、詳しい人に聞いて解決できる点も、私の好きなところです。

実生活では「役に立つこと」や「結果や成果を出すこと」ばかりが求められ、「失敗したらどうしよう…」と不安になり、前に進めなくなることがあります。
また、知らないことを知らないと認めたら、周りにバカにされるんじゃないか、と考えて知ったかぶりをしてしまったり、問題から目を背けてしまったりしてしまいます。

それって、とってももったいないことですよね。
初めの一歩を踏み出すのは、本当にドキドキします。でも不安に負けず、好奇心を持って一歩踏み出してしまえば、今まで知らなかった面白い世界が広がっています。

「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあります。一人では解決できなくても、だれか知っている人がいれば聞けばいいし、本を読めば知りたかった情報が載っているかもしれません。

また、雑談って実はとっても大事なのではないか?とDojoCon Japanで実感しました。たくさんの人と出会えて、誰とでも気軽に話し合える環境っていいですよね。

プログラミングを通して、役に立たなくても、失敗しながらでも、人に聞きながらでも、自分の考えた作品を作る楽しさを子どもたちにも体験してもらいたい。
それから、大人も雑談を楽しんでいろんな人たちと交流してもらいたい。
DojoCon Japan 2022 に参加して、そんな素敵なCoderDojoを私も作っていきたいと思います。








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