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【インド】バンガロール生活:メイドやドライバーの雇用に関する所感 〜給料や教育など〜

Hello!記事に目を留めていただきありがとうございます。
今回は、タイトル通り、完全に個人的な所感のまとめとなることを初めに断っておきます。すでにご自身で、このテーマについて明確な基準を持って判断されている方や、会社で雇用しているなどの理由で興味のない方には役に立たない記事となります。
逆に、これからインド生活を始められる方や、現在メイドやドライバーが給与交渉をしてきて困っている、給料設定の明確な基準が分からない、など頭を悩ませていらっしゃる方は、ぜひ参考程度にお読みいただければと思います。
いわばインドで生活するにあたって、初めに直面する課題かもしれません。少なくとも私は、何度もこのことで悩んで友人に聞いたり夫婦で話し合ったりしました。
約4年前、知り合いの日本人もおらず、日本と180度違う環境に飛び込んで戸惑っていた過去の私のために、少しでも助けになる情報を提供するというつもりで、この記事を書いていきたいと思います。

給料の設定

まず、私の経験上ですが、長年の間メイドやドライバーを雇い続けているインド人でさえも、明確に定められた基準をフォローして設定しているわけではありません。彼らの両親や親戚が支払っていた金額、そのメイドやドライバーがその家庭でどのくらいの期間働いているのか、勤務時間や月ごとの休日の数、無断欠勤の数や勤務態度など様々な条件を考慮し、各家庭によって決めている、という印象です。
ちなみに、ここバンガロールではエリアによって給料設定が変わってくるようで、HSR layoutやKoramangalaなどでは比較的高く支払う傾向にあるようです。

英語ページで調べたバンガロールのドライバーの給料を参考に見てみると、
毎日8時間16000から18000ルピー/月基本的に週1日曜日休み
それ以外に超勤を依頼するときは、1時間100ルピーとの相場です。

メイドに関しては、アパートメントやコミュニティ全体で大体決まっている平均があるようですので、まずご近所さんに聞いてみてください。私の居住しているコミュニティーでは、2000ルピー/時間/月と、大体のメイドがインタビュー時に交渉してきます。ここ数年でバンガロールの物価もどんどん上がってきているようですので、彼らの生活を考えるとそれぐらいでも妥当と私は考えますが、インド人の友人からすれば、この給料設定も高めのようです。

一方、日本人家庭で長年働いてきたメイドさんたちが交渉してくる値段は、それよりもはるかに高いです。しかしながら、彼女たちは、英語が堪能である場合が多く、今までのキャリアからくる信頼度も高いです。遅刻しない、無断欠勤しない、嘘をつかない、先を読みながら働く、手が空いたときも何か仕事を見つけて進んで働く、必要以上にこちらに要求してこない、そして何より、日本の文化や日本人の性格などを分かっている、という価値があります。
その価値を考えると、普段の生活をストレスなく、安定した精神状況で過ごすために、支払っても損はないと感じるかもしれません。

雇用するメイドやドライバーの、勤務状況や態度における価値を、自身がどれだけ感じるかということと、その地域における相場を勘案した上で設定してみるといいと思います。

初回のインタビューが肝心

おおよその相場を把握したところで、次に重要となってくるのが、初対面時、インタビューです。この時に、勤務時間や、給料だけでなく、ベビーシッターや料理補助などのお願いしたい業務内容、英語必須であること、超勤への支払い内容、それから年に1度のボーナスと支払い時期、など多くのことをしっかりと確認しておくことが必須です。
特に昇給やボーナスなどは、面接時にしっかり確認しておかないと、働き始めた後に頻繁に交渉してくる場合が多く、頭を悩ませる要因となります。私も、住み込みメイドを雇っていたことがあるのですが、面接時の昇給とボーナスについての確認が甘く、昇給を断ったら休日を突然取ったまま仕事に来なくなったことがあります。言った言わない合戦にならないためにも、書面にて残してサインを取っておくということをしてもいいかもしれません。

また、服装などの身なりや、靴、髪型などもよく観察したほうがいいと思います。清潔感があるか、この面接にどういった心構えで来たか、などが読み取れますし、第一印象で大抵雇いたいかそうでないか、決定できると思います。

それから、身分証明書、いわゆるアダールカードやPANカードのコピーを取っておき、住所を把握しておくことも大切です。ただ、コミュニティに居住している場合は、コミュニティ内に出入りするために、メイドやドライバーは必ずアダールカードコピーの提出をし、メンバーとして登録される必要があるので、何か問題が起こったらコミュニティに問い合わせれば、照会は可能だと思います。

さらに、私は、ハウスルールを常に壁に貼って、これも面接時に必ず確認しています。我が家のハウスルールは、小さい赤ちゃんがおり衛生面が特に気になってしまうので、頻回の手洗いをすること、嘘をつかない、遅刻しない、休みたい時は緊急時以外前日までに必ず知らせる、子どもたちには過干渉にならずまず見守る、などです。
また、これとは別にキッチンルールも冷蔵庫に貼っています。常に参照できるためです。というのも、日本人とインド人では、衛生面についての感覚の違いは、相当なものがあるからです。台拭きで洗ったばかりの包丁やまな板を拭かれたり、野菜を水道水で洗ってそのままサラダにしたり、掃除用のスポンジでそのまま食器を洗ったり、、きちんと確認していなければ、下手すると消化器症状に苦しむことになるため、最初の面接時だけでなく、勤務開始後もしばらくはキッチンに一緒に立ち目を光らせて教育していきます。

そして、我が家では、勤務開始より1ヶ月を、試用期間としています
特に最初の1週間程度は、教育に時間をしっかりかけながら、その方の人間性や働きぶりを評価していきます。試用期間1ヶ月としていますが、大抵は、1週間もあれば、その先も雇うか雇わないか判断できると思います。
性格的な相性もありますし、合わないと判断した場合は、すぐ解雇した方が、お互いにとっていいと思います。生活環境に入ってきてもらいお手伝いしていただくので、信頼できるかどうかというのは、とても大事です。


前借りや昇給交渉への対処

この件に関して、私もこれまで何度も経験がありますので、おそらく読んでくださっているみなさんも経験されるだろうと思い、記しておきます。
近年バンガロールも物価が上がっており、特にお子さんをお持ちのメイドやドライバーから、学費が高騰し支払いができない、とよく耳にしますので、学校への支払いのために前借りを頼まれる場合などがあるかと思います。

まず、前借りを要求された場合は、私は、その方への信頼度によって、承諾するか決定します。これまでの勤務態度、日本人家庭を経験してきており共通の知人からも保証がある、などリスクが少ないと判断した場合に、なるべく早い期間(2〜3ヶ月間、給料から差し引く)で回収できる額にできれば抑えて承諾します。ただ、受け入れた場合は、最悪戻ってこなくてもしょうがない、と思う心構えは必要かと思います。
要求された全額の前借りを必ず受け入れる必要はありませんし、まだ雇って日が浅い、など断ることも可能です。その方が、多方面にお願いしている場合も多いです。金額を減らし一部だけ援助することも可能ですし、こちらからも条件を提示するなど、強気かつ冷静に対応することが肝心です。
私はこちらにきてまもない頃、頻繁に要求されることに、彼らの生活のことを考えたりして、いつまでもうんうん頭を悩ませ続けていましたが、明確な基準を持って判断は早めにし、あとは自分の人生のために時間を使う方が、心地よく日常生活を送ることができます。

昇給交渉に対しても、前述のように、初回の面接時に、一年勤務継続後、年に1回のみ、という確認・念押しをしておくことはとても重要です。また、どの程度の昇給をするかも、インド、バンガロールの平均的な1年ごとの昇給基準を知っておくことも、対応の一助となると思います。メイドやドライバーという、失礼ながら誰であっても代替可能で、特別なスキルを必要としない職種は、残念ながらそこまでの昇給は見込めないことを、冷静かつスマートに説明する力を身につけておくことも、とても重要です。


まとめ

メイドやドライバーを雇うことは、助けになり便利なこともあれば、雇う上で逆にストレスとなってしまうことも多々あると思います。私もそれまで人を雇用する立場に立ったことがなかったので、初めはずっと試行錯誤、解決策を導き出すのによく悩んでおりました。そして、今は上記のような形に落ち着いています。

心構えとして、不誠実な態度には、毅然とした態度で、強気な対応をすることが重要です。
最終的に解雇することになるのは心苦しいことではありますが、日常生活で、サーヴァントの方達のことを信用できないのは、とってもストレスになりますので、もう信用できない、いくら言っても改善しない場合は、解雇して次を探すのも一つの選択肢です。
解雇する場合の注意点としては、最悪恨みを買って盗難などの被害に遭わないためにも、解雇を告げたらそれ以降は働いてもらわないのが賢明です。最終の給料などのやり取りは、メッセージを通じて行うのが良いと思います。

ただ、個人の考えですが、遅刻などは、この渋滞都市バンガロールで10−15分程度はそこまで気にすることかな、とも思います。遅れた分後ろを長く働いてもらうなど、自分の気持ちをアジャストさせる方が、楽な場合もあると思います。
特別な用事があるなど、どうしても遅れて欲しくない場合は、前日までに電話やメッセージで伝えておくのも手段です。

あとは、細かいことになってきますが、日本一時帰国時の給料をどうするか、なども初めに家族内で決めて、早めに伝えておくのがいいと思います。私たちは、こちら都合での休みなので、全額支払うようにし、車検や家の中の修理、毛布のクリーニングなど、普段頼めない仕事を依頼しています。一時帰国中は、半額などに設定している家庭もあるようです。

余談ですが、コロナ禍でロックダウン中、メイドやドライバーがコミュニティに入ることができない時期もありました。コミュニティの感染症対策チームが決めたことだったので、やむを得ないことでしたが、来て僅か一年ほどのインドという土地で、ヘルプ一切なく、幼い子どもたちをどうにか室内で飽きさせずに遊ばせながら、箒やモップを使って汗だくになりながら掃除をしたり、一人で家事をするのは大変なことでした。当時私の余裕は一切なく、メイドやドライバーに払う給料の判断は夫に任せていましたが、あの大変な時期に彼らの立場を理解しフルサラリー払い続けていた夫の判断を、今でも尊敬しています。コミュニティのゲートまで来てもらい、長い行列に並んで手に入れた米や豆などを給料と一緒に配って、お互い励ましあったことは、絆を深めることになり、メイドさんのうち一人は今でもずっと真面目に働いてくれています。私たちも窮地でしたが、世界が不安定で先行き不安な中、もっと影響を受けさらに困窮する彼らの立場を考えることも、雇っている立場としてとても重要なことと思います


また、誕生日や、お祭りごとなど、あなたが気持ち良い範囲で一緒にお祝いしたりして、関係を良好に保つのもいいと思います。インドの方は、甘いものをとても喜んでくれます。
我が家では、各々1日の勤務時間が長いので、チャイ用の茶葉やお砂糖、ミルクなどを、メイドとドライバー用のスペースを作り常備しておき、いつでも手が空いたときに作って飲んで良いようにしています。最小限ですが、できるだけ気持ちよく働いてもらうための一つの方法です。

メイドさんに料理など教えてもらうのも、苦でなければ良い経験になると思いますし、少なくとも日本では雇えない給料水準で、インドという土地だから雇えているということに、感謝を忘れずにいることも、自身の心の平和を保つのに必須です。

以上、これまで記したことは、あくまで私個人の所感ですので、参考程度にし、
ご自身の基準を持ってうまくヘルプを雇用し、インド生活を楽しんでください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
インドでのメイドやドライバーの雇用に関して、給料基準や労働時間など、
コメントいただければこれからインドで生活される皆さんにとっても参考になると思いますので、もしよければお願いいたします。
それでは、また次の記事にてお会いしましょう!

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