【DWK】 ONLINE DIALOGUE Vol.14 桝屋髙尾 代表取締役社長 髙尾 朱子氏
こんにちは。DESIGN WEEK KYOTO (以下、DWK)の岩口知加です。
7/27、DWK ONLINE DIALOGUE Vol.14 を開催しました。本日はその開催報告をお届けします。なお、YouTubeには対談の様子がアップされていますのでご興味のある方はぜひこちらもご覧ください。
今回のゲストは、
桝屋髙尾 代表取締役社長 髙尾 朱子(たかお しゅうこ)さんです。
桝屋高尾さんは、西陣織帯地製造の工房で、徳川美術館の宝物袱紗を再現する際に開発した独自の糸、「ねん金糸」を使って織り上げる織物は、国内外で高く評価されています。
▲「ねん金糸」を使った きらびやかな帯やストール
今回の対談では、桝屋高尾や先代(朱子さんのお父様が)が開発した「ねん金糸」の歴史、そして桝屋高尾の三姉妹の三女として生まれた朱子さんが4代目を継ぐことになった経緯等、お話いただいてます。
■トーク内容
①桝屋高尾について
~今年で創業90年~
②桝屋高尾の特徴である「ねん金糸」について
~徳川美術館からの復元の依頼から~
③朱子さんが桝屋高尾を継ぐまで
~生まれた時から継ぐことは決まっていた!?~
④朱子さんが継ぐと決めたきっかけ
~ねん金の帯はすごい締めやすくて衝撃的だった~
⑤現在取り組んでいること
~織り体験やネットショップ開設~
⑥今後取り組みたいこと
~ねん金糸の里帰りプロジェクト~
対談では、徳川美術館から「黄金のねん金袱紗」の修復を依頼されましたが、緯糸が見たことなくて、太さ・細さ・撚り方等を一から研究して、相当な時間を費やして開発された経緯や、朱子さんが跡を継ぐまでのお話を、小学校の時からの同級生で朱子さんを支えている武長さんとの掛け合いで楽しく見られます!(ほんっとに面白いです!笑)
▲世界唯一であろう150cmの手織り機
(”あろう”のくだりはぜひ動画で..!)
たくさん貴重なお話がある中で、私が印象的だったのが、ねん金糸を開発する際、朱子さんは「(機械を使っていようと)人間がそこにどう参加するかによって出来上がりが違うと強く実感」されたそうです。
毎回色んな工房・工場に行って思いますが、同じ機械・同じ材料があってもそれを使う人が違えば全然出来てくるものが違う。これはルールに縛られている工業製品のルールの中では絶対生まれてこないものだと思います。
(また一つ勉強になりました..!)
他に印象的だったのが朱子さんが、ねん金の帯を初めて締めた時に、
朱子さん:
「すごい締めやすくて衝撃的で、また鏡で写った自分を見て、私はどこ行っても大丈夫やと思った。私がやることはこれ(ねん金糸の帯を伝えること)やと思った。父は一度も帯を締めたことがなかくて、私が伝えるんや」
とお話されていて、今も精力的に色々と活動されていますが、そのルーツはここにあったのかと思いました。女性が身につける着物だけど、まだまだ男性社会である業界で、朱子さんのような女性はとても貴重だなと改めて実感。
また職人さんを育てていく中での思いなどお話されていて、ぜひ動画でご覧ください。
▲桝屋高尾で働いている方々
(皆さんステキなんです..!)
▶トーク動画はこちら
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