【DWK】 ONLINE DIALOGUE Vol.6 -蘇嶐窯 涌波隆氏・まどか氏
こんにちは。DESIGN WEEK KYOTO (以下、DWK)の岩口知加です。
6/20、DWK ONLINE DIALOGUE Vol.6 を開催しました。本日はその開催報告をお届けします。なお、YouTubeには対談の様子がアップされていますのでご興味のある方はぜひこちらもご覧ください。
今回のゲストは、
蘇嶐窯(そりゅうがま) 涌波隆さん・まどかさんです。
蘇嶐窯さんは京都の京焼・清水焼と福岡の小石原焼の伝統技術をそれぞれ受け継ぐご夫婦が生み出す京焼の工房。
今回は息子さんも一緒に登壇してくれました!
▲京焼・清水焼×小石原焼
今回の対談では、「京焼・清水焼×小石原焼」という世界に1つしかない技法が生まれた経緯、そして蘇嶐窯を継ぐ5代目の登場によって、モノづくりに対する思いを親子3人で語っていただいてます。夫婦でのろくろの回し方も違い、大変興味深いです。
▲お二人の作陶風景
このお二人を見て、まず座り方が違いますよね。これは
○京焼・清水焼(左・隆さん/京都)
→あぐらをかいて、ろくろを回す。(中国大陸、右回転)
○小石原風(右・まどかさん/福岡)
→椅子に座って(朝鮮半島、左回転蹴ろくろ 右足で蹴る)
という違いがあり、「へぇ〜そういうことか!」と思い
この写真だけで歴史を感じました。
■トーク内容
①蘇嶐窯について
〜京焼・清水焼と小石原焼が出会うまで〜
②工房について(作陶風景)
〜夫婦でろくろの回し方が違う!?〜
③蘇嶐窯としての立ち上げ
〜最高位の青磁×飛鉋の技法〜
④蘇嶐窯を立ち上げるきっかけ
〜小学生息子の衝撃の一言 10年・20年先を見据えて〜
⑤五代目登場!(現在高校1年生)
〜中1の自由工作で火焔式土器!?〜
⑥息子の作品に触発されて
〜火焔式土器から青磁の土偶〜
⑦陶磁器してなかったら何をしていたか。
〜家業を継ぐ以外の選択肢が他にあったか〜
⑧今後取り組んでいきたいこと
〜青磁の色を極めたい隆さん、青磁の入り口を広めたい まどかさん〜
ぜひ動画を見ていいただきたいのですが、私が印象的なお話はこちらです。
隆さんが涌波蘇嶐(蘇嶐窯の前身)の作家として活動していた時、まどかさんが、バイトを2つかけもちしながら、作陶していたそうです。そんな時、
小学校の低学年だった息子さんが5代目を継ぐと言っていた時、
「陶器で食べていく厳しいし、何のバイトしようかな」と言っていることがまどかさんにとって、とてもショックで、「目先のことだけでなくて、10-20年先を見る仕事が出来ていなかった。」と思い、そこから夫婦としての活動に転換し、今の蘇嶐窯さんがあるそうです。
2人の男女が出会うことによって、これまで融合しなかった新しい文化ができ、そして新しい家族が増えることによって、また新たな世界が広がる。
1時間の対談で、陶磁器の歴史から工芸、家族のこと等 1本の映画を見たような気持ちにもなれます。
ぜひご覧ください。
▶トーク動画はこちら